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【GASでIoT】PC画面のグラフ表示を「リアルタイム棒グラフ掲示板」で表してみよう(その2)~発光デバイスを選択する:IC付きフルカラーLED、NeoPixelについて~

家計簿の支出額などをグラフで掲示したい。その為に、そこそこの大きさで表示可能、かつあまり高額でないディスプレイが必要。そこでLEDを並べて表示器とする方針をたてました。

表示器は扉写真の様に、1日あたり10灯のLEDを1週間分、つまり70灯ならべたいと考えています。できればカラー対応もしたい。

普通に行えば70灯のLEDが必要で、配線も大変そうですが、以下に示す、NeoPixelという製品を使う事で解決しました。

NeoPixelの外観


棒グラフをLEDの集まりで表現する~候補となる発光デバイスの条件~


今回実現しようとする事は、ラズベリーパイを使って、支出額をそれなりの大きさのグラフとして掲示し、「見える化」したい、という事でした。

その表示器の方針として、LEDをたくさんならべる事で実現する事にしました。結論からいうと、以下の様な自作の表示器を利用する事にしました。

一日あたり10灯を1週間分ならべています。つまり、70灯のLEDを使っている訳です。

また、今後の事を考えてLEDはカラー対応しているものを採用する事にしました。

赤、青、緑が表示でき、かつ、1灯ずつ制御可能なものを採用した訳です。(色は混合することでどんな色でも表示できます)

それでは、扉の写真の様に、棒グラフをカラーLEDの集まりで表現する場合、どんなデバイスを利用すれば良いでしょうか。

選択するポイントは3点。 まず70灯ものLEDを使うので配線が手軽にできる方が良いという点。それから、あまり高額なものにはしたくないという点。最後にグラフ表示に使うので、1灯ずつ制御できるという点です。

これを条件に、デバイスを探してみました。


フルカラーLEDを色々探してみた


通常のフルカラーLED


まず、真っ先に思い浮かぶのは、以下の様な赤・緑・青が一体となった
LEDです。

値段も意外と安く、1灯あたり10円程度で販売しているサイトもありました。(これは素直にすごいと思います)

これを、シフト・レジスタ(オン・オフを制御するピンがたくさん並んだIC)を利用して制御すれば解決・・・と一瞬思いましたが、何しろ使うのは70灯、各灯で3色ありますので、実質70x3=210個のLEDを制御しなければなりません。

配線が大変そうですし、前節の写真の様にコンパクトに実装できそうもなく、これを利用する案は見送りました。

IC付きフルカラーLED


次に見つけたのは、ICと一体になったフルカラーLEDです。

このタイプは、シフト・レジスタを省略できる製品が多いので、配線の大変さが解決できます。


しかし、価格は1灯あたり70円程度します・・・。表示器の値段がとても高くなり(製品としては妥当と思いますが)、70円x70灯=約5000円かかってしまいます。

今後、類似の工作を色々やりたいと考えていましたので、もっと値段は抑えれてないと出費が辛いところです。それでこの製品の利用も見送りました。

その他、安価で大量にLEDが装着された製品もありましたが、1灯ずつ制御できないなど、なかなか適当なデバイスが見つかりませんでした。


IC付きフルカラー:NeoPixel の採用


そんな時、見つけたのは、以下にある『NeoPixel』という製品です。




フルカラーLEDで、各LEDには制御用のICが内蔵されており1灯つずの制御が可能、さらに都合よくも帯状にLEDが並んでいるので、棒グラフに利用しやすそうです。

調べてみると、店舗の電飾などのデバイスとして結構あちこちで販売されており、安価なものでは約1500円/mで販売されていました。

製品にもよりますが、1mで多いタイプでは約140灯ものLEDがありますので、数も申し分ありません。しかも切って使えるとの事でさっそく購入してみました。

(販売サイトは多数あり、「NeoPixel」で検索するとたくさん見つかります)

NeoPixelの仕様


今回選んだのは、NeoPixelの中でも帯状の製品(シート状の製品もある)で、LEDの間隔がもっとも詰まったタイプです。

届いたものをみると、末端の様子は以下の様で、ケーブルは実質で3本(電源、信号、アース)です。 これなら配線作業は最低限ですみそうです。

裏面は粘着テープになっており、電飾に使うという用途に応じた仕様になっています。この仕様も、工作をする上では便利そうです。

販売サイトの説明写真では、好きな長さに切って使えるとの事でしたが、切った端切れに配線しても光るものでしょうか? 早速ためしてみました。


以下が、途中で切断して、その端切れに導線を3本、半田付けしたところです。(この製品はベースとなる銅箔が狭く、少し大変でした)

この製品は、5Vの電源とアースをつないだだけでは光りません。中央の配線にラズベリーパイなどから信号を送る事で光ります。(信号の出し方は別途のご説明とします)

光らせてみると、発光しました!

別な色を指定してみます。今度はシアン(青と緑の混色)にしてみます。輝度も変えられるとの事で、輝度を下げてみました。

うまくできました! 色の混色ができ、輝度も自由の様です。

うまく利用できそうな目処がたったところで、この製品について知りたくなり、少し調べてみる事にしました。

NeoPixelの本体チップ、WS2812


この製品の本体チップは、以下の様な WS2812 という発光デバイスです。(タイプがいくつかあります)

このチップはシリアル制御、つまり数珠つなぎにして、一端から信号を送って個別に制御できるようになっています。

以下のカップ状のところにICと発光素子があり、カップ全体は透明な樹脂で封止されています。


WS2812 / WS2812B / WS2822S シリアルLEDチップ


このデバイスは高さが低く、面積は広く、電飾にぴったりです。

詳しい仕様を説明しているサイトがありましたので、ご紹介しておきます。


製品と、製造メーカー エイダ・フルーツ社(Adafruit)について


このデバイス「WS2812」や、これを並べた製品「NeoPixel」を生産販売しているのは、エイダ・フルーツ社(Adafruit)という会社です。


機能の割にとても安価なので、アジアの会社かと思ったのですが、アメリカのベンチャー企業でした。

企業のHPにこのデバイスの紹介がありました。なかなかユニークな会社でしたので、HPからご紹介します。

Incorporating scads of LEDs into an electronic project used to be a hairy prospect, a veritable rat’s nest of wires and code. The arrival of dedicated LED driver chips brought welcome relief, offloading grunt work from the microcontroller and allowing one to focus on the application.

大量のLEDを電子製品に組み込もうとすると、以前はケーブルの配線がもじゃもじゃの、地ネズミの巣の様になってしまいがちでした。 しかし朗報です。この専用ドライバー付きのLEDチップが登場したことで、マイクロコントローラーを使った煩雑な作業が軽減され、アプリケーションに集中できる様になりました。

試訳です


続けます。

The most popular type of NeoPixels are these flexible LED strips…they can be cut to length and fit into all manner of things. We’ve got over a dozen varieties!

最も人気のあるタイプのNeoPixelsは、ここに挙げる柔軟な帯状のLEDです。どんな長さにもでき、あらゆるものにフィットします。 種類も十数種もあります!

試訳です


ラズベリーパイでの利用方法も掲載されています。(詳細なご説明は別途)

配線例ですが、最小限の配線で済むことが分かります。


この会社はアメリカのニューヨークにあるベンチャーで、エイダ・フルーツ(Adafruite)の名前は、創業者のニックネーム、エイダ嬢(ladyada)をもじったもののようです。

なかなかポップな社長さんです。

企業紹介も掲載しておきます。MIT(マサチューセッツ工科大学)のベンチャーの様です。

About Us
Adafruit was founded in 2005 by MIT engineer, Limor "Ladyada" Fried. Her goal was to create the best place online for learning electronics and making the best designed products for makers of all ages and skill levels. In the last 10 years, Adafruit has grown to over 100+ employees in the heart of NYC with a 50,000+ sq ft. factory. ・・・
Adafruit is a 100% woman owned manufacturing company, a certified Minority and Woman-owned Business Enterprise (M/WBE), a certified Women’s Business Enterprise (WBE), and WOSB.

当社のご紹介
Adafruit社は、MITのエンジニアであるリモール= "エイダ嬢(Ladyada)" =フリードによって2005年に設立されました。 彼女の目標は、電子機器を学べる最良の場所をオンラインで作り、かつあらゆる年齢とスキルレベルの作り手のために最高のデザインの製品を生産することでした。 過去10年間で、エイダフルーツ社は、5万平方フィート以上の工場を有し、ニューヨークの中心部で100人以上の従業員を持つまでに成長しました。 ・・・ エイダフルーツ社は、100%女性が所有する製造会社で、マイノリティ/女性が所有する企業(M / WBE)、女性の企業(WBE)、および女性の所有するスモールビジネス(WOSB)の認証を受けています。

試訳です


これが生産工場の写真です。
本当にニューヨーク市(NYC)で作っている様です。すごい・・・。


Made in NYC
Adafruit manufactures many of our own products right here in our NYC factory. From designing PCBs, to loading the pick and place machines. Printing, soldering, testing, debugging, and more...the Adafruit production line allows us to come up with new ideas and get them to customers in a matter of weeks.

ニューヨーク市で生産しています
エイダフルーツ社は、ニューヨークの工場で自社製品の多くを製造しており、 プリント基板(PBC)の設計から、ピッキング&配線および実装まで手がけています。 プリント、はんだ付け、試験、デバッグなど... エイダフルーツ社の生産ラインでは、新しいアイデアを思いつき、数週間で顧客に届けることができます。

試訳です

これほど安価で高性能の製品を作れる、アメリカの底力を見た気がしました!

脇道にそれてしまいましたが、続きは別の記事でご説明します。


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