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歌詞集

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ここでは詩のなかでも歌詞っぽいものをまとめています。
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2023年8月の記事一覧

朗読詩 箱舟の子

君は叫んでいた
「誰か、僕の話を聞いてください
世界が海に沈むほどの大雨がきます」

扉を叩いて、窓を開けて
ただ君は、君は、
居場所が欲しかった

蔑んだ目
お前は嘘つきの子供
2人の親に見捨てられた
傷だらけの男の子

少しずつ増えていく雨粒の音
焦りに満ちた夜がくる
どうか、目を覚まして、
星が消える前に

蔑んだ目
お前は可哀想な子供
ねじが足りない
欠陥だらけの男の子

離れ離れになった

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デンコウアンジュ(イメージ詩)

さぁ、扉よ開け
準備はいつでも万端
今日の私は一味違うの

さぁ、お逃げなさい
思うままに走る
あの子の背中に
刹那の一閃を
お見舞いしてあげる

最後に笑うのは私

狐に化かされた観客
雨に濡れた東京
草の匂いと静寂
今、時を操るのは私

胸の鼓動が止まらない

さぁ、扉よ開け、
準備はいつでも万端
霧で見えないくらいが
私にはちょうどいいから

さぁ、お逃げなさい
気持ちよく先頭を
行くあの子

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