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スリランカ5日目 ドキドキの電車移動チャレンジ

スリランカも5日目。今日は、ベントータを離れゴールに向かう。ゴールはスリランカ最南端の世界遺産の港町。ここから更に海沿いを南下する。今日は初めての電車移動なので、旅のハードルが1オクターブ上がる。

朝食はまたしてもカレーをチョイスしてしまう。すっかりカレー中毒になった私。今日はシーフードカレーと豆カレー。カレーに添えられているのは、米粉で作られた麺(ストリングホッパー)で、スープとよく絡んで美味しい。

素敵なホテルからチェックアウトをし、今回初めてPick meを使ってみる。スリランカ版Uber。スリランカ板はトゥクトゥクと車を選べるので、トゥクトゥクを選択。10分の道のりですぐにベントータ駅へ。100円もしない料金なので、手軽に乗れる。暑い街には、必需品なのだろう。

切符を買うには階段を登り降りして、売り場まで行かなければならない。スーツケース片手に階段を見上げて、うんざりしていると、「持ってあげるよ」と男性が近づいてくる。

一気に私の警戒心が上がる。これは、善か悪か。「お金をせがまれるか、でも身なりは綺麗、笑顔も良い、駅なのでトラブルになっても人がいるし、最悪請求されるとしても数百円程度」という考えが3秒間、頭の中を駆け巡る。直感的に「持ってもらう」のアンサーを選択。一緒にスーツケースを持ちながら、階段を登る。

どこから来たの?日本だよ、と軽く話しながら、私はギャンブルの結果待ちのような緊張感に包まれていた。さて、結果は。

切符売り場に着くと、「じゃあね」と言って切符を買い、ホームの人混みの中に消えていった。善のほうだった。安心したと同時に、疑ってしまった自分への罪悪感が押し寄せる。

警戒心を持つことは、海外で、しかも女性一人旅でもちろん大切なことだと思う。でも、全てを疑いの目で見てしまうと、人の善意や思いやりを断ち切ってしまう。自分の心も干からびてしまうし悲しい。

1日目の寺院でドライバーのPiumalが、仏教の話をしてくれたときに、自分の行いは自分に返ってくるという、言葉を思い出した。答えのないことだし、善悪判断のバランスは難しいけれど、私はまず人に親切しようと、ぼんやり感じる。

売り場で2等席の切符を購入。80円程度と相変わらず安い。スリランカの時刻表は、時計の針を駅員が手動で動かすスタイル。私の乗る電車はおそらくこれなのだろう、という表記があるものの、予定していた発車時刻と、時計の針が示す時刻が異なる。

おろおろしていると、駅員が時計の針を変更。予定時刻と一致して一安心。まだ20分ほどあるので、ホームで待っていると、今度は、おじいさんが近づいてくる。

かなりの至近距離で、「何等車の席だ?」と聞かれてびびる。切符を見せると、こっちだと案内され、ホームの先端まで行き、「ここで待ちなさい」と言われる。どうやら、駅員さんだったようで、スーツケースを持つ私が乗り遅れないように、配慮してくれたみたい。ここでもまた、スリランカ人の温かさに触れる。

案の定、スリランカの電車は時間通りに来ない。これは想定の範囲なので、のんびり待つことに。結局20分遅れで到着。乗り込むとムワッとした暑い空気を感じる。クーラーはなく、扇風機が回るのみで、車内はかなり蒸し暑い。ベントータからゴールまでは、電車で1時間ほど。風が幾分か入ってくるので、何とか耐えられそうだ。海沿いの街を走るので、景色が素晴らしいと聞いてたけど、スーツケースがあるので窓際に行けず、人の隙間から景色を眺める。たしかにちらちらと海が見えるけど、絶景と言うほどではないかな。

あっという間にゴールに到着。ゴールは、ヨーロッパ植民地時代の名残があるコロニアルな建築と、インド洋に突き出す要塞が特徴的な港町。今までのスリランカの街並みとは異なり、ヨーロッパの雰囲気がある。

この日は、ル グラン ガル バイ アジア レジャーに宿泊。こちらはバワ建築ではなく、日系企業が建てた新しいリゾートホテル。ゴールにも、バワが建築したジェットウイング・ライトハウスがあるのだけど、リゾートホテル感を味わいたかったので、こちらに。

目の間に要塞とインド洋が広がり、こちらも素晴らしいホテル。サービスで部屋をアップグレードしてくれた。しばらくプールサイドで過ごし、夕陽を見に要塞へ登る。

私は今、日本から遥か南、スリランカの最南端にいる!と思うと、何だか胸が熱くなる。Googleマップで何度も自分の居場所を確認してしまう。スリランカのウェディング衣装を纏って写真を撮るカップルや、観光客に囲まれて夕陽を眺める時間は、何ものにも代え難い。


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