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人間の集中の限界は●●分!?大事なのは君のやる気(よりも)スイッチ(行動)



はじめに

今回は【弁護士が抱える悩みについて、臨床心理士・公認心理師が解答してみた】という新企画の第4弾です。


弁護士の仕事は、雇用ではない場合も多く、9時-17時のような決められた時間で働くことが定められていない場合も少なくありません。そして、仕事量は基本的に多く、土日や夜中に仕事の対応をしないと終わらないことも……。


これは、起業家やフリーランスで仕事を受ける人の悩みでもあります。

また、決められた時間で働く人の中にも、ついつい仕事をしすぎてしまって、定時を過ぎてしまう方がいらっしゃるのではないでしょうか?


今回の記事は、ついつい仕事をやりすぎてしまう頑張り屋さんにお届けいたします。


終わらない仕事


ウシ弁さん:(カタカタカタカタ)



ウシ弁さん:……(カタカタカタカタカタ)

うわ……時間の経過、早すぎ……!?

でも、まだ終わってない案件もあるし……なになに……「従業員が、新型コロナウイルスに感染したことが判明した場合、どのような対応が必要でしょうか?
どうなんだろう。。

こっちは……「新型コロナウィルスによる売上減・休業により内定取消を行うことができますか?」どうなんだろう……?

※上記お悩みはこちらの『新型コロナ問題人事労務Q&A』から引用いたしました。

コロナに関する人事労務の相談、増えてきたなぁ…。次は、「コロナで在宅の場合は残業代は出ないのか?」か。。私も在宅で仕事が捗らなくて、まだまだ、終わらないんだけどな。。お腹も空いたな。。


モウ21時か…パ●ラッシュ、疲れたろう。僕も疲れたんだ。なんだか、とても眠いんだ。。

フクロウ博士:ウシ弁さん、まだまだ最終回には早いですよ。


ウシ弁さん:天使…じゃなくて……フクロウ博士!!?


フクロウ博士:フォッフォッフォ! 今週はフクロウえもんと叫ぶ余裕もなかったようですね。


ウシ弁さん:気づいたらそんなことすら思いつく余裕がありませんでした。


フクロウ博士:ウシ弁さんは一生懸命ですね、そして、猪突モウ進。そこがウシ弁さんのいいところでもあるんですけどね。

ウシ弁さん:でも、今週も心理学では解決できないとかいうんですよね?モウわかってますよ、どうしようもないですもん、モウマライズですよね。


フクロウ博士:(ノーマライズのことかな……)コロナのこともあって忙しいし、この仕事量じゃ仕方がないってのは確かにそうですよね。では、今回は、どうしても頑張らなくちゃいけない時に、仕事のパフォーマンスを上げるための方法をお伝えしましょう。


ウシ弁さん:え、そんな方法あるんですか?

人間の集中力は90分が限界説


フクロウ博士:諸説ありますが、人間がもっとも集中できる時間は15分程度で、最大でも90分程度が限界であると言われます。それ以上、集中しようとしても、かえって集中力が低下してしまい、どんどんパフォーマンスは下がると言われています。


ウシ弁さん:そんな時間しか集中できないもんなんですか? でも、確かに大学の講義も90分とかですよね。


フクロウ博士:そうなんです。なので、より高い成果を発揮するためには、長時間やり続けることよりも、まずは90分集中して作業をする、そして、しっかりと休憩を挟んで、また90分集中する、というようなサイクルで仕事を組み立てることが重要です。なんならその半分の45分で一度区切ってもいいくらいです。


ウシ弁さん:そうなんですね。でもそうはいっても、忙しいとそんな上手に区切れる気がしません。どうしたらいいんですか?


意志の力を過信しないで、アイテムを使う

フクロウ博士:フォッフォッフォ! まずは、簡単なのはスマホでアラームを鳴らすということです。自分で意識しようと思っても難しい場合は、上手にアイテムを使ったりして、工夫してみましょう。「意志の力」とか「精神論」よりも、具体的に行動を変えるための小さな工夫を重ねる方が効果的な場合が多いです。


ウシ弁さん:ちょっとやってみようと思います。休憩する時って、何か試してみるといいことはありますか?


フクロウ博士集中している時は身体にも力が入りがちです。そして、同じ姿勢をずっと保っていると、身体も疲れてしまいがちです。特に、首、肩、腰あたりは力が入りやすいところなので、この辺りを意識的にストレッチするのはオススメです。
あとは、深呼吸をしたりするのも良いです。身体中の力を入れたまま、深呼吸をしようとしても、難しくありませんか?


ウシ弁さん:そんなことな……うぐ……あ、本当だ。


フクロウ博士脳や身体中に酸素が行き渡っているイメージを持ってあげるといいかもしれませんね。ゆっくり休憩ができたら、今度はウシのやる気スイッチを連打してみましょう。


アンカリング(スイッチ)をもってみよう


フクロウ博士:アンカリング、簡単に言えば、切り替えのスイッチを手に入れようということです。


ウシ弁さん:いや、でも、今switchって手に入らないみたいですよ?

フクロウ博士:フォッフォッフォ(そっちじゃねぇ)。

スイッチ、、もとい、アンカリングというのは、特定の行動や心理状態を作るためのきっかけ作りのことをいいます。パブロフの犬の実験をご存知ですか?

ウシ弁さん:私は犬のことはさっぱりです。

フクロウ博士:パブロフの犬の実験というのは、犬に餌をあげる時にいつもベルを鳴らしていたら、ベルを鳴らしただけで餌をあげなくても犬が唾液を流すようになったという実験のことです。本来、ベルの音と食欲は関係がありませんよね。この実験結果を応用させると、気持ちを持ち上げる時にはこの曲を聴くとか、リラックスしたいときにはこの香りを嗅ぐなど、呼び起こしたい気持ちを意図的に導くことができるようになります。
このように、集中したい時に決まった「スイッチ」を作ることによって、気持ちの切り替えをよりスムーズに行うことができるようになるというのが「アンカリング」なんです。
本来は、もう少し細かいやり方もあるのですが、今回はシンプルなやり方でやってみましょう。


いろんなスイッチを用意してみましょう

ウシ弁さん:でも、ウシはあまり音楽を聞かないんですよ。ドナドナとか聴いていると胸が締め付けられるようで……。


フクロウ博士:(なぜあえてのドナドナ?)何も音楽だけじゃなくてもいいんですよ。写真や、食べ物、行動でもなんでもOKです。2015年のラグビーワールドカップで五郎丸さんがやっていたルーティン(腰をかがめ、お祈りをするかのように両手を前に組むポーズ)を覚えていますか? あれに似たような感じです。
できれば、日常的にはあまりしない行動などで、気持ちを切り替えたい時にできるものがいいと思います。アミという団体の中の人の1人は、仕事の時にだけコーヒーを飲むけど、休日はほとんど飲まないらしいですよ。これも一つの切り替えスイッチなのかもしれません。


ウシ弁さん:そう言われてみると、「事務所に行く」っていうのは私にとって一つのスイッチ行動だったのかもしれません。事務所に行くと自然と仕事モウドになっていましたし、事務所を出ると、仕事が終わったなって感じがあったような気がします。今はずっと家にいるから、あんまり気持ち的にも切り替えができていなかったような気がします。


フクロウ博士:世の中にも結構そういう人が多いみたいですよ。物理的な環境は結構影響を受けます。まだまだ、在宅勤務が続く人も多いようですし、こういう切り替えを意識的に行うことは、仕事の成果を上げるためにも大切です。ちなみに、週刊弁護士メンタルヘルスAmiの弁護士の人は、PCの電源を入れることをスイッチにしているそうです。


特に、ここぞという集中力を発揮したい時には、特別なものを用意しておくと役に立つかもしれません。スポーツ選手などは自分自身の勝負曲を持っていて、競技の直前に曲を聞いて集中力を高めたりします。


フクロウ博士:とある学校でオンライン授業でも制服を着用させることが疑問視されるニュースがありましたが、家だとどうしても集中力が下がってしまう場合などもあるので、着替えをすることで自分の切り替えをするというのは、一つのスイッチになる場合もあるのではないかと思います(校則としての話は別問題とします)

オンライン授業に制服は必要? 疑問視の声、専門家も「違和感」https://news.yahoo.co.jp/articles/c730bfdc9126c64ddbd430eceab3a630b4b55aed


気持ちを切り替えたり、モチベーションを高めるためにメイクをしますっていう方も結構いらっしゃいますし、自分ががんばれそうなスイッチを探してみてください。


ウシ弁さん:はい! こまめに休憩をとるようにしつつ、休憩が明けたら魔法の言葉を唱えて、テンションを上げていこうと思います。

フクロウ博士:魔法の言葉?

ウシ弁さん「着手金が1千万、報酬金が2千万、計3千万円! それが私の弁護士費用だ!」

フクロウ博士:(リーガル・ハイに憧れて弁護士になったんでしょうか)

(書き手:公認心理師・臨床心理士)

※困りごとには個人差もあります。困りごとをとらえる視点も様々であり、本記事はあくまで視点のひとつです。
ご自身のことで思い当たることがあったりする場合は、公認心理師や臨床心理士など心理の専門家の人に相談してみてください。なお、当団体が直接ご相談をお受けすることはできませんので、ご理解いただきますようよろしくお願いします。

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