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最高の響きを求めて

こんにちは。Moonです。10月に入りだんだん涼しくなって、ずいぶんと秋らしくなってきましたね。

先日、成人式以来連絡を取っていなかった中学の同期から連絡がありました。そこには部活の顧問の先生が亡くなったとありました。はじめ私はそれを信じることができなかったのですが、通夜や告別式の詳細を見た時に本当なんだ、と呆然としてしまいました。

そして私は中学の部活はどうだったか振り返り始めました。私は中学時代、吹奏楽部に所属していました。毎日朝練があって誰よりも早く音楽室に行って練習していたなとか、同じパート内でお互いにあだ名をつけて呼び合っていたなとか。

もちろん辛いこともありました。学校の授業がある日は朝と放課後、休日は朝から晩まで練習があったため休みはほとんどなかったし、合奏に集中しすぎて下校時間を過ぎてしまうこともしばしば。その度に学校の先生に怒られていたなとか。

顧問の先生は私が吹いているクラリネット経験者で、とにかく厳しかったです。合奏の時に上手く吹けないと「ここは吹かないで」とカットされたり、私以外そのパートを吹いている人がいないのにも関わらず「あなたがいなくても音楽は成り立つから、吹けるようにならなかったらコンクールに出さないよ」と戦力外通告されたこともありました。

とにかく苦い思い出ばかりで、何度も部活を辞めたいと思いました。それでも3年間やりきって、今でも音楽を続けているのはなぜだろうと考えました。

それは、楽譜をもらってすぐは同じ場所・同じ時間に人が集まって音を出している状態だったのが、練習を重ねていくにつれて少しずつ形になっていく喜びを知っているからだと思います。1つの音楽が形になっていくには時間がかかります。音楽が完成し多くの人に聴いてもらって「いい演奏だったよ」と言ってもらえた時に、「これまで頑張ってよかった」と達成感を得ることができます。

あの頃は授業の時間以外ずっと音楽のことで頭がいっぱいでした。部活が終わって家に帰る時に同期と演奏する曲を歌いながら帰った時もあったし、家に帰ってからやテスト期間で部活がない時は音源を聴いていました。さらに昼休みには顧問の先生がいる部屋に行って、音源を聴きながら、ここのフレーズはこういうイメージで吹いたほうがいいなどと話したこともありました。
今回のタイトルである「最高の響きを求めて」は、顧問の先生がコンクールや演奏会の時に言っていた言葉です。その言葉を実現するため一生懸命取り組んでいたと思います。

今、中学のコンクールのCDや部活でやった曲をYouTubeで聴きながらnoteを書いています。ここはメトロノームにはめることができなくて、楽譜のリズムを学校の先生の名前に当てはめて歌いながら練習していたなとか、ここは何回練習してもできるようにならなくて毎日練習していたな、などいろいろな記憶がよみがえります。懐かしいです。

私は今、地元から離れているため、通夜や告別式に出ることができませんでした。そんな私が今できることは、音楽で多くの人を元気にするだと思います。気分が沈んだ時に音楽を聴くと、気分が軽くなるという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。私はそれを与えられるようになりたいし、それをきっかけに音楽を始める人がいたら素敵ではないですか。そのためには練習を頑張ること、音楽にしっかり向き合うことが大切だと思います。

当時はただただ辛くて厳しいと思っていたけれど、今思えば顧問の先生には音楽の楽しさを教えてもらえたと思います。感謝しかありません。

ご冥福をお祈りします。

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