気管切開について

目的:気道を確保するため


適応

・気道がむくみ、狭くなってしまった場合(アレルギー反応)
・気道が狭くなったり、塞がってしまっている場合(腫瘍など)
・自力で痰を出すことが難しい場合(喉の反射機能の低下)
・長期にわたり、人工呼吸器による呼吸管理が必要な場合
・鼻や口からの挿管が難しい場合

メリット

・確実な気道確保ができ、安定した呼吸環境が確保される
・呼吸を楽に行うことができる。呼吸に必要な消費エネルギーが少なくなるので、体力がつきやすくなる
・痰をしっかりと喀出できるため、呼吸トラブルが減少する
・痰の吸引が容易になるため、家族の介護負担が減少する
・挿管チューブが必要なくなるため、顔周りがスッキリする。運動しやすくなる
・口や喉にチューブがないため、状況によって食事や会話が行える可能性もある
・人工呼吸器の装着が可能

デメリット

・気管孔からほこりや菌が体内に入り込む危険がある
・呼吸で吸い込む空気の湿度や温度を維持できない
・人工物が気管に入ることによる、感染や気道閉塞などのリスク
・医療的ケアは継続的に必要で、本人や家族に負担がかかる
・就労、就学に制限がある場合も。
・見た目が気になる

トラブル

・カニューレから直接気道に空気が入ってくるため、肺炎を起こしやすい
・カニューレが抜けたり痰によって閉塞してしまうと、緊急対応が必要
・気管カニューレや固定バンドの刺激による皮膚トラブルや潰瘍の形成

毎日の気管カニューレ管理やケア、観察が大切

・口腔ケア
口の中が汚れていると細菌が増殖し、肺炎を引き起こすきっかけとなるため、口腔ケアは非常に重要です。口から食事を取っていない方でも、1日に1回は歯磨きや濡らしたガーゼやスポンジで口の中を拭って清潔を保つようにしましょう。
・加湿管理
気管カニューレを挿入している方は、空気が鼻腔や口腔で加湿されずにそのまま気道から肺に入ります。そのため気道は乾燥しやすく、感染症の危険を高めてしまいますので、気管カニューレに人工鼻という加湿フィルターを装着します。
人工鼻での加湿が行えない方は、ネブライザーという機械を使用し、蒸気による加湿を行うこともあります。
・ガーゼ交換、バンドの調整、皮膚のケア
気管カニューレを固定するためのバンドは、カニューレが抜けることを予防するために必要なものです。しかし、バンドの締め付けが強すぎると皮膚トラブルの原因となります。
バンドや気切のまわりを保護するガーゼは一見汚れていないように見えても、痰や汗、浸出液などで汚染されていることが多いです。
1日に1回は必ずバンドとガーゼを外して皮膚が荒れていないかを確認し、患部をきれいにしたあと交換するようにしましょう。
気管カニューレは、2~3週前後に1回の頻度での交換も必要


死腔

・鼻腔から肺胞までの呼吸器系のうち、酸素の取り込みと二酸化炭素の排出(ガス交換)が行われない領域。
・肺胞が存在せずガス交換が行われない領域(解剖学的死腔)と肺胞のうち、血流が途絶えてガス交換が行われていない部位(肺胞死腔)に分類され、これらを合わせて生理学的死腔という。
https://kotobank.jp/word/%E6%AD%BB%E8%85%94-1329806#:~:text=%E3%81%97%E2%80%90%E3%81%8F%E3%81%86%E3%80%90%E6%AD%BB%C3%97%E8%85%94,%E3%83%87%E3%83%83%E3%83%89%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%80%82


参考

【医師監修】気管切開(気切)とは?カニューレの扱い方から介護負担の軽減方法まで解説
https://www.cocofump.co.jp/articles/byoki/188/#11
気管切開はなぜ必要?施術のメリット・デメリットやケアについて解説
https://www.mcsg.co.jp/kentatsu/health-care/22950
子どもの気管切開なび
https://www.ncchd.go.jp/hospital/about/section/geka/navi/cat1a.html

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