レプリカント(2001)
アクション俳優ジャン=クロード・ヴァンダムが熱演
レプリカントの成長を追ったSFアクション
ローランド・エメリッヒ監督のSFアクション『ユニバーサル・ソルジャー』(’92年)、大ヒットを記録したタイムトラベルSFアクション『タイムコップ』(’94年)など、1990年~2000年代にかけて、肉体派アクション俳優として数々のアクション映画で活躍したジャン=クロード・ヴァン・ダム。
本作は、ジャン=クロード・ヴァン・ダムが極悪非道の連続殺人鬼と、純粋無垢なクローンという対照的な2役を演じたSFアクションです。
連続殺人鬼のクローンを再生し、その記憶とテレパシー能力をもとに犯人を追跡するというプロットの作品で、主演は肉体派俳優ジャン=クロード・ヴァン・ダム。典型的なSFアクションに終始する恐れも否定できない要素の中で、キャラクターの個性を際立たせ、意外にも(!)見応えある人間ドラマに仕上がっています。
極悪非道な人間と純粋無垢なレプリカントという、まったく対極にある2役を演じ分けたヴァン・ダム。アクション映画にこだわる肉体派俳優が、抑えきれない感情に驚き、戸惑い、苦悩する究極のキャラクターへとぐいぐい引き込む妙演を見せています。
ジェイクとの生活の中でレプリカントに人間性が表れ、成長していく姿に主眼が置かれており、レプリカントのドラマとして見るとラストに爽快感が味わえます。
しかし、トーチを凶悪犯行に駆り立てる動機が甘いため、トーチを追い詰めるアクションとして見ると肩透かしを食らいます。
いずれにしろアクション俳優のヴァン・ダムがいつになく演技に力を入れているのが見どころ。香港出身のリンゴ・ラム監督が、自身のハリウッド進出作『マキシマム・リスク』(’96年)で見事なタッグを組んだヴァン・ダムから再び新たな一面を引き出しました。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?