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経済

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2020年4月の記事一覧

ドイツがコロナ不況対策でVAT減税

ドイツ財務省が、打撃が大きい外食産業の付加価値税を7月1日から1年間19%から7%に引き下げると公表した。 日本の消費税減税勢力が「ドイツに続け」と叫び始めるかもしれない。 予想通り(⇩)

『オペレーションZ』と財務省のプロパガンダ

財務省のロジックを知る上では有益な記事である。 本来は、負担していただく範囲内で行政サービスを提供するのですが、経済や社会が大きく変化すると、歳入と歳出に差が生じて、それが財政赤字になります。これは借金として、将来返済する世代に負担を負わせることになります。 国家(中央政府)は途絶えない収入源(←徴税権)を持つ永続的存在なので、借金は借り換えを続けて完済を半永久的に先送りできる。借金は親→子→孫→曽孫→玄孫→・・・へとリレーしていけばよいので、将来世代には「親の借金を子が

「牙むく株主」と日本経済

この記事について再度取り上げる。 1997年度から2018年度までの日本企業(資本金10億円以上)の給与、配当金、設備投資等の推移を見ると、給与は4%減、設備投資は2%減。一方で経常利益は3.2倍、配当金は6.2倍だ。国民に占める割合は、給与を受け取る従業員より配当を受け取る株主のほうがはるかに少ない。これこそが格差拡大の原因。日本は短期的な株主利益を優先するようになってしまった。 これ(⇧)は財務省「法人企業統計」のデータだが、ここでは内閣府「国民経済計算」を用いる。

株主利益は国民利益に優先する

日本企業の旧態依然とした経営体質を改善してくれると期待されていた「物言う株主」が日本経済の破壊者であることが鮮明化している。 外人投資家に期待していた自称(広義の)リベラリスト(⇩)。リベラルとネオリベラルが大同小異であることがよく分かる。 日本のさまさまな産業が外資系によってのっとられていくことも、過渡的には必要だとさえ思っています。不合理な雇用環境、性別役割分業、さまざまな問題を抱えた家族制度、そうしたものが解体、再組織されるためには、どうしても外国資本が入ってくる必

BIはオプションの売り

ベーシックインカム(BI)を「社会保険を廃止する代わりに全国民に定額給付する」ものとすると、BIと社会保険の損益はオプションの売りと買いに例えられる。 社会保険では、プレミアムの社会保険料を支払う代わりに、保険事故発生時には権利行使して給付(権利行使価格と原資産価格の差額の利益)を受け取れる。 一方、BIはプレミアムを受け取る代わりに、保険事故発生時の費用は全額引き受けるというもので、宝くじを逆にしたようなものともいえる。「賞金額」が支払能力を超えれば破産や死が待っている

グローバル投資家の工作活動の片棒を担ぐMMTer

中野剛志がほとんどでデマ屋になってしまったようである。 「デマ」あるいは「うそ、大げさ、まぎらわしい」内容については過去記事を参照してもらいたい。 一方で、グラフにあるとおり、財政支出とGDPはぴったりくっついて推移しています。だったら、財政支出を増やせば、GDPも増えるんじゃないかって、小学生だって思いつきますよね? これは、OECD33ヵ国の1997~2015年の財政支出の伸び率とGDP成長率をプロットしたものです。ご覧のとおり、財政支出とGDPには、強い相関関係が

日本の経済成長率は「世界最低」ではない~MMTerのデマ

中野剛志が藤井聡に似てきたようで、日本経済の実態と通貨システムの仕組みについて連続インタビューで「うそ、大げさ、まぎらわしい」内容を語っているので指摘する。 日本は1991年ごろにバブルが崩壊し、1997年の消費増税と緊縮財政を主因に、1998年に、ついに第二次大戦後、世界で初めてデフレに突入しました。 しかも、このデフレは図1が示すように、20年を超える異例の長期にわたって続いています。 ちなみに、1997年と2014年に一時的に物価が上がっていますが、これは主に消費増税