どこでもおいしい
「このへんでどこか美味しい店ある?」と問われると、どうにも即答できずに困ってしまいます。
というのも自分は、大抵どこに行っても「ふつうに美味しい」と思ってしまうのです。
舌が未熟なのかもしれません。山岡士郎氏にボロクソに貶されそうです。別に美食家になるつもりはないので、まあいいんですが。
だから、そこらへんのテキトーな店に入ればたぶんテキトーに美味しいんじゃない?という答えになってしまい、近くて無難そうなところに行こう、ということになります。別にチェーン店でも良くて、なか卯やモスバーガーとかでもいい。
ただ、これが近所の友達なら構わないのですが、あんまり普段は会わない関東から来た友達とか、そう遠くないけど近くはないくらいの距離の京都の友達とかだと、せっかく大阪に来たんだから……となるので、たこ焼きやお好み焼きの店になるのですが、じゃあどこがおすすめなのかと問われれば、……どこでもおすすめなのです。
特にたこ焼き屋は、こちらではコンビニみたいに当たり前にそのへんに点在しているものなので、この店の味が感動的だった、などということをあんまり覚えていないという。
ツェペリ様がディオ様に放った「お前は今までに食ったパンの枚数を覚えているのか?」は名言ですが、「お前は今までに食ったたこ焼きの本数を覚えているのか?」と問われたらうんともすんとも言えない。我が半生は多くのたこ焼きの犠牲の上に成り立っているのです。
それに、そこまで料理が不味い店って、今までに特に当たった覚えがないんですよね。単純に運が良いのか、それともやっぱり舌が鈍感すぎるのか。
名古屋に「喫茶マウンテン」という、ある意味とても有名な店があるそうです。なんでも、抹茶しるこスパゲッティだのツナクリームピラフだの、ふざけて作ったのかと疑いたくなるトンデモメニューだらけのところだそうな。
ここならもしかしたら真の不味さに出会えるかも(出会わんでも良いが)。ただ、量がとてつもなく多く、完食できない客が多いことでも有名らしいんですよね……。自分は飲食店でお残しをしたくないんですよ。試される……。
有志による攻略サイトまで存在します。ある意味めちゃくちゃ愛されている店だなあ……。
そんな遠い名古屋の地のトンデモ店の情報をスマホで調べているうちに駅に着き、今日もテキトーなラーメン屋に入ってテキトーに醤油ラーメンを注文しました。美味しかったです。