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【補瀉】経絡治療はイメージ

 経絡治療とは、

すべての疾病を経絡虚実状態として把握し、それを主に鍼灸を用いて補瀉し、治療に導く伝統医術である。『日本鍼灸医学・基礎編』P8 

とあります。

 初学者は、まず「どの経絡が虚しているか?」という基本証を見つけることが主題です。病気をまず4つのパターンに分類するということですね。このときは虚実も二者選択で、補瀉の手技も基本的なもので対応します。

 しかしより治療成績を上げるために、寒熱証の分類、さらには細かい病理病症をみていくとなると、微妙なさじ加減が必要です。これには目に見えないものをイメージできる力と、そのイメージを調整できる力が必要です。

 これらは単純にプラスマイナスといった二者選択的に決めるものではなく、

「虚実の程度を知り、それにあわせた補瀉を施す」

という風に、微妙なさじ加減が必要になります。 

 つまり、有形無形の現象を、陰陽・虚実・寒熱・表裏・気血など目に見えないものを頭の中で組み立て、補瀉というこれも具体的に計量できない手技で調整することになります。どちらもイメージが大切なのです。

 見えないものをイメージできるように助けてくれるのが脈診であり、六部定位脈診・祖脈診・脈状診と武器が増えていくにしたがって、よりイメージが詳細で確固たるものになります。

 微妙なさじ加減を調整できるように、補瀉の手技を細かく設定します。 『日本鍼灸医学基礎編』(P251)では、補瀉に関する手技が10種類紹介されています。

①大小 ②迎随 ③深浅 ④呼吸 ⑤出内 ⑥開闔 ⑦提按 ⑧弾爪 ⑨捻転 ⑩揺動

 私見では、⑦以降は補瀉の手技というより、気を至らせる方法ととらえています。これらについては、別に述べるとして、この項では①から⑥を細かく解説していきます。

 鍼灸師の難しいところは、正しい診断ができ、治療計画が立てられたとしても、そのオーダーどおりに鍼がうてなければ全く意味がないということです。刺鍼の基本は押し手にあり、その修練のしかたはこれまでご紹介してきました。それらができる前提で、次に大切なのは、虚実寒熱などの変調に対して、イメージどおりに補瀉ができるように、細かい手技を選択します。




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