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【のんびりシネマ】キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン

世界を騙した天才詐欺師が、唯一騙せなかったのは、自分の心だった。

概要

パイロットや医師、弁護士などに変装し、世界各地で小切手偽装事件を起こした、「天才詐欺師」。ルパン三世や怪盗キッドの話かと思いきや、これは実在する人物のエピソードだ。フランク・W・アバグネイル・Jr著の自伝小説『世界をだました男』がこの映画の元。

タイトルの和訳は「できるもんなら捕まえてみろ」。挑発的な、鬼ごっこの掛け声の「鬼さんこちら」にあたる言葉である。

そんな人物が実在するなんて!と興味を持ち、アマゾンプライムで視聴した。

超豪華な俳優陣・制作陣

主人公の天才詐欺師を演じるのは、レオナルド・ディカプリオ。

その詐欺師を追う担当刑事はトム・ハンクス。

どうしても手に入らない普通の幸せを焦がれる切ない人生を歩む主人公。これだけですでに見る価値があるが、監督はなんとあのスピルバーグ。

これだけ俳優陣と制作陣が豪華だと、「なんでむしろ聞いたことがなかったんだろう・・・」と自分の情報に不安になる。

嘘を重ねても手に入らないもの

物語の大筋は、この二人の追いかけっこ。まさに、ルパン三世と銭形警部の構図である。主人公フランクは、何度となく掴まりそうになってもスルリと逃げて見せる狡猾さと天才的な頭脳を持つ。

天才詐欺師であるがゆえに、誰だって彼を信じてしまった。パイロットだとうそぶけば何だって手に入った。

しかし、当たり前の日常、幸せな家族、他人からの愛情・・・彼がいくつもの嘘を重ねてまで手に入れようとした、本当に欲しいもの。それは、名声が高まるほどにどんどんと遠ざかっていく。たくさんの人々に称賛されるほど、フランクは孤独を感じていくのだ。

敵対関係にありながら唯一フランクを理解する担当刑事。ふたりの奇妙な友情に心を揺さぶられる思いがした。

世界を騙した天才詐欺師が、唯一騙せなかったのは、自分の心だった。

自分を偽るほどに、自分を見失っていく少年。若干17歳で詐欺に手を染めた天才少年の半生は、きらびやかで、どこか切なく、けれど懸命な生き様だった。

嘘は便利だ。物事を前向きに進める力を持つことがある。けれど、若き天才詐欺師をもってして、自分自身を騙すことはできなかった。

どんなに嘘の世界が魅力的でも、真実の引力にはかなわないのだろう。

エンタメ映画としてもおすすめ!

レオナルド・ディカプリオが、パイロット、医者、ホテルマンなど、様々な職業に扮していく変装シーンも、目でみても楽しく、

脱出劇や警察との騙しあいなどもエンタメ的でおもしろい。

アマゾンプライム会員の方にはぜひ見ていただきたい、おすすめの映画です。

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