観光立国はPIGSへの道
10月4日の所信表明演説で安倍首相は
これからも、安倍内閣は経済最優先です。
と述べ、観光立国を推進していく姿勢を改めて示した。
地方への外国人観光客は、この六年で四倍を超えました。観光は、地方の新たな活力です。地方でも商業地の地価が二十八年ぶりに上昇に転じるなど、地方経済に活気が生まれています。
海外で急速にキャッシュレス決済が普及する中、日本を訪れる外国人観光客の七割が、キャッシュレスがあればもっとお金を多く使ったと回答しています。大胆なポイント還元により、キャッシュレス化を進め、インバウンド消費の拡大を通じて、全国の中小・小規模事業者の皆さんの成長へとつなげます。
政府の「観光ビジョン」では訪日外客数の目標を2020年は4000万人、2030年は6000万人に設定している。
もっとも、昨年後半から増加ペースが鈍化しているため、2020年の4000万人の達成は微妙な情勢ではある。
訪日外客数の急増により、長年赤字だった旅行収支は2015年から黒字に転じている。
観光立国とは旅行収支の黒字で稼ごうというものだが、ヨーロッパで旅行収支が黒字の国は1人当たりGDPが少ない国でもある(例外のオーストリアは対ドイツの黒字が大きい)。
ポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインはユーロ危機の際にPIGSと称された国々である。一時期、お荷物の南部諸国を健全な北部諸国から切り離してユーロを二分する案が出ていたが、旅行収支赤字国≒北部、黒字国≒南部に相当する。旅行収支の黒字とは、ドイツの製造業やイギリスの金融業のような稼げる産業が他にないことの裏返しである。
技術で稼げなければ「体を売って」稼ぐしかなく、普通はそれを「落ちぶれる」と呼ぶのだが、安倍首相によれば「成長戦略」らしい(Newspeak)。
日本の未来(⇩)
In Greece, the economy has been so bad that it has pushed more women into the sex trade, with Athens seeing a 7% increase in sex workers since 2012, even as the price for sex has dropped.
安倍政権の観光立国とは、日本を工業力に支えられたドイツのような経済強国から、PIGSのような二等国に一変させるもので、リセット後の日本では、日本人に代わって外国人が活躍することになる。
観光立国とは日本人の生活を豊かにする成長戦略ではなく、日本を日本人だけのものではなくするための破壊戦略なのである。
これからも改革のドリルの歯はどんどんギアチェンジしながら、回転のスピードを上げていきます。・・・・・・日本を、能力あふれる外国人の皆さんがもっと活躍しやすい場所にしなければなりません。
「あたかもリセットボタンを押したように、日本を一変させる。」、130日程前、私はこう申し上げました。もうお分かりでしょう。明らかに日本は生まれ変わりつつあります。・・・・・・私の改革に終わりはありません。そして、いかなる障害も、私の改革への意志を阻むことはできません。皆さん大いに期待をしていただきたいと思います。
(2014年6月2日世界経済フォーラム ジャパン・ミーティング2014)
安倍首相は所信表明演説でこのようにも述べているが、「多様性」とは「外国人」の言い換えではないだろうか。
新しい時代の日本に求められるのは、多様性であります。みんなが横並び、画一的な社会システムの在り方を、根本から見直していく必要があります。多様性を認め合い、全ての人がその個性を活かすことができる。そうした社会を創ることで、少子高齢化という大きな壁も、必ずや克服できるはずです。
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