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【ネタバレあり】『推しの子』第14話のクリエイターの視点からの感想

ごきげんよう、アニメが好きな同志諸君!
ライターの東雲あかりだゾ!

今回は2024年夏アニメの『推しの子』第14話を視聴した感想を書いたゾ!

物作りを挫折した身としてはトラウマ掘り起こされて吐きそう


通常版はここから!


クリエイターの視点からの感想・考察

クリエイティブな仕事をしている人間としては……いやこの回キッツい……。
やはりどうしても、「自分が働いている時に一緒になったら」という想像をしてしまって精神的に参ってしまうよね。

クリエイターと呼ばれる人たちにも色んな特性というかタイプみたいなのがあるんだけど、アビ子先生は「孤高の天才型」とでも言えば良いのかな?そういうタイプの人なんだと思うけど、こういう人と一緒に仕事するのは精神的にダメージが大きいんだよね。

このタイプの人は、本人の能力はめちゃくちゃ高くて、頭の中で思い描いた完璧なイメージをその手で具現化できる超人で、創作においては最強の人と言えるんだよね。
ただ、多くのクリエイターは頭で思い描いたイメージを再現することはなかなか出来ないって言うんもあるけど、そもそも天才型の頭の中にあるイメージを具現化することなんで出来ないんだよね。
というか、他人の頭の中にあるイメージを完全に理解できるってテレパシーの領域だからねwww
だから、孤高の天才型の人は、他の人に仕事を任せると「どうして私の頭の中にあるイメージを超えないどころか、それ通りに出来ないの?」っとキレるんだよね。
ここで「いや、普通の人には出来ません」といったとしても、天才自身は出来るわけだから「お前の才能がない」とか「努力が足りない」といって相手を詰めるんだよね。
つまり、天才が故に凡人へ共感することが出来ないし、それを努力不足、能力不足と考えているから、他人の不出来が許せないんだよね。
こうなると、もう人は着いてこれないし、ガッツがある人でも天才自身がその人を切り捨ててしまうんだよね。
こういうタイプの人と一緒になにかすると、相手が間違ったことを言っていても、自分の能力追いついていないが故に言い返せないし、無駄に自分を攻めることになるから精神が疲弊するんだよね。
さらに、アビ子先生の場合これに拍車をかけてしまっているのが、売れているという事実若さ故の未熟さなんだよね。
売れるということは自分の考えや才能が世間に認められていると”勘違い”するんだよね。
勘違いと言うのは、本人が売れている原因と考える要素と実際に人々が面白いと思っている要素が必ずしも一致しているとは限らないということだね。

本編でも言及があったけど、自分のこだわっている部分が読者に受け入れられているから読んでもらえていると考えていたみたいだけど、実際は全然違うところを面白いと感じていて、売れている要因が作者のこだわりなのかは分からないんだよね〜。
ところが作者自身は、そのこだわりががあるから売れていると信じて止まないし、売れていることを根拠にその正当性を主張しているんだよね。
発行部数の発言は、まさにこの考えを象徴していると言えるよね。

また、個人的に一番腹が立ったのはクオリティを人質に取ったことだね。
特にこれは完璧なものを作りたいという思いが強い若いクリエイターに多いんだよねぇ。
普通の人からしたら、「クオリティが下がってもいいの?」って意見は「クオリティの高いものを作りたいという責任感に溢れているな〜」っと思うかもしれないけど、物作りに携わったことがある身からすると、全く違う意味に聞こえるんだよね。
個人的に「私の言う通りにしないとこの作品失敗作になるぞ?だからあたしの命令を聞け」って意味だと思っているんだよね。
これは非常に最悪な発言で、アニメ制作を題材にした『SHIROBAKO』なんかでも取り上げられていた話だけど、クリエイターにとってクオリティというのは命よりも重いから、「クオリティが下がる」と言われたら黙るしか無くなってしまうんだよね。(だからこそ人質という言い回しになるわけだけど)
これの何が困るって、眼の前にある問題を解決しなきゃいけないときに、理想論や不可能であることが明らかなことでも、これを言われてしまうと、思考停止で出来ないことをしなきゃいけなくなってしまうんだよね。現状に問題がある時は、他の案や方法を考え、当初の理想とは違うけれども現状出来る最善の方法を模索しなきゃいけないのに、他のクリエイターを強制的黙らせ、思考停止するしかなくなる「破滅の呪文」を唱えられたら、それすら出来なくなってしまうんだよね。
その結果、最善策すら出来ずに余計に酷い状況に陥ってしまうんだよね。

もし、読者諸君の中で、これからクリエイティブな仕事に就きたいと思った同志は、クオリティを人質にして交渉するようなことは避け、建設的な意見交換を心がけてほしいね。


いやぁ〜クリエイターが抱える醜さみたいなものを見せられているような回で、正直物作りを挫折した身としてはトラウマ掘り起こされて吐きそうになったねw

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