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飯田有抄のショパコン日記24〜ポーランドのKuszlikさんのあったかい音

この記事を書いているのは、2次予選の全ての演奏が終わっておよそ30分ほどたった夜9時です。最後の演奏予定だったMarcin Wieczorekさんは、体調不良のため、棄権となってしまいました。地元ポーランド期待の奏者がお一人登場しないアナウンスがあると、会場ではざわめきが起こりました。

さて、最後のセッションにはもうお一人、ポーランドのピアニストJakub Kuszlikさん(なんと発音するのだろう)が演奏しました。
彼の演奏を、私は現地入りした1次予選最終日に滑り込みで聴けたのですが、その時からマークしていたのですよ。

プログラムに掲載のアー写(アーティスト写真の略ね)と「あ、あれ?」というくらい違う。お髭もじゃもじゃ、髪の毛も顔にもさーっと被さり、なんだかインパクト。大きな体で、なぜか直感的に「これはいい音を聞かせてくれそう!」と感じた次第。その私の偏見は裏切られることなく、とてもどっしりと重心のある、懐の深〜いフォルテを聴かせてくれたのです。

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わ〜髪の毛が!

2次予選ではop.34のワルツを3つ弾きましたが、「ああ、ワルツってこうよね〜」と心から思えた心地よい拍感・テンポ感。op.34-1はあったかくてゴージャス。op.34-2は哀愁の3拍子。素敵だったなぁ。ちょっと写真からは想像できないかもしれませんが・・・。

バラード第2番では、またまたふくよかで深〜いフォルテによる怒涛のうねりがすごい。

今年はポーランドの奏者が多く、2次予選で何名も聴くことができましたが、とくに印象に残ったお一人です。

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あ〜いよいよあと30分〜1時間くらいで、2次予選の結果発表です。やだな。心臓に悪いな。祈りを込めて待ちましょう。


※記事の速報性を上げるため、写真は1次予選のときのものです。
写真:©Wojciech Grzedzinski/ Darek Golik (NIFC)

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