「少子化じゃなく少母化」はフェイクニュース

著名(?)ジャーナリストが誤った内容の記事を拡散していた。

既にこの記事で検証済みだが、別の統計で再確認する。

元記事では15~44歳の女と同居する未成年の子供の数から「結婚した女が産む子供の数は減っていない」と結論しているが、産んだ子供の数は産み終わる年齢にならないとわからないので、時系列で比較するのであれば、産み終わりに近づいた年齢での累積出生率を比べなければならない。

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コーホート出生率の低下は高度成長期に生まれた世代で生じているので、1957年生まれと1970年生まれの39歳までの出生数を比べると、第1子は0.6%減だが第2子は14%減、第3子以上は30%減と、産んだ女に限っても少産化していたことがわかる。

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これに「結婚しても無子」も加えれば、「結婚した女が産む子供の数は減っていない」という主張は否定される。

有配偶出生率は累積出生率÷累積初婚率からも推計できるが、40歳で比較すると1963年生まれの1.9が1975年生まれでは1.7に約10%低下しており、結婚した女が産む子供の数が減っていることがわかる。

元記事の筆者は大手広告代理店の「ソロ社会・独身大国」ビジネスに合うように統計を弄っているように見える。頭がいい人は「通説は●●だが、実は違う」という情報操作に引っ掛かりやすいので注意してもらいたい。

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