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【補瀉】誤治の対応

 経絡治療のような浅い鍼でも、間違った治療や雑な治療をすると、治癒に導くどころか、動悸・目眩・悪寒・吐き気・頭痛など、治療前にはなかった症状が出ることがあります。

 多くの場合は、未熟な診察による証の取り違いであったり、鍼の技術が未熟なため補いきれず陽気を飛ばしてしまったなどの技術の問題です。
 また患者さんの持病や、治療とは関係なく出てきた症状もあります。

 不測の事態になったときは、

1,まず落ち着く
 あわててその場限りの対応をしても、たいがいいいことにはなりません。心の中ではドキドキあせっていても、表に出してはいけません。

 このときに顔色や呼吸のしかたなどに目を配り、しばらく様子をみれば落ち着きそうなものか、そうでないか、緊急性はないかを判断します。血圧や脈拍を測ってもいいでしょう。

 もし危急なときは、病院に運ぶ、救急車を呼ぶなどして、適切な処置ができる人にお任せするのも大事です。何でも自分で処置しようとすると、取り返しのつかないことになります。

 救急車をよぶのは、治療院の評判に傷がつく、恥ずかしい、などの気持ちもあり躊躇するものですが、今の患者さんの状態には何が最善かを考えれば、おのずと答えは出るでしょう。
 救急車を呼ぶ呼ばないではなく、この時の対処の仕方が後々に響くことがあります。患者さんは自分が苦しんでいるときに、はりの先生がどのようにしてくれたかを覚えていますよ。保身を考えずに、患者さんのために行動しましょう。

2,患者を楽な姿勢にさせる
 腰痛や動悸のあるときは、仰向けやうつぶせがより症状を悪化させることがあります。楽な姿勢をとってもらい、しばらく休んでもらいましょう。

 休むだけで軽減することも多いです。このときにあせってあれこれ鍼をしても逆効果なことが多いので、自信がなかったら休んでもらい様子をみましょう。

 このときも脈をみておきましょう。腰痛があるということは痛みで脈が緊張しているでしょうし、動悸があるときは脈は数になっています。
 休んでもらって、これらの脈が和らいできたということは、症状も和らいでいるということになります。

 脈が和らいでくるぐらいが、再び治療をする目安です。和らいでこないようなら、やはり他の処置(救急車を呼ぶまで行かなくとも、病院に連れて行くとか、家族に迎えに来てもらうとか)が必要でしょう。

3,再治療
 
症状や脈が落ち着いてきたら、病勢が衰えてきたということですから、立て直しのチャンスです。ただし、来院時の真っ新の状態ではなく、一度崩してしまったものを立て直すので、非常に難しいです。

 はり数、深さ、時間などは、極力少なめから入り、患者さんの様子をみながら繊細な鍼をします。

 次週は腰痛、動悸など、それぞれの対処法についてやります。 

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