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『 聖なる鹿殺し』とタロットカード

うさちゃんと解説を!』とは、映画のレビューをタロットでするというコーナーです🤗

詳しくは、一回目のnote前半に記載しています🙃

『シークレット・ヴォイス』とタロットカード|プエラ・エテルヌス @puella_aeternus|note(ノート)

今回は、何の前情報もなく「タイトルかっこええ!😙」という感情だけで観た映画。
はっきり言って、全くオススメ出来ない後味の悪さ!
でも私、この世界観むっちゃ好き!!😚😚

2017年のイギリス・アイルランドのサイコホラー映画。
カンヌ国際映画祭で上映され、パルム・ドールを争った作品。


何の説明もなく進む物語は、いきなり剥き出しの心臓から始まる。
主人公は外科医のスティーブン(コリン・ファース)。
ソード8」、ソードが外科医のメスのように見えた。
スティーブンはマーティンという16歳の男の子と会っており、高い時計を与えたり、学校生活の話を聞いたりしていて、さらにそれはスティーブンの家族には内緒とくると、
隠し子かな?
と言う印象をまずは持ってしまう。

マーティンはどんどんスティーブンの生活に密着してくるようになり、家族に会わせる事になったり、急に職場に来たりと、スティーブンが混乱している様、生活が制限される様を表すカードそのもの。


そしてこのタイミングで、この映画の全体像が見える。
スティーブンは酒を飲み手術をしたせいで、マーティンの父の手術に失敗したのだ。その罪悪感から、マーティンと会い、マーティンの話や希望を聞いていたのだが、ある日、マーティンに急に告げられる。

最初に歩けなくなり、次に食べられなくなり、目から血を流したら、その流れはもう止められない。そして最後に死ぬ。
先生が家族の誰か一人を決めないと、家族の全員が死ぬ。
先生は死なない。

唐突に見えた「世界」。
それが何故なのかは語られないし、何の説明もなく、ただそういう映画なんだと受け入れて、この先を見るしかない。

先生は僕の父を殺したから、先生の家族も一人死ななければならない

そういうルール。


スティーブンには美しい眼科医の妻アナ(ニコール・キッドマン)と、14歳の多感な娘キムと幼い息子ボブがいる。

まずはボブが急に歩けなくなる。
病院で色んな検査をするも何の異常もない。
次第に食欲もなくなり物を食べなくなった。
そしてキムも歩けなくなる。

夫婦ふたりで一生懸命世話をするような「」のカード。
うさちゃんの顔がにっこりしているのが印象的なのだが、今起きている状況を知ったアナの言い放った言葉をなぞるような笑顔。

最悪子供を失っても、ふたりがいるならまた子供を作れるわ


ぐるりと張り巡らせた棒で自分を守る「ワンド9

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ついにボブの目から血が流れた時に、スティーブンがとった行動。

リビングのソファに、1人ずつ円を描くように座らせ、拘束し布を被せる。
真ん中に自分が立ち帽子で顔を覆い、グルグルと回りライフルをぶっぱなす!!

1人を選べなかったスティーブンは途中で学校に赴き、どちらの子供が優秀かを校長に決めさそうとしたが、どちらも同じくらい優秀だと言われ、結局運任せを選んだ。

バックカードには「節制」が出ていたが、バランスと読み解く。

マーティンはやたらと、バランスを重視していた。
物を貰ったら返す。家に招かれたら、自分も招く。
そして、
家族を奪われたから、家族を奪う。

節制のカードは水を扱う割に、音がしないカードだと思っている。
これは、映画全体のシンプルさにも通ずる。
何の説明もなく、ただそういうルールが課せられた映画。

そして、神の目のようなアングルや不協和音の音楽

その中で聖なる鹿が誰なのか。

ここには書かないが、そういう余韻を残す映画だった。
決してオススメは出来ないけど、とても好きな世界観。
ヨルゴス・ランティモス監督作。
大作とは言えない映画に、ハリウッド俳優が出ている意味が何となく分かる。
そんな映画監督。

他も観てみようと思う。

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