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【補瀉の手法】(5)出内

 「出内」とは、鍼の出し入れに関する手技です。

 様々な書籍から補瀉に関する項目を抜粋している『補瀉論集』(柳谷素霊)によると、簡単なものでは、虚にはゆっくりとした「徐」という手技を使い、実にはすばやい「疾」という手技を使います。

 しかしこれは「虚」とは身体が弱った状態であるから、損傷を少なくするためにゆっくり丁寧にあつかうという意味で、「実」とは邪の停滞であるから、できるだけすばやく取り除くという意味でしょう。

 基本的に補瀉は、それぞれ「出内」と「徐疾」の組み合わせで語られることが多いです。

①補

 「徐にして疾なれば則ち実す」という文が『霊枢』小針解(03)と『素問』針解(54)にあり、それぞれ解釈が違います。ボクは『霊枢』の「徐に内れて疾く出す」の説をとりたいと思います。

「刺入はゆっくりと、抜鍼はすばやく(するのが補法)」

ということです。

 弱っている補うべき場所にはゆっくりと気を乱さないように刺入し、気が至れば、せっかく補った気を漏らすことのないように、すばやく抜鍼します。

②瀉

 「疾にして徐なれば則ち虚す」という文が『霊枢』小針解(03)と『素問』針解(54)にあり、やはりそれぞれ解釈が違います。ボクは『霊枢』の「疾く内れて徐に出す」の説をとりたいと思います。

「刺入はすばやく、抜鍼はゆっくりと(するのが瀉法)」

ということです。

 邪実のある瀉すべき場所にはすばやく刺入し、気が至れば、気を鍼にのせて外に運ぶように、ゆっくりと抜鍼します。


 鍼の手技に関しては、様々な流派が複雑な手技を紹介していますが、すべては補瀉の領域を越えるものではありません。病態を分析し、それにあわせた基本的な手技の組み合わせが特殊な手技になるのです。病態把握が充分でなかったり、基本を押さえずに、難しい手技の形だけ真似ても病気は治りません。

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