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爆音クラシック

このご時世なので、ライブコンサートなども多くが延期や中止を余儀なくされていますね。関西でもとうとう緊急事態宣言が発令されたので、おとなしく家に引きこもってうすらぼんやりと部屋で無為な時間を過ごしております。

自分の部屋には銀テープが飾られて……というか、無造作に置かれているのですが、この銀テープは、2011年の大阪のサマーソニックでX JAPANのYOSHIKIさんが投げたのをゲットしたものです。野外だったので拾った当初は砂だらけでした(ちゃんとトイレで洗ってから持って帰りました)。

自分が小学生の頃に解散し、もう二度と再結成されることはないと思われたX JAPANが実際に観られるというのは非常に感慨深いものでした。

当時たくさんのバンドやグループが再結成して「集金活動」などと揶揄されたりもしましたが、そのおかげで自分はLUNA SEAも黒夢も筋肉少女帯も20代のうちに観られたので、感謝しかありません。


そんな自分が初めて体験したコンサートは、なんとまあ、クラシックでした。高校1年生。

前の席のFくんから「コンサートのチケットが余ってるんだけどいかない?」と、ご都合主義のラブコメ漫画みたいな展開で誘われたのです。

クラシックとはいえカジュアルなコンサートなので別に普段着で良いとのことで、イズミヤの2階(近畿圏の中流家庭の息子の服の79.6%はここでまかなわれると云われている)テイスト満載の地味ポロシャツ&ジーパンで訪れました。

結論からいえばこれに関しては少し後悔しました。制服で行くべきだったかもしれん。Fくんはカッターシャツに黒ズボンのクールビズスタイルでした。

いやいやちょっと待て。普段着って言ったよなキミは?普段着とは?いやもしかするとクールビズスタイルが彼の普段着だったのかもしれんが。学校外で彼と会ったのはその時だけなので確認はとれていません。

肝心のコンサートの内容については、「クラシックって静かな曲ばかりかと思いきや、意外とけっこうラウドなもんなんだなあ」という感想でした。楽器の数が半端なく多いからか、音の響きがとてつもなかったのです。


で、それから数年後、同じ市の楽団の演奏をたまたま聴くことになります。運転免許試験場で。免許証所得への最終段階である学科試験を受けるために行ったのです。確か午前と午後にわたって試験があったはずです。

免許を取ったことのある方ならご存知でしょうが、この学科試験というのが実はけっこう難儀でして、基本的な交通ルールに関する問題ばかりではあるのですが、文章の引っ掛けがやたらと多いのです。

免許の学科試験対策のための学校が経営されているくらいなので、なかなか合格できないという人もいるのでしょう。

実は自分も一発合格はできませんでした。勉強不足もありますが、午前と午後の合間の時間、なぜか試験場のフロアで楽団が爆音で演奏をしはじめたのです。

軽いごはんを買うために入った向かいのコンビニの店内のまで聞こえる爆音。食事をしながら勉強をしようとイートインの机に向かうも、爆音がうるさすぎて教科書のややこしい文章の内容がぜんっぜん入ってこねえ。なぜここでこんな時間にやるのか。市民会館で夕方にやれ。

このときの演奏の内容ももちろん覚えていません。

とりあえずこのときの学科試験料を返してくれ……。手信号は一度だけ滋賀県で見たけど、「路側帯」って単語を実際に使う人には未だ出会ったことがない。

サウナはたのしい。