見出し画像

マッハ!!!!!!!!(2003)

ただただ肉体と撮影手法の眼界に挑んだ
純な製作姿勢に好感が持てるムエタイ・アクション映画

2000年代に入ると、ハリウッド製アクション映画は最新技術を駆使してスケールアップを図っていきました。

本作が製作された2003年は、斬新なアクションで注目を集めた『マトリックス』の続編2作が相次いで公開され、世界中を賑わせました。

そんななかで、CGやワイヤーをまったく使わないアクション映画というのは最先端のハリウッドアクション映画への最高のジョークと皮肉に映りました。

タイの伝統的な格闘技、ムエタイで戦うタイ映画『マッハ!』は、スタントマン出身のタイ人俳優トニー・ジャーがすべてのアクションシーンを自分で演じているのが話題となりました。

【ストーリー】
タイの田舎の村から神聖な守り神オンバク像の首が盗まれてしまいます。僧侶プラ・クラから古式ムエタイを学んだ孤児の若者ティン(トニー・ジャー)がバンコクの密輸団にいる犯人のドンを追いかけます。
バンコクで、ティンは同郷のジョージに協力を求めますが、借金まみれのイカサマ師ジョージはティンの所持金を違法な賭け試合につぎ込む始末。ティンは金を取り戻すためにリングで戦うはめになりますが、なんと一撃で相手を倒してしまいます。

この頃はまだ、何でも作り出してしまうCG映画へ懐疑的な意見があった時代。CGを過剰に使った香港製コメディアクション『少林サッカー』(’01年)とは対極ながら、またもやハリウッドに挑戦的なおバカ映画かと思いきや、ムエタイアクションにそんな邪念はまったくありません。

並みはずれた跳躍力や宙返りなどの華麗な技に目を見張ります!

ただし、脳天に肘鉄、ボディに跳び蹴りなど、本格的なムエタイは本当に痛そうなのが見ていて辛い(;^_^A。

でも、アクションの原点に立ち返り、ただただ肉体と撮影手法の限界に挑んだ、今どき珍しいほど純な姿勢に好感が持てるでしょう。


この記事が参加している募集

映画感想文

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?