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■2017年7月29日「猫と高齢者」の内容シェア

こんにちは。
このブログは、高知県のペットケアサービス「ペットヘルパー&うさぎケア つむぎ」の日記です。

本日は、先日クラウドファンディングのプロジェクトによって参加することができた「猫と高齢者」のセミナーの内容シェアをいたします。できるだけ簡単にまとめようと伝えましたが、長文です。

いつものように内容のパスレコ(キットパス+レコーディング)を行いました。参加されていない方にも伝わりやすいように、文字が多めになっています。

このセミナー「猫と高齢者」セミナーを開かれたのは、特定非営利活動法人ペットライフネットさん。ペットと暮らすシニア世代を支援するネットワーク組織です。( http://petlifenet.org/  )わたしが行ったクラウドファンディングのプロジェクトでもご支援くださいました。


上の画像「猫」の下の顔が、理事長の吉本由美子さんです。吉本さんの司会で、セミナーが進んでいきます。



はじめは、「犬を殺すのは誰か ペット流通の闇 (朝日文庫) 」を書かれた、朝日新聞記者 太田匡彦さんの講演でした。

わたしはこの本を読んだことがなく、まだ実は読めていません。しかし、データとして太田さんから提示された内容より、30年前にイヌに起きたこと、そしてこれからネコにそれらが起こるだろうこと(それも状態としては悪化して)が示唆されました。



余談ですが、あなたは一般社団法人ペットフード協会が出してくださる、全国犬猫飼育実態調査をご存じですか? 

実は、行政がもっているイヌの頭数(「登録」をしている数)は、登録をしていない人も、本来は法律違反になるのですがいらっしゃるため、正確なイヌの頭数を反映していないといわれています。ほかにもさまざま目的のために、調査が行われています。(詳しくはリンク先をご覧ください→ 平成28年 全国犬猫飼育実態調査 )

(イヌと暮らしていて、この「登録」がわからない方がもしいらしたら、法律で決まっていることなので、ご自身が暮らすわんちゃんが「登録」されているかご確認ください。狂犬病予防法では、生後90日を過ぎたイヌは「イヌと暮らしています」という申請をしなくてはならないのです。詳しくはこちらごらんください



話を戻しますね。

この統計から、イヌとネコですと、かろうじてまだイヌの頭数が多いですが、イヌは減少傾向にあります。ネコはおおおむね横ばいです。

そういえば、最近、猫の特集の番組や雑誌が多いと思いませんか?


実は、多少語弊があるかもしれませんがざっくりお話しすると獣医療界で「これからはネコだ!」ということで、現在ネコに対する治療に関して力が入れられる傾向があります。メディアで取り上げられるのとどちらが早かったのかはここでは問いませんが、「ネコがブーム」と言われています。

太田さんより「家庭内全体の支出は下がっているのに、ペット関連の支出はあがっている」とデータが示しているとお話がありました。そう、わたしたちは「ペットにはお金をかけている」のです。


イヌの飼育頭数は下がってきている、そしてネコがイヌよりも頭数が多くなる…ここでイヌがどうしてこれだけ頭数が増えることができたのか。それはパピーミルという、「イヌを作り出す工場があるから」ということです。(内容は簡単ですがノートにとってあります。または、詳しくは太田さんのご本をご覧ください


この悲劇が、今後ネコにも訪れるだろうことを、太田さんはデータより示唆されていました。

上のメモ内左上から1/3ほどに書かれている「サプリメントペット」という言葉。

これは、ざっくりお話しすると「ペットと暮らすことで健康になろう」ということのようです。ペットと散歩に行けば、運動になりますし、会話も増えるかもしれません。しかし、ここで問題が起きてきます。健康であればイヌ(犬種による)も多くのネコも、15年は生きるだろうということ。

では、高齢者といっしょに暮らして、その方が亡くなったら里親に出したり、ほかの家族に引き取ってもらえたらいいのか、というと、「イヌやネコにも感情があるのだ」ということを書いたのが上のメモです。



個人的に大事なことは、一緒に暮らしているペットにとって何が幸せなのかを、そのペットの性格や環境を考慮して、いっしょに暮らす方が決めておくことだと思います。

その一つの手段として「ペット信託」はありえると、思っています


続いて、保護動物コンサルタント/獣医師 西山ゆう子先生の講演です。
高知県、広島県、ついに大阪府にまで西山先生の講演を聞きに来てしまいました。

西山先生より、はじめの10分でマダニがウイルスを媒介する「重症熱性白血球減少症候群(SFTS)についてお話がありました。これは、別の記事としますね。

西山先生ははじめに「言葉の定義の確認」を必ずされます。これは、わたしも専門学校の授業でなにかを伝えるときに必ず行うようにしていることですが、この確認を怠ると、「それぞれの言葉の取り方」で理解してしまい、あとあとの説明が大変になることがあるのです。

飼い主/保護主/シェルター/譲渡/移動 などがひとつひとつ確認されました。

続いて、「殺処分ゼロ」のがうたわれるこの時代、なにかの理由で自宅で一緒に暮らせなくなってしまった、ブリーダーのもとで「使えなくなった」動物たちが愛護団体に集まる仕組みになってしまっていることを、西山先生は危惧されていました。

これは、実際にわたしがこの「猫と高齢者」のセミナー会場にいたからこそわかることなのですが、会場には大阪や他の地域でで活動されてる個人、組織としての愛護団体さんがおり、その瞬間に頷く方が何名もいらっしゃいました。

わたしも「現場の疲弊」の話は見聞きしています。

行政も、愛護団体に頼ってしまっている異常な状態になっています(意図してかはわかりませんが)。

つまり、「殺処分ゼロ時代」の現在、「ネコを看取る」のは、多くの場合サポートを受けられていない愛護団体になってしまっているのです。



ネコが愛護団体で亡くなるには、3つの理由があります。

●病死
●もらわれないうちに老齢化
●新生児

また、これはジョーク交えられていますが(ウィットに富んだジョークを講演中に幾度もされます)、ネコをこのように例えることができます。

1)新品(子ネコ)
2)中古品(ヒトと共に暮らしていたネコ)
3)骨董品(病気、遺棄、介護できない等)

ここは、この例えが正しいかは別にして、話を進めます。

今の「殺処分ゼロ」とは、このそれぞれ1~3を全て一緒に処理しようとしています。ゆえに問題が起きています。実は、1)から3)は元栓(ガスの元栓をイメージ)の閉め方が違うのです。

例えば1)であれば「不妊去勢手術」、2)は愛護団体に来る理由が「ペット側の理由」と「ヒト側の理由により変わりますが、啓発や行政の介入もひとつでしょう。3)はよいかどうかは別にして、動物病院での「適時の安楽死」も1つの方法です。



「猫と高齢者」セミナーだからこそ指摘される問題点といえば、高齢者と暮らしていたペットたちは「コスパが悪い」(内容は上記メモをご覧ください)傾向があります。

これは、わたしも動物病院にいたころ、日々体感していました。「ペットと暮らす」ということは「ただ可愛がればいい」のではありません。イヌやネコであれば、15年生きることを見据えて、一緒に暮らしはじめたときから最期のときのことまで考えることです。それが、

死刑(殺処分)をのがれた。でも終身刑(シェルター)


という、西山先生の重い言葉を回避する一番のことだとわたしは思っています。

保護施設も、ペットたちに快適な場所かというと、必ずしもそうではありません。ひとつの部屋に何匹も同種の動物がいることは、ネコ科動物の自然な状態ではなかなかありません。ストレスが原因で亡くなることも、あるでしょう。

わたしも、ネコの終生飼養施設をつくるにあたり、ネコのお世話をされている方と、十分に話し合うことを決めました。

「じゃあ、これからどうすればいいの?」という西山先生からの提案は、上のメモに書いてあります。


パネルディスカッションは専門家4名による質疑応答。ペットライフネットの吉本さんのファシリテートで、各専門家に質問がなされました。

この中で、スコティッシュフォールドという、【今一番売れている」ネコについての話がありました。実は、このネコで折れ耳であることは「軟骨形成不全」であることを意味します(軟骨に異常があるから耳が折れている)。これは、「優性遺伝の遺伝性疾患」なのです。このことでなにが問題になるかというと、身体の関節が変形していくのです。

わたしは動物病院で、若くして関節が変形してゆくスコティッシュフォールドを数度見ました。スコティッシュフォールドは見た目は可愛いです。しかし、その可愛さは「つくられたもの」であることを忘れないでいただきたいのです。「つくられたもの」にはなにかしらの歪みがうまれます。そこまで理解して、一緒に暮らすことが「ペットと暮らすこと」です。

若くして関節が変形してゆくネコには、痛みと共に生きる必要がでてきます。骨が変形していく…想像するだけで痛いですよね。そして、この状態になれば医療費がかかります。もちろんその額は積み重ねれば高額になります。

「大阪ねこの会」の荒井りかさんより「スコティッシュフォールドが捨てられている」とお話がありました。どうか、見た目の可愛さだけではなく、遺伝性疾患を持っている可能性まで納得されてお迎えしてほしいとわたしは願っています。

その後、多頭飼育崩壊現場(ネコの数が多すぎて、まさに「崩壊」している惨状のこと)で奮闘されているお二方の壮絶なお話を伺いました。

高知県でまだほとんど表面化していないこの問題に対して、わたしも直面することになるのだろうと、覚悟をしました。

以上、簡単に(といっても長文になりましたが)内容のシェアをいたしました。


ペットライフネット理事長 吉本さん、スタッフのみなさま、専門家のみなさま、吉本さんとおつなぎくださった櫛部さん、わたしとおはなししてくださった参加者のみなさま、ありがとうございました。




ご覧いただきまして、ありがとうございました。
いつか、おめにかかりましょう。

「家族が最期のときまで共に過ごせる”笑顔”と”幸せ”をつくる」

ペットヘルパー&うさぎケア つむぎ - ホーム https://www.facebook.com/ptamoff/
(高知県須崎市。2017年7月9日よりOPEN。カウンセリング無料+交通費)

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