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ケガの再発予防に使われることの多いテーピングの考え方

【何のためにテーピングを行うのか】


 最もよく使われるのは「ケガの再発予防」です。

一度ケガをしてしまった部位に対し、同じような動作を繰り返してまた同じところを傷めてしまわないようにテーピングを用いるケースがあります。

この他にはケガをしやすい部位をあらかじめ保護する「ケガの予防」として使われたり、アクシデントによる突発的なケガが起こったときに、医療機関を受診するまでの「応急手当」として患部を固定するなど、テーピングを行うこともあります。

またケガの不安感をやわらげるメンタル面でのサポート効果も期待できるといわれています。


【テーピングの方法】


 テーピングには関節可動域(関節の動く範囲)を制限し、痛みの出る動きをさせないようにする固定をメインとする巻き方と、皮膚に直接貼るタイプのテープを使用して筋肉や靭帯、腱の動きをサポートし、動きやすくする巻き方があります。

固定をメインとする巻き方は、主にホワイトテープと呼ばれる非伸縮性のテープを用いて、動かす範囲を制限し、痛みを感じる動作を防ぐようにサポートします。

サポーターと違って対象となる関節を保護するというよりは、ある特定の動きだけを制御する点が特徴的です。

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足首捻挫の場合であれば内側にひねらないように固定し、足首を前後に動かす動作(前後屈)などは制限なく動かすことができるといった具合です。

筋肉や靭帯、腱の動きをサポートし、動きやすくする巻き方の場合は、例えば「肩が上がりにくい」ときにその動きをスムーズに行えるようにアシストするもので、キネシオテープなど伸縮性のあるテープをつかって行います。

【テーピングの注意点】


 テーピングを一度巻いた後にそのまま一日中プレーする選手をたまに見かけますが、テーピングは張力によって患部をサポートしているので、時間の経過とともに張力は弱まってしまいます。

特に関節可動域を制限するような固定を目的としたテーピングの場合、その効果は20〜30分ほどとも言われており、その後は時間とともに固定力が低下します(テーピングを経験したことのある選手であればテープのゆるみを実感したことがあると思います)。

時間の経過とともに効果の薄れたテーピングをそのままにしておくことは、固定力の低下や動きのサポート力の低下とともに皮膚を痛めることにもつながります。試合の時にテーピングを巻くときは、なるべく動く直前に行うことがよいでしょう。

 また皮膚に直接貼るテーピングはもちろん固定を目的としたテーピングでも、その効果を高めるためには事前に体毛を剃っておきましょう。

アンダーラップを用いると固定力は多少上がりますが、どちらにしろテーピングの効力は落ちやすくなりますし、何よりテープをはがすときに痛みを伴うことが多いので、面倒でも事前に準備しておいたほうが良いということになります。

また激しい運動や夏場などは特に汗でテープがはがれやすくなります。

テーピング専用の粘着スプレーなどを活用するとより高い効果が期待できます。

【基本的な知識を取得してから行う】


 装着するだけでケガの部位を保護するサポーターとは違って、テーピングは人の体や動きなどを理解した上で行うことが大切です。

また個人の感覚やケガの状況によってもテーピングは巻き方が変化するため、すぐに対応するのがむずかしいという側面もあります。

自分自身で巻く方法などもありますが、正しい巻き方をしないと逆にケガをした部位を悪化させてしまうことがありますので、一度医師やトレーナー、治療院の先生などに相談した上で行うようにしましょう。

 テーピングは使い方によってはパフォーマンスを支える重要な役割を果たしますが、一方でケガを回復させる、ケガを100%予防するものではないことも理解しておきましょう。

日頃のコンディショニングとあわせて、いざという時のためにテーピングの基本を理解し、競技に役立ててくださいね。

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【テーピングの考え方を知ろう】


●テーピングは主に「ケガの再発予防」「ケガの予防」「応急手当」として使われる
●ケガの不安を取り除くメンタル面でのサポート効果も期待できる
●テーピングには痛みの出る動きを制御する巻き方と、動きやすくするための巻き方がある
●固定を主な目的とする場合は、時間とともにテーピングの張力が落ちることを理解しておく
●テーピングを行う際はなるべく除毛をしておくようにしよう
●初めてテーピングを行う際はなるべく専門家の指導を受けた上で行おう



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