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スタートアップがPRをすべき3つの理由

スタートアップで働いている人と話をすると、「PRまで手が回らない」、「PRの効果が見えない」という声を聞きます。専任の広報を雇うまでの期間、社員の誰か(たぶんCEO)が広報を兼任してPRをしようとするわけですが、イマイチ効果が見えないものに時間をかけにくい実情もわからなくもないです。
だけど、この3つの理由を読んだら、「PR使える!」と思ってもらえるはずです。

3つの理由
1, メディアは必ずスタートアップを応援してくれる!
2, プレスリリースファーストはサービス開発にも役立つ!
3, 会社のありのままをSNSでアップデートしたらファンが生まれる!


1, メディアは必ずスタートアップを応援してくれる

普段は批判的なことを書くメディア(特に新聞)も、スタートアップにはやさしいです。例えば、テレビ東京の「ガイアの夜明け」も、スタートアップを”闘い続ける人たち”として取り上げてくれます。スタートアップをブラック企業の代表としては取り上げません。

チャレンジャーのスタートアップを最初から批判する記者を見たことがありません。僕が初めてベンチャー企業のPRをした2010年ごろもメディアはベンチャーに好意的でした。ホリエモンが話題になっていたころは、スタートアップはTシャツを着たわけのわからないワカモノの会社と見る人もいた気もしますが、ここ10年くらいで見る目は大きく変わっています。スタートアップは出資・投資の対象になり、提携・協業するパートナーになっています。
株式上場する手前くらいまでは批判的に書かれることはほぼないです。いい記事を書いてくれることが確約されているので、それを使わない手はないわけです。

何かとメディアに批判される大企業でなく、スタートアップだから享受できるそのメリットを存分に使ってほしいんです。メルカリみたいなメガベンチャーになると、記者の目も厳しくなるし、マスにリーチするために広告も必要になるけれど、ある程度の規模になるまで、記事に取り上げられることを事業を推進するドライバーにしてほしいと思います。

メルカリみたいなユニコーン企業と違って、メディアが僕らを取り上げてくれるわけがないと思っている方もいるかもしれません。
そんな方には、理由2と理由3が待っています。


2,プレスリリースファーストはサービス開発にも役立ちます

もし、あなたがテックベンチャーのCEOだったら、Amazonもやっている「プレスリリースファースト」のサービス開発をおススメします。
Amazonでは製品開発を始める前に、まず担当者がプレスリリースを書くそうです。普通は、製品ができて発売開始するとき(つまり最後の最後)にプレスリリースを書くわけですが、それをAmazonは最初の最初にやるわけです。

そのポイントは、プロダクトファーストではなく、ユーザーに響く製品にすることをなんだそうです。「なーんだ、当たり前だ」と思うかもしれませんが、製品の企画時点でそれをしっかり検討することで、ユーザーの課題を解決することを最初から意識してできるわけです。もし、ユーザーに響かない製品であれば、開発に入ることなくボツになるので、開発リソースのロスを減らすこともできます。

プレスリリースは「広報が最後に書くもの」、という考え方を転換させ、「開発者や企画担当が最初に書くもの」に変えると、広報・PRへの社員の意識が変わります。専任広報がいない会社の場合、みんなが広報の意識を持つためにも、みんながこれから開発する製品やサービスの共通のイメージを言語化して持つためにも、「最初」にプレスリリースを書きましょう。


3,会社のありのままを定期的にSNSでアップデートしたらファンが生まれます。これもPR!

SNS全盛の時代に、メディアといえばテレビや新聞やウェブメディアだけではないわけです。むしろ、スタートアップ(特にBtoCのスタートアップ)にとって、SNSと自社サイトをうまく使ってPRすることが成功の近道です。

PR=プレスリリースを書いて、メディアに送ること“だけ“ではないんです。「晴れ時々曇り」くらいの頻度で、「SNS時々プレスリリース」がよいと思います。

プレスリリースの頻度を上げても、スタートアップ1社のことをそう頻繁に記事化してくれるメディアはありません。大ネタがある時にプレスリリースを出すのが良いと思います。そうすると「PR(=リリース)の効果が見えない」ということはなくなるわけです。一方で、大ネタ待ちだと、月1本もプレスリリースの発信がなくなり、何をやっているかわからない会社になってしまいます。

そこをカバーするのがSNSと自社サイトです。今やビジネスSNSになりつつあるFacebookで週1ペースで発信するといいんじゃないかと思います。

自社サイトに会社や事業のことをCEOや社員がブログっぽく書き、SNSで発信すれば、プレスリリースを書くよりハードルが下がると思いませんか。自社サイトで書くのは、アーカイブにする目的と、自社サイトに誘導する目的があるわけですが、それさえしんどい場合は、CEOのSNSで発信だけでもまずはOKだと思います。

会社や事業や社員の状況を定期的に写真と文字にして公開するということを習慣化するのが大切なんだと思います。採用を強化したいと思ったときに、「私たちこんな会社です」をすでに言語化できてるってすごく強みになります。

メルカリがmercanというメルカリで働く人を伝えるオウンドメディアをやっているけれど、mercanからだだ漏れてくるカルチャーを知ると応援したくなるのが人情なわけです。

情報はオープンという姿勢を習慣化して、知らず知らずのうちに、ファンを増やしていくことを目指しましょう!


まとめ
PR=プレスリリースを書いて、メディアに送って記事にしてもらう“だけ”がPRじゃない。
製品やサービスの方向性を最初に見える化すること(理由2)と、会社の成長を公開することを習慣化すること(理由3)にもPRを使ってほしいです。

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