映画の話

黒澤明を観る! ➁「蜘蛛巣城」感想

ぷらすです、こんばんは。

前回の「赤ひげ」と一緒にレンタルした「蜘蛛巣城」を観ました。
というわけで、感想を書きたいと思います。


「蜘蛛巣城」は1957年(昭和32年)公開の映画で、16本目の黒澤監督作品です。

物語のはシェイクスピアの戯曲『マクベス』を、そっくり戦国時代に置き換えて脚本を作ったのだとか。
そこに、「能」の要素も取り入れて、黒澤監督ならではの世界観を作り出していました。

物語は「蜘蛛巣城」という架空のお城の跡地からスタート。
その跡地を覆う霧が晴れると、そこに「蜘蛛巣城」が現れるんですが、そのセットが実に見事で、思わず声を上げてしまいました。

で、その城の城主、都築国春(佐々木孝丸)は、部下で北の館(きたのたち)の主・藤巻に謀反を起こされて戦(いくさ)中。しかもかなり形勢は悪いんですが、鷲津武時(三船敏郎)と三木義明(千秋実)の活躍で、これを鎮圧。

喜ぶ国春に召し呼ばれ、二人が蜘蛛巣城へ馬を走らせていたところ、その手前にある通い慣れたハズの「蜘蛛手の森」で道に迷い、奇妙な老婆(物の怪)と出会います。
その物の怪は、鷲津には「今夜、北の館の大将になり、やがて蜘蛛巣城の城主なる」といい、三木には「今夜一の砦の大将になり、やがて息子が蜘蛛巣城の城主になる」と予言します。
最初は物の怪の予言を信じない二人でしたが、蜘蛛巣城につくと、二人には褒美としてそれぞれ「北の館」と「一の砦」が与えられるのです。

それからしばらくの間、鷲津と部下は北の館に大満足。
戦も終わって楽しく暮らしてるんですが、鷲津の奥さん浅茅(山田五十鈴)は、物の怪の話を鷲巣から聞いていて、予言を三木が国春にチクったら、こちらが危ないと謀反を唆します。(この時の山田五十鈴さんの顔がまるで能面で超怖い)
そんな話をしていると、蜘蛛巣城から国春の手勢が進行してきたという知らせが。国春は藤巻の謀反の黒幕、隣国の乾を討つために敵に気づかれないようにお忍びでやってきて、三木に蜘蛛巣城を任せ、鷲津に戦の先鋒を任せると言います。
それを聞いた鷲津は、「ほら見ろ、殿は俺のこと超信用してるから」と喜びますが、浅茅は国春が後ろから鷲津を騙し討ちする気に違いない。今夜のうちに鷲津を殺ってしまえと唆し、とうとう鷲津は本当に自分の主君を殺してしまい……。

ここで、主君殺しを決意した鷲津が浅茅に見せる表情は、能面の「平太(へいだ)」の顔なんだそうで、凄く印象的でした。
そこから鷲津の運命はどんどん狂っていくわけですが、なんつーかこれ、ほぼ嫁さんの所為なんですよねw
もちろん、鷲津自身にも一国の主になりたいっていう欲望はあるんでしょうけど、基本気のいい男で、謀反や暗殺を唆すのは浅茅なんですね。とんだ鬼嫁ですよ。

あと、「能」の要素を~って上記した通り、例えば城の渡り廊下とか座敷の作りなんかはまんま能の舞台と同じ作りです。
役者さんの動きも、能を意識した動きや実際家来が能楽を踊ったりします。

ただ、恥ずかしながら能に馴染みがない僕にはイマイチ分からないところが多々あったり。
最初と最後のシーンに地歌?が流れたり、物の怪が歌うシーンがあったりするんですが、言葉が上手く聞き取れないんですよ。
あと、凄く早口だったり、三船敏郎さんの声が割れてて聞き取りにくかったり、言葉使いが今と違ったりして、セリフやその意味が分からなかったりするので、日本語字幕をONにして観たほうが、内容が分かりますいかも

あと、これも能を意識しているのかもですが、ワンカットが異様に長かったりするので、そこは好き嫌いが分かれるかもなーと思いながら観てました。

ただ、映像はとにかく凄いですよ。
エキストラ人員とオープンセットは、数ある黒澤作品でも1,2を争うの規模だそうで、今ならCGで近いことは出来るんでしょうけど、この時代の作品なので、実際に人を集めてセットもしっかり作ってるんですよね。
それだけに、画面の迫力はハンパないです。

そして最後の方のシーン。
お城にいる鷲津が弓で射られるシーンがあるんですね。
三船敏郎の行く手を阻むように何本もの矢が壁に突き刺さる本作のクライマックスです。
これ、逆回しにしてるのかな? それにしては違和感がないなー? って思ったんですけど、なんと実際に何人もの学生弓道部の部員が三船敏郎目掛けて弓を射ってるんだそうです。

といっても、ワイヤーに弓矢を通して、カメラのすぐ近くで射ってるらしいんですけど、それでも相当怖かったらしく、三船さんはこの後夢にうなされたそうですよ。(そりゃそうだ)
で、怒った三船さんは酔っ払うと刀を持って黒澤が泊まる旅館の周りを
「黒澤さんのバカ」と怒鳴りながら回ったという伝説が残ってるんだとか。
まぁ、実際に弓で狙われたらそうなるのも無理ないですよねw

そんな苦労が生んだ屈指の名シーンは必見。
すごい迫力ですよ。

本作のストーリーが面白いかと聞かれると、正直「う、うーん……」ってなります。古典ベースなんで物語自体は分かるんですが、鷲津の嫁、浅茅の行動がちょっと引っかかるんですよね。
「あれ? お前そうなの!?」っていう。(ネタバレ防止のためボヤかしています)

まぁ、ストーリーはともかくとして、上記の通り、映像の凄さだけでも見応えは十分ですけどね。
興味のある方は是非!

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北海道在住のオタクです。映画の感想をメインに色々やってます。 ★映画感想ブログ http://aozprapurasu.hatenablog.com/ ★カクヨム https://kakuyomu.jp/users/aozorapurasu/works
コメント (2)
最後のシーンですね、多分ワイヤー通してないwww それと黒澤は望遠で遠くから撮ってるんであんまり近くから射ると射手が写っちゃうんで、以外と距離あったらしいです。だから三船の表情はマジだと思われます(笑) ワイヤー撮影がよくわかるのは七人の侍で与平(左卜全)の背中に矢が刺さるとこですね。
窪田さん>マジっすか!! それじゃぁ、三船さんが怒るのも仕方ないですねwww
じゃぁ、鎧とかに刺さるとこだけワイヤーだったのかな((((;゚;Д;゚;))))カタカタカタカタカタカタカタ
じゃぁ、あの三船さんの鬼気迫る表情や叫び声は、演技じゃなくて素だったんですねww(笑い事じゃないけどw)
七人の侍ももう一度見てみなきゃですねー。
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