自分で思考範囲を狭めていることに気づく大切さ──後輩ライターとのやりとり Vol.2
先輩編集者(26歳)と後輩ライター(21歳)のやりとり。
Vol.1では、自分で考えるクセをつける大切さを遠回りに書いてみました。
で、それを詳細に伝えるために、後輩ライターには“あるお題”を出しました。自分が一番勉強になった「ライティング上達テクニック」がのっている記事を探して、どこが勉強になったのかを書き出すというもの。
「ライティング コツ」などと調べれば、たくさんの記事を見つけられます。無料で情報を公開するなんて、本当に優しいと思います。でも、こういう状況で怖いのは、小手先のテクニックにこだわってしまって基礎が身につかないこと。ある程度の経験がある人が読めば、それは思考の整理につながるからいいんですけど、ね。
まあ、とにかく本題に入りましょう。
自分で思考範囲を狭めていることに気づく大切さについてです。
先に書いたお題をやるにあたり、後輩ライターはいくつか質問をしてくれました。
「一番勉強になった記事は大きなメディアが出している記事のことですか? それとも、個人ブログで書いている人の記事ですか?」
「どんな長さの記事でもいいんですか?」
「ポイントはいくつ書き出せばいいんでしょうか?」
質問をすることは決して悪いことではありません。むしろ、褒められるべきことでしょう。ただ、個人的に質問のしすぎは思考範囲を狭めることにつながると思うんです。
それだと、もったいない。自由に考えられる時は自由に考えた方がいい。自分勝手になった方がいい。
だから、僕はあえて詳細な指示をしないお題を出しました。
きっと後輩ライターは真面目なので、僕が頭の中で考えていることにそった内容を文章化してくれようとしたんだと思います。でも、それって必要なのでしょうか?
世の中では「ちゃんと指示に従ってくれない」という上から目線な意見が多いけど、お題を出す側にも絶対に責任があります。自分の欲しいことを明確にしないまま、「やってほしかったことと違う」とか、勝手に怒っているようじゃダメ。はっきり言って、ダサいです。
その人が「なぜできなかったのか?」を考えなきゃ。
逆にいえば、曖昧なお題を出されたら、自分なりに何かを明確にして、自分の考えを全てに反映させればいいと思うんです。だって、それを指示しない(ディレクションしない)、お題を出した人が悪いんだから。
後輩ライターから質問をされて、自分で思考範囲を狭めてしまっているなと感じたのは、これが理由です。
結論、もしも「求めていたものと違うから、やり直して」と言われたら、堂々と「いや、それを指示しないのが悪いんですよ」と言ってしまって、いいと思うんです。
これ、ライターとして仕事を受ける時に割と重要な姿勢だったりします。
あ、あと、言い返すには自分で考えるクセを身につけていることも大切なんですけどね。見方を変えれば、自分の意見を述べるということだし。
つづく
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