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ShareとStockの違い

こんにちは。パグ蔵です。

前回は法律翻訳について少しご紹介させていただきましたが、今回は、翻訳の仕事をするなかで、改めて気づいたことについて書きたいと思います。

本記事ではsharestockを取り上げます。

中学あるいは高校では、これらの単語は両方とも「株式」を意味し、どちらを使ってもOKなどと習うと思います(少なくとも私はそう習いました。)。さらにいえば、どちらを使っても通じます。


しかしながら、これらには若干の違いがあります。


往々にして、stockは、ある会社の株式全体を指しており、shareは、投資家等が取引する個々の株式を表しています。
market shareなどをイメージしていただくと、shareが全体を細分化したものを指すことがお分かりいただけるかなと思います。

株式の数量が意識されている場合はshare、数量を意識せず株式のまとまりを指す場合はstockを使うことが多いようです。

外国会社の貸借対照表(balance sheet)では、使い分けられていることが多いです。

ある会社のbalance sheetでは、普通株式全体はcommon stock、普通株式○○株は○○ common sharesとされていました。また、その会社の発行可能株式総数は、total number of authorized sharesとされていました。


ずいぶん前の記事ですが、CNNの記事でイーロン・マスク氏の税金に関する記事の中に、以下のような記載がありました。

“In Musk’s case, he receives no salary from Tesla, only very valuable stock options, as a form of compensation. And under US tax code he doesn’t have to pay taxes on those options until he exercised them to buy shares of stock at a fraction of their current value.”

ボールドにしましたが、shares of stockという使い方もされます。もし、shareとstockをともに「株式」を指すと”あいまい”に覚えていると、”??”となりかねない表現ですね。

もちろん、このstockは、テスラの株式全体を表し、shareは、個々の株式あるいは持分を指しますので、「オプションを行使してテスラ株式(の一部)を取得する」ということです。

ちなみに、equityも「株式」を指す場合があり、株主資本や持分という意味合いが強いと思います。株式市場をequity marketということもありますね。

今回は以上です。お読みいただきありがとうございました。

これからも、普段の仕事やニュースなどで気づいたことを、私自身の備忘の目的も含めて、取り上げていければと思います。

それではまた。

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