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0060 - 高級感の概念

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仕事で、とある商品のパッケージ案について話していた時のこと。

その商品の元々のパッケージは、高級感を狙った派手で賑やかな見た目だった。そこからガラリと雰囲気を変え、若い世代にも受け入れられるスッキリとシンプルな方向性のデザインにしようということになった。

デザイナーさんから届いた案はとても良い塩梅。いいねーいいねーと、取引先の担当者と盛り上がっていたところ、代表などの年配層からは「ダメだダメだ!」と全力否定されるという事態に。

何がどうダメなのか尋ねてみたところ、あーでもない、こーでもない、様々な意見が飛び出したが、とどのつまりこういう感覚が根底にあっての意見なんだなと理解した。

・シンプルなデザイン=安っぽい

言い換えると『高級感を出すなら、派手で賑やかにすべし』ということ。

話を更に詳しく聞いていて「なるほどね」と思ったのだが、年配層の皆さんは、戦後の『物が無い状態』で育った世代。『物がある』ということが豊かさの象徴であって、家に掛け軸、壺、絵画、盆栽、演奏しない琴、ガラスケースに入った日本人形などなど、生活『不』必需品がどれだけあるかがステータスという価値観で生きてきた。なので、シンプル=質素という感覚になってしまうのだと思われる。

ちなみに、我が実家の座敷部屋にも、掛け軸や琴が飾られている。

派手はで

たしかに、祖父母世代(90歳代でまだまだ元気)は派手なガラモノを好む。演歌歌手の衣装を見てると分かりやすいかも。そういえば、無印良品を好んで買い物する年配層ってあまり見かけない。

そんなことに改めて気づいたというお話。

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