BI財源論争:小林慶一郎×森永卓郎は小林の勝ち

この番組で、森永卓郎の「国債を70兆円発行→全額日本銀行が買い取り→国民に定額給付」を半永久的に続ける案を、小林慶一郎が「かなり同意できない」としたことから、財政破綻するか否かのミニ論争が起こった。

議論が噛み合わなかったのは、両者の破綻の定義が異なるためである。

森永の定義は債務不履行(デフォルト)なので、国債は自国通貨建て→中央銀行に買い取らせる→破綻はあり得ないことになる。

一方、小林の定義は「価格が上がって本来人々が求めていた消費財の価値を政府が保証できなくなる」こと、つまり、物価暴騰による購買力の大幅低下なので、あり得ないとは言えない。

森永案では、GDPの10%以上に相当する生産力の裏付けのないマネーを家計に供給し続けるので、遅かれ早かれ供給が需要に追い付かなくなり、インフレ圧力が高まっていく。輸入増加→貿易赤字拡大→円安→輸入インフレの経路からも、インフレがインフレを呼ぶ状態に陥る可能性が高い。

小林の説明が要領を得なかったために、ネット反緊縮派には「森永の勝ち」に見えたかもしれないが、「GDPの10%以上の日本銀行券を刷って国民一人一人に配る」に等しいジンバブエ的な政策を、狂乱物価や為替レート暴落などの副作用無しに100年以上も継続できると考える方がどうかしている。

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