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0265 - 【2018年 ルワンダ訪問記】 Phase-02:その言葉は前触れも無く放たれた

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【アフリカで変わった夏 2018年:ルワンダ訪問記】全15回

Phase
・01:アフリカのイメージ
・02:その言葉は前触れも無く放たれた(←今ココ)
・03:まだまだこれから、だからこそ
・04:危うく辿り着けないところだった
・05:なんかイメージと違う
・06:ルワンダ首都キガリの道路事情
・07:キガリ1日目 - ノンビリーバボー
・08:キガリ2日目 - ワークショップが始まった
・09:ルワンダ・キガリの四方山話
・10:キガリ3日目 - 大きなフラグを立てた
・11:キガリ4日目 - 悲劇とか希望とか
・12:ギャラリーとコワーキングスペース
・13:キガリ5日目 - アフリカにいるということを忘れる空間
・14:キガリ6日目 - 1人の例外なく素敵な笑顔
・15:それから

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『虐殺からのテックシティ』

これは、雑誌「WIRED」に昨年載っていたルワンダの首都キガリを表す言葉。

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<その言葉は前触れも無く放たれた>

「鈴木さん、一緒にルワンダ行きましょうよ!」

当時、僕は渋谷にあるクーガーという会社にクリエイティブディレクターとして所属していた。同じクーガーのメンバーである平手さんが出社するなり笑顔で言い放ったのは、記憶の糸を辿るとたしか4月の終わり。前日までルワンダのルの字も会話に出たことが無いのに、突然どうした?

平手さん2

「ね、ルワンダ行きましょうよ!ルワンダ!」

よくわからないが、どうやらルワンダという国が今ものすごく面白いことになっているらしい。ただ何がどう面白くなってるのか突っ込んだ事例が出てこず、たぶんパッションだけでルワンダを連呼している平手さん。

「鈴木さんもルワンダ興味ありますよね!」

はてさてルワンダ。アフリカにある国だと薄っすら存在だけ知ってはいるけど、どの辺りにあって、どのくらいの広さで、どんな特徴を持った国なのか、、、うーん、正直分からない。

「ルワンダで、ブロックチェーンのイベントやって、コミュニティ作ったり、事業連携して実証実験とかしたら絶対面白いと思うんですよねー」

やりたい事の意図は汲み取れた。平手さんとは普段から席を並べて作業することが多いので、そこからしばらくは、ルワンダについて調べた情報を(訊いてもないのに)アレやコレやと語ってくれた。

程なく、周りのメンバーにもルワンダの魅力について語り出す平手さん。

「ルワンダ行きましょうよ!鈴木さんも行きたいって言ってるんでー」

みんなにも興味を持ってもらいたい気持ちは充分理解できるが、何故か僕がもうルワンダへ行く気満々になってるかのような触れ込み。コラッ、そんなことまだ言ってない。

最初は単なる思いつきだったのかもしれないが、ここからの平手さんの勢いは凄まじかった。

SNSでルワンダに関連してる人を探し出し、見つけたら突然のメッセージ送信。そこから本格的に海を超えたコミュニケーションが始まったり、日本で会える人には会いに行ったりと、ガシガシと風穴を開けていく。

平手さん1

縁もゆかりも無い遠い異国に興味を持ったのが4月の終わり。そこからたった数ヶ月後の8月の中旬、日本ではお盆休みに該当する時期でのイベント開催まで本当に漕ぎ着けてしまった。

しかも、ただひっそりと小規模で行うイベントではなく

・ルワンダ大学と共同開催
・ルワンダ初の開発者向けブロックチェーンイベント
・5日間にも及ぶ集中ワークショップとして開催
・AIについての講義も盛り込む
・アメリカ、ドイツ、日本の著名ブロックチェーン企業6社が講義で参加
・世界銀行がバックアップ
・ルワンダ政府関係者も登壇

などなど、尋常じゃない周囲の巻き込み力で、世界でも類を見ない豪華な最先端テック系イベントが実現してしまったのだ。ルワンダ大学と共催とか、世界銀行がバックアップとか、ルワンダ政府が絡むとか。普通に考えて有り得ない。

しかも我々の滞在中に、ルワンダの国交相な政府機関RUSAや、ICT政府機関RISA、更にタンザニア・ウガンダ・ケニアからの要人まで参加する会食もセッティングされた。良い意味で、なんてこった。

今回の重要なポイントは、一方的な訪問開催ではなく、現地トップの学び舎であるルワンダ大学と共同開催するという点。

また、クーガーという企業としてではなく、テックコミュニティ「Blockchain EXE」という中立性のある立場として開催・関与することで、特定の企業の利権に縛られること無く、誰ともしがらみ無く、どこにも気を遣うことも無く、現地で新たなコミュニティ形成や、興味を持った企業が事業連携できる「今後に繋がるきっかけ作り」が可能になるはずだ。

たった1人の日本人の思いつきが、ルワンダ、延いては周辺のアフリカの国々からも注文されるイベントとしてカタチになったのだ。

■イベント名:Blockchain Fundamentals and Applications
■日時:2018年8月13日 - 8月17日(5日間)
■会場:UR-CST- KIST2-ICTP Block, Computer Lab(ルワンダ大学 - カレッジ・オブ・サイエンス・アンド・テクノロジー)

Phase-03へ続く

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