見出し画像

葛藤(conflict)

○葛藤

 同時に満足させることが困難な複数の欲求が、同程度の強さで個人内に存在し、行動に踏み出せない状態。
 「全体」として捉えて初めて行動決定できない様子が説明できるため、葛藤は、ゲシュタルト心理学が基礎にあり、レヴィン (Lewin, K.)はゲシュタルト心理学を集団力学、社会心理学に応用した人物として知られる。

レヴィンによる葛藤の3分類

1.接近一接近型葛藤(approach-approach conflict)
 同程度に魅力的な対象が2つ以上あり、そのうち1つを選択しなければならない場合。
 しばらくは躊躇するが、どちらかに決めてしまえば、のちに選んだ方の魅力度がいっそう増して、やがて葛藤は解消する。
2.回避-回避型葛藤(avoidance- avoidance conflict)
 逃れたい対象が2つ以上あるが、どちらか1つを選択しなければならない場合。
 この葛藤状態からはなかなか抜け出すことができず、いったん抜け出しても選んだものへの不快感が増して、また元戻りになることもある。
3.接近一回避型葛藤(approach-avoidance conflict)
 求める目標は1つであるが、その目標が肯定的な側面と否定的な側面を合わせもつ場合。

○成功回避動機(motive to avoid success)

 成功して達成感を得たいが、そのことで成功しなかった人と親和的な関係になれなくなることを恐れるといった、接近一回避型葛藤の一例。

○傍観者効果(bystander effect)

 ラタネによる多くの多者の存在により、援助介入が抑制される理論。
 この事態は助けを必要としないだろうと思い込む集合的無知(pluralistic ignorance)、多くの人がいることで個人の責任感が低下する責任の拡散(responsibility diffusion)、援助介入が不要だったり失敗に終わったりした場合に、それを他者に見られるといった恥の不安などが援助介入を抑制する。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?