「女は嘘をつかない」の顛末

杉田水脈議員の発言に激怒した人は「性暴力被害を訴える女は嘘をついていない」と信じていることになるが、それについて考えさせられる出来事が3年前にアメリカであった。

このようにツイートしていたDunhamだが、

仕事仲間のMurrayが性暴力で告発されると、即座にMurrayを擁護した。

We stand by Murray and this is all we’ll be saying about this issue.

ところが、告発したPerrineauがpeople pf colorの一員であったことと、Dunhamが裕福な白人だったことから、白人の特権に胡坐をかいてPOCを犠牲にする"white feminism"だというレイシズムの問題にもなり、謝罪に追い込まれた。

もっとも、家父長制に洗脳されていたためという言い逃れをしている。フェミニズムでは、社会問題はすべて男が作り出していることが公理になっている。

“I learned the ways in which my own heart and mind had been colonised by patriarchy”.

結局、Millerは証拠不十分で不起訴となった。

女は嘘をつくこともあることを認めないために、話がこじれてしまったわけである。

Dunham could have argued that, rather than being an exception to the rule, Miller — whom she then thought was innocent — actually proved the inanity of the rule. That rule, of course, is that women are always telling the truth.

自称被害者がリスクを負わずに相手に社会的ダメージを与えることができることは虚偽申告の強いインセンティブになる。タレブ的に言えば"skin in the game"していないので信用できない。

杉田議員を批判する人は、痴漢冤罪もあり得ないので、自称被害者に告発された男はすべて有罪にして社会的に葬ればよいと考えていることになる。

リベラルによる法の支配から空気の支配への社会革命が進んでいる。

補足①

民間団体の女性代表者の例を念頭に置いた話の中で、嘘をつくのは性別に限らないことなのに、ご指摘の発言で女性のみが嘘をつくかのような印象を与えご不快な思いをさせてしまった方にはお詫び申し上げます。

話題が性的暴力被害であり、多くは加害者が男、被害者が女なので、自称被害者の大半も女になる。この前提を踏まえれば、杉田議員が「女性のみが嘘をつく」と主張していないことは明らかだが、文脈を読めない人が増えたということなのだろう。

補足②

これ(⇩)は人種差別時代についての話だが、whiteとblackを抜けば(白人→女、黒人→男に置き換えれば)、MeTooが猛威を振るう現代の先進国の状況になる。

“If we’re thinking about this in a historical context where white women are given the power over Black men, that their word will be valued over a Black man, that makes it particularly dangerous and that’s the problem,”

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