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自宅でできる拘縮予防

体を硬くしないためには、どんなストレッチや運動が必要なのでしょうか?今回は自宅で簡単にできる、足関節のストレッチ・関節を動かす方法をみなさんにお伝えします。ご自宅でぜひ実践してみてください。

カラダが拘縮するってどういうこと?

簡単に説明すると、拘縮とは「関節が硬くなった状態」のことです。普通に生活していれば関節が極端に硬くなることはありません。

しかし、寝たきりや体を動かす機会が少ない・関節を固定している方は、関節が硬くなりやすい傾向があります。

関節拘縮を起こす組織

・皮膚

・結合組織(皮下組織・腱・靭帯・腱膜など)

・筋性

・神経性

・関節性

以上の5つの組織に分かれます。高齢者の方の寝たきりの場合は特に、手・肩関節・股関節・膝関節・足関節が関節拘縮を起こしやすい場所です。関節拘縮が起こる目安としては約2週間!?・2週間、関節を固定した状態や動かさない状態が続くと関節拘縮が始まります。
・4週間になると周りの組織が癒着してしまいます。一旦、関節が拘縮すると改善が非常に難しくなります。「関節拘縮の防止は、予防に勝る治療法はない」。拘縮を予防するためには、なるべく早くから関節を動かすことが大切です。

足首が硬くなるとどうなるの?

足関節は主に「背屈」・「底屈」という動きに分かれます。足首を反るのが背屈、立ったまま爪先立ちをする動きが底屈になります。背屈や底屈の時にも、足関節は微妙に内側や外側に動いているので、それを意識しながら読んでみてください。

背屈時や底屈時の関節の動き

背屈する時には足首は外側を向く。

底屈する時には足首は内側を向く。

寝たきりの人は特に、足関節「背屈」方向に可動域制限が起こります。足関節に背屈制限が起こると、常に爪先立ちのような状態で足首が固ってしまいます。足が地面に接しないため、立ったり歩いたりするのが難しくなり、他にも、ベッドから車椅子に移る時に足首が硬いと体重がうまくかけられず、介助者の人の負担も増えてしまいます。

生理学的な観点では足先は血液が滞りやすい部分です。足先が冷えている人も血液の循環が悪くなっているかもしれません。

足関節を大きく動かして血流を良くしてあげましょう。また、足の指の動きも悪くなってしまうので、足関節を動かす時に、同時に足指の運動も行いましょう。

足関節のポジショニングには気をつけましょう!

関節を自力で動かせない人にとってはポジショニングが重要になります。

背屈した状態になるように足裏に枕か何かをセッティングすることで、足関節のポジションを固定することができます。膝を少し曲げた状態にするとより足関節を背屈した状態に保ちやすいです。

長時間寝たきりで体を動かせない人は1時間に1回は体の向きやポジションを調整すると良いでしょう。



今日から実践してほしい「関節可動域訓練のトレーニング」

では実際の関節可動域を維持するためには、どのような運動が必要なのでしょうか?

まずは大きく筋肉を伸ばすストレッチと関節を動かす自動運動・他動運動に分かれます。

・ストレッチ:筋肉を伸ばす。
自動運動自分自身の力で関節を動かす運動
他動運動他者の力で関節を動かす運動

ストレッチは筋肉が伸びた状態を維持して筋肉を伸ばします。約30~60秒伸びた位置を維持してください。すると少しずつ筋肉が柔らかくなってきますので2~3セット行うようにしましょう。

自動運動と他動運動は筋肉を「伸ばす」・「縮める」を繰り返し、関節を動かす運動になります。

自力で関節を動かせる人には、まず自動運動で関節を動かしてもらいましょう。自動運動を行うことによって関節がどの程度動くかが分かるでしょう。

つまり自力で動かせる範囲以上に動かすのは専門家の仕事。専門家でなければ自力で動かせる範囲を他動運動で動かしてあげましょう。



自力で関節を動かせない人は他動運動を行います。痛みが出ない範囲で行うようにしましょう。痛みを言い表せない人であれば手足や顔の反応をみてください。

動かして痛いと手足がピクッと動いたり顔を歪めたりしますので注意深く観察してあげてください。ストレッチや自信がない方はまず小さい関節の可動域でも良いので関節を動かすことに慣れて下さいね。

また、自力で関節を動かせる人はこまめに関節を動かす習慣をつけることが大切になります。

関節可動域訓練の順序

1.自動運動を行い自力で動かせる範囲を確認。

2.自力で動かせない人は他動運動で足関節を動かす。

3.痛みのない範囲で大きく動かす。

4.足関節においては特に「背屈」方向にストレッチを行う

このような順序で関節を動かすと良いでしょう。次は具体的な足関節と足指の動かし方を見ていきましょう。足関節の動かし方

・カカトを包むようにして足を持つ。

・前腕を中心に足全体を押してストレッチする。

・ふくらはぎの筋肉が伸びるので3秒維持をしてゆっくりと元に戻す。

※ストレッチをする場合は30秒程度伸ばしてからゆっくり元に戻す。これを2~3セット行いましょう。

足指の動かし方親指と人差し指を持って上下に動かす。これを人差し指と中指、中指と薬指、薬指と小指といった感じですべての指で行う。それぞれの運動を5~10回1セット。1日に2~3セット行いましょう。

関節可動域訓練の回数や頻度はどのくらいが理想的?

関節をどれくらい動かして、どれくらいやればいいか分からないという質問があります。基本的な回答は以下の通りです。

頻度痛みのない範囲で可動域全域にわたってゆっくりと各関節5~10回を1セット。1日に2~3セット行いましょう。時間1日15~20分の全可動域の運動が必要で、それを2~3回繰り返すのが良いです。動かす範囲全可動域が望ましいです。つまり動かせる範囲で関節を動かす。ただし痛みや違和感がある場合は中止しましょう。

大切なことは安全が第一です。特に、可動域に関しては痛みや違和感があるときは無理をせず、専門家に相談しましょう。拘縮は何よりも予防が大切。体を硬くしないように毎日関節を動かすようにしましょう。

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