クラウゼヴィッツ『戦争論』第一篇における問題設定について

クラウゼヴィッツ『戦争論』第一篇における問題設定について

 クラウゼヴィッツが著書『戦争論』において各章においてどのような問いを提示し、それに答えたのかをまとめたもの(逐次更新)

第一篇 戦争の本性について
第一章 戦争とは何か

問:「戦争という問題を考究するにあたり、全体としての戦争の本質とは何か」
答:「戦争は三重性(三位一体)を備えており、複雑で変化しやすいもの」

第二章 戦争における目的と手段

問:「戦争の三重性が戦争の目的と手段にどのような影響を与えるか」
  「戦争が政治的目的を達成するために適切な手段であるためには、いったいどのような目標を設定しなければならないか」
答:「一、戦争においては目標に到着する道、従ってまた政治的目的に達成する道は数多くある
二、それにもかかわらず、戦闘こそ目的を達成するための唯一の手段である
三、そのためには、一切が最高の法則、武力による決定という法則に従わなければならない
四、実際に敵が武力による決定に訴える場合には、わが方としてもこれを拒否し得ない
五、我が方が決戦とは別の方法をとるのは、敵もまた決戦に求めないか、あるいは敵が決戦に訴えたところでこの結局この最高法廷において敗れるに違いないことを確信している場合に限られる」
「約言すれば、敵戦闘力の撃滅こそ、戦争において追求され得る一切の目的のうちで最も卓越した目的と見なされ得る」

第三章 軍事的天才

問:「軍事的天才とはどのような存在か」
答:「知性と情意が衆に抜きんで、また異常な業績によって顕示される、こ の二つの心力を併せ有する精神」、「心的諸力の調和ある合一」
問:「戦争を包む雰囲気を構成するものは何か」
答:「危険、肉体的困苦、不確実、偶然」
問:「戦争の中で人間の性質に備わる精神的及び心的諸力が、軍事的行動に関してどのように現れるか」
答:「クゥ・ドゥイユ、果断、沈着」「遂行力、頑強、堅忍、感情、性格の強さ」、「地形認識」

第四章 戦争における危険について

問:「戦争における危険とはいかなるものか」
答:「戦争における摩擦の一種であり、その中においては誰もが心の均衡を保つことが難しい」

第五章 戦争における肉体的困苦について

問:「戦争における肉体的困苦とはいかなるものか」
答:「戦争のける摩擦の一種であり、将帥の精神のはたらきを暗に拘束し、心的諸力をひそかに蝕む」

第六章 戦争における情報

問:「戦争における情報とはいかなるものか」
答:「戦争において入手する情報の多くは矛盾しており、かつ不確実である。そのため、指揮官は自己の信念に徹し常に毅然としていなければならない」

第七章 戦争における摩擦

問:「摩擦とはいかなるものか」
答:「現実の戦争と机上の戦争を区別する唯一の概念であり、精確に把握することは不可能なため、できる限り遠ざけることが必要」

第八章 第一篇の結語

問:「このような摩擦を緩和する潤滑油のようなものはあるか」
答:「軍が戦争に慣熟すること」、「戦争経験の豊かな外国将校を招聘する」


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「たとえ外見に現れることがなかろうとも、成功のきらめきではなく、誠実な努力と義務への献身が人生の価値を決定する」ヘルムート・フォン・モルトケ