見出し画像

コロナ渦で宿業、過去最高売上達成!秘訣とは!?

私は埼玉の奥地で民泊を運営している。古民家と日本ならではの森・川の自然を特徴として、外国人向けに運営している。というか、コロナの前まで外国人向けに運営していた。ちなみに、本記事は私のこれまでのnoteの中でも1・2を争う全力記事となる。初めての有料記事にするのだが、無料での公開範囲広めにしたいと思う。少しでも心動くことがあったら、投げ銭に協力いただけると幸いです。

0:古民家を買った経緯は、偶然

民泊は2年前から始めて3年目。移住のために家を買ったのだが、全てが結果オーライな話。本当は家を買うというリスクを取らず、金を出して家に住む権利を買い続ける賃貸の方に魅力を感じていた。埼玉の地元の空き家マッチングボランティアさんに紹介してもらったのだが、紹介後は全て自分でなんとかしないといけなく、大家さんとの話も自分で進めた。家を改修するにあたって地元の木材を使えば補助金がもらえるので、その要件のために空き家バンクの仕組みをかまして進めた。空き家バンクを使う場合、不動産屋さんに仲介してもらう必要があったので、紹介してもらった地元の不動産屋さんに入ってもらうことにした。しかし、不動産屋さんいわく

「賃貸で間に入るにしては、家が痛みすぎているので責任が持てない。売買なら間に入れる。この家ならXXX万円くらいで提示すれば恐らく大家さんも喜ぶでしょう」

とアドバイスもらった。「不動産屋さんに言われた」ことを口実に使わせてもらい、大家さんと価格交渉。貯金でここまでなら払えるという金額を提示し、大家さんからは、

「わかった、あなたの移住を応援するよ」

と言っていただけて購入することになった。おかげで家を活用しての商売が自由にしやすくなったし、近隣の方にも「どうせ何かあったら出て行くんでしょ」と思われずに覚悟が伝わったのでそれも良かった。田舎だとそこらへんは死活問題なので。

1:宿業を開始する転期到来

もともと宿業をやることは考えていなかった。ただ、以前有機農業の研修を半年間して農業は自給的に行うことを決めており、地元での生業を何かしたいとも思っていた。最初の頃は、都内の上場企業から受注した医療系のライティング業務が主な食い扶持だった。ひょんなきっかけで、WWOOF(ウーフー)と言われるイギリス発祥の仕組みを活用しながら、自給的に暮らしている沖縄の一家へファームステイした。ウーフーとは、「労働力が無料で欲しい農家」と、「農業学びたくて宿代と飯代を浮かせたい旅行者」が金銭のやりとりなくバーターで交換するシステムである。その家庭では、世界各国の旅行者が数週間滞在し、価値観や文化交流が日常的にしていることを目の当たりにして興奮した。いつか、自分もウーフーホストになるという夢を持った。日本にいながら海外旅行ができるような贅沢な日常を求めて。

ウーフーホストになることを、「だいぶ先の夢・目標」としてで過ごしていた。そんな中、2018年6月に民泊新法が制定・施行される。ウーフーホスト的なことをしながら、お金も稼げて生業にもできると思い、最速のタイミングで申請し県より許諾を得た。最初だったので、県のスタッフも要領がわからず、申請にはだいぶ手間がかかったが、なんとか進めることができた。

2:宿業のトライアンドエラー

最初の方は、友人にテスト的に泊まってもらったりしながら、airbnbで集客して軌道に乗ってきた。価格は、近隣の宿やゲストハウスの平均的な価格と同程度にし、客間は2つあったので、2組ゲストを取るようにした。そして、自分が旅行者として1人で民泊に泊まることが多く、それがありがたかったので、自分も1人宿泊のゲストでも受け付けることにした。

「お客様目線での安めの価格設定」「早めのチェックイン時間・遅めのチェックアウト時間」「行楽地から来るお客さんのために山を越えての無料送迎」などもしていた。

しかし、チェックイン・チェックアウトの時間は、宿都合で調整しないと部屋の清掃と準備が追いつかないことがすぐにわかった。そして、11時チェックアウトを10時に、15時チェックインを16時にした、ワンオペなので当然そうしないと破綻するのである。そして送迎も山越えてまですると負荷が大きなすぎたので、1番の最寄り駅のみに縮小。価格も、当初はコミコミで1人5000円/泊くらいにしていたが、それもキツイので、清掃費の値上げして、多人数であるほどお得になる価格設定にした。

しかし、「安宿目当てで田舎でハメを外したい」という日本人の大学生や20代の団体が良く来てしまった。夜中まで騒ぐし、部屋の使い方も汚かったり。自分が来て欲しい客層とかけ離れていた。そんな中でも、ドイツ・フランス・イギリスから来る古民家や自然を求めて来たゲストとの交流で癒されて、なんとか気持ちを保てていた。

そんな中だが、やはり対峙したくないゲストに出くわすことがチョコチョコあった。最初から値引き交渉して来て、こちらは応えて散々尽くしたのに、低評価のレビューで帰った人。雨で自己都合で当日キャンセルしたのに、キャンセル料は払わないとゴネる人。自転車旅で自転車で足を痛めたとのことで、峠を越えてのピックアップを希望して来たゲストなどもいた。値引き交渉や峠超えなど、手間が売上に見合わず、負担になり過ぎてどんどん辛くなって来ていた。

なので、「今後は完全に外国人オンリーの宿」に転換し、食材や手厚い送迎・観光案内などをして単価もあげる形に変えようと2020年秋頃から準備をしていた。

3:災難キタ━━(゚∀゚)━━!!

そんな中、まずは2019年秋に超大型台風が来て、宿泊キャンセルの嵐に出くわし大打撃を食らった。道路の通行止めもあったりで、稼ぎ時の年末年始まで影響が残ってしまったのである。

さらには、台風の影響が落ち着いて、そろそろ外国人向けに寄せた新形態へ転換しようと動いていた2月過ぎから、

コロナの猛威

が来た。外国人の入国は禁止され、日本在住の欧米人も慎重になって予約キャンセルが相次いだ。2020年3・4・5月は完全に宿業は休業。再開の目処は一切なくてお先真っ暗だった。

4:再転期へ、Go!

そんな中だが、6月頃から宿業もできそうな兆しが少しづつ見えて来た。宿業にとって夏休みシーズンは、GW・年末年始と合わせて3大かき入れ時である。7月より粛々と再転換の準備を始めた。1年半ほど宿業をやって、

・自分が本当はいくら宿泊料をいただきたいか
・対価としてどんな価値を提供できるか

この2つがわかって来た。

自分の手間を減らし、少人数のお客さんに手厚くサービスする。それに、満足してリピートしていただく、という「高単価モデル」へ転換した。

2間で2組取っていたゲストを、1組で2間使える貸切状態にした。予約時から貸切状態をコミットすることはゲストさんにとって魅力になると考えていたが、見事にこれは当たった。貸切にすることで、1泊料金は約1.5倍にしたが、それによって安宿目当てのお客さんを寄せ付けないフィルタリングもできた。

ここから先は

1,399字

¥ 100

サポートありがとうございます!感謝感激です、励みになります。