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パーパスドリブンに生きる


📝修了生コーナー始まります
🎤修了生による修了生へのインタビュー

ークリエイティビティを存分に生かして大人から子どもまで育ち合う港を立ち上げるー

『大人から子どもまで育ちあうサードプレイスの構築』という目標のもと、コミュニティシェアハウスの立ち上げを行っているMINT1期修了生のライリーさん。

ご自身の強みでもあるクリエイティブ制作と合わせ、今どのような取り組みをしているのか、またMINTでの経験がどのように今に繋がっているのか、お話を伺いました。

−現在どのようなことに取り組まれていますか?

 大人から子どもまで共に育ち合うというコンセプトのもと、コミュニティシェアハウスの立ち上げを行っています。具体的には、子育てひろばや子ども食堂の運営、児童養護施設や里親などの勉強会、地域文化交流事業、NPO法人すまいると協業した母子向けシェアハウスの立ち上げなどを行っています。
 

−どうやって取り組んだらよいのか、とても難しそうなことをされている印象ですが(汗)、もう少し具体的にお聞かせいただけますか?

 私は、運営とクリエイティブ制作を担当しています。

 まずは、神奈川県茅ケ崎市の「南湖ハウス」の立ち上げに携わりました。そこは長く住み込んで滞在する人はいない居場所なのですが、様々な人たちが交流する場として地域の中で大事な役割を担っています。児童養護施設を卒業した若者が実家のように遊びに来てくれたり、助産師の方々と連携して出産後のママやパパの学びの場になったり、地域人財活用の場として得意分野のある地域の方が、たとえば子どもたちとボードゲームしたり、料理上手な人がシフォンケーキを持ってきてくれたり、料理を教えてくれたり、と活発な交流が行われています。

 昨年末からは、子どもにとって親以外の第3の大人がいて、家庭と学校以外の第3の居場所であり大人も子どもも育ちあえる場所が、全国どこにでもある状態にしたいという目標に向けて第一歩を歩み始めています。

 まず昨年12月から茅ヶ崎の本村を拠点にしたリトルハブホーム 茅ヶ崎 が『子ども若者が安心して育ち合える場づくり』としてスタートしました。愛称はリトハブです。

 そして今年リトハブは藤沢市のNPO法人すまいるさんと提携し、協働して4棟の古民家を再生し、母子世帯が安心して暮らせる日本初の住み開き型コミュニティシェアハウスを一件づつ立ち上げています。 

*住み開き 
住居 や個人 事務所 といったプライベートな 空間 を、本来の用途や機能を保ちながら、一部を限定的に開放することによって、セミパブリック化させる 活動 や 運動 、そのような使われ方をする 拠点 のこと。 

Wikipediaより
グラフィック/ライリーさん作
グラフィック/ライリーさん作

−クリエイティブ制作についても、活動内容をぜひ教えてください。

 「社会的養護」など初めて聞く方には少しわかりづらいことを、動画にしたり視覚化して分かりやすく発信する、ということをしています。視覚化の一つとして、年齢、バックグラウンド、立場に関わらず、その場にいる人全てが対話を深めることができるグラフィックづくりも行っています。

(グラフィック動画/ライリーさん作)

 また、一般の方向けだけではなく、児童養護施設の職員向けの研修資料をグラフィック化したこともあります。動画などの視覚化を行うことで、参加者はその場の熱量を思い出すことができ、その場にいなかった人にも同じように感じてもらえることができます。

 ディスカッションをグラフィック化することで声をあげにくい人が話しやすくなるという利点もあります。いろいろな人が会話をしているときに、声が大きい人だけでなく、どんな役割、立場の人の声も取り残すことなく聴きたいと思っています。全ての人を描くことで何もしゃべっていない人を含め全ての人がその場に関わっているということを思い出せるようになります。

(児童養護施設の職員向け研修グラフィック/ライリーさん作)

ー視覚化することになったきっかけがあるのでしょうか?

 実は、想いを視覚化するのは、MINTでの体験で初めて生まれた事なのです。MINTの講座の初日は、これから一緒に学んでいく同期との初めての活動として、全員の共通認識となるカルチャー創りを行いグループ名を決めるのが恒例なんですが、そのブレストの際に描いた画は、私が初めて意識して誰かのために視覚化したものです。

 言葉で皆の考えを書き留めてくれている人の傍らで自分の中から「描きたい」というエネルギーが出てきた一方で、「望まれていないのではないか」という気持ちも沸き上がってきました。しかし、同時に「これをしに来てるんじゃん」という気持ちに気付いて、勇気を出して思いのままに描いて皆に見せたんです。そうしたら、「そうそう、そういうこと!」と口々に賛同してもらい”BEYOND”というみんなの共通の言葉がその場で生まれるという、忘れられない体験をしました。この絵と”BEYOND”という言葉は、その後ずっと自分たちの心に残っていますし、この体験がその後に繋がっています。

(同期のカルチャ”BEYOND”に辿り着くまで)

−なるほど、素晴らしい体験をされたのですね!ほかに取り組んでいるグラフィックはありますか?

  個人で、事業のMISSION・VISIONの視覚化(グラフィックレコード)に取り組んでいます。
 取り組みの中で嬉しい発見もありました。通常グラフィックレコードは対話が行われる場で使われるものですが、お声掛けいただいて参加したMINT専属コーチのSAYAさんのプロジェクト、みなものふたり(旧「FAMILOG」)で描いたものを、その後SAYAさんがご自身のウェブ会議の背景に使って下さったんです。そうしたら、それを見た方から「とても素敵」と声をかけていただきました。自分の取り組みが賛同された、と感じられるとても嬉しい出来事でした。また本業先勤め先でも、グラフィックが仕事の報告や、前回の振り返りに使われる、ということが始まっています。

ー様々な取り組みを行っている中で、ライリーさんがワクワクするのはどんなことでしょうか?

 「コンフォートゾーンの外へ少しずつはみ出していくこと」「描いていくことが実現していくこと」です。コンフォートゾーンからはみ出すのは今でも怖いですが、学びながらやっています。

ー何か具体的なエピソードはありますか?

 これもクリエイティブのエピソードですが、最近英語での議論をグラフィックにするというお仕事をいただく機会がありました。大学時代英語教育を専攻していたもののコロナ禍で日本語の仕事ばかりになっていて全く自信がありませんでした。そこで、毎日TEDを聴きながら描く練習をしながら当日を迎え、描き終えたときにチームの皆に「そう、これ!」と言っていただき、コンフォートゾーンから抜けた瞬間を実感しました。

(当日に実際に描いたグラフィック/ライリーさん作)

ー素晴らしいですね。コンフォートゾーンを抜けると自身の成長につながるのですね。今度はMINTで行ってきたことについてお聞かせください。MINTで見つけられたご自身のパーパスや、講座のハイライト「インパクトデー」の発表やディスカッションはどのようなものだったのでしょうか?また他に今に繋がっている事はあるでしょうか?


 私のパーパスは、「凸凹でカラフルな自分を愛する港を作り続ける」です。
 カラフルで凸凹な自分、他者を丸ごと愛し、人生を味わい、生きることを面白がっている人たちの集う場所を創りたいという想いからきています。

(パーパスを視覚化したグラフィック/ライリーさん作)

 インパクトデーでは、パーパスに基づいた今の取り組みにつながる「教室に居場所がないと感じるすべての子ども達が輝けるサードプレイス(学校・家庭以外の場)と繋がるために私達大人が出来ることは何か」というテーマで対話を行いました。

 様々なバックグラウンドの方にご参加いただきましたが、多くの方が幼少期に「生きづらさ」を感じており、第3の大人、第3の居場所(場でなくて本だったり)の支えが大きかったということを語ってくださったことに大変勇気をいただきました。

 またMINTをきっかけに、DOだけでなく自分のありたい姿(BE)に気づくことができました。人生には限りがあります。だからこそ自分の心の声を聴き続けながら学び続け、選択し続けていきたいと思います。

 自分の心の声を聴き、選択をしていくことは最初はとても怖かったです。MINTでは様々な方が聴いてくれた、そして辛いときもMINTの皆で乗り越える事ができた。この経験が今も私の背中を後押ししてくれています。 一人だったら何もできていない。未完成でも話す、見せる、声に出していくことで進んでこられています。今も新しく踏み出すことは怖くて仕方ないし、元々人と快活に話してやっていくのが得意ではなく、人に会う時は緊張もしています。けれど、MINTで心理的安全のなかでみんなが話を聞いてくれた体験がとてもな支えとなり、正解がもともとない、正解を自分で創っていくしかない、ということをやっていく力になっています。

−今後の目標について教えてください。

 今は経済的なことの優先順位を高くせず、経験を得ることを優先しています。これは子どもなど守るものがない今だからこそできるのかもしれませんが、どんな年代の人でもパーパスドリブンに生きていける社会も私の未来の中には描かれています。そのためにも対話力や聴く力を身につけながら、安全で豊かな港としてのサードプレイスを日本中に作っていきたいと思っています。

ー本日はありがとうございました。今後益々のご活躍を楽しみにしています。コロナが落ち着いたら是非シェアハウスへ遊びに行かせてください!

(インタビューの様子)

<編集後記>
インタビュー前にお願いしたアンケートへの回答からも、インタビューからもライリーさんのパーパスに対する熱い思いを感じ取った私たちですが、お話を聞いた後に私たちに残されたものは熱さではなく「ぬくもり」でした。このぬくもりで子ども達の根っこがゆったりと育って行く未来が楽しみです。
根っこを育てるお話はこちらのnoteにあります。ぜひご覧ください。https://note.com/nangohouse/n/n6ff8c094a544


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