<コロナの夜に やさしいお店>

<コロナの夜に 020>
気がつきゃコロナ禍が1年以上続いている。まだまだおさまる気配はない。
2年連続でGWは寂しかった(涙)
武術家の甲野善紀先生曰く「とにかく『人間は生物学的に生きていることが最優先』という現在、全世界を覆っている考え方は、人類数千年の間、様々な思想が生み出されてきた挙句の結論としては、あまりに情けないですよね」
というツイートに深く頷くばかりだ。

さて、田中屋せんべい総本家としてはまずコロナ禍でスタッフ誰一人欠けることなくやってこられたことを喜びたい。
実力ではなくて補助金や雇用調整助成金、金利の引き下げや返済猶予があってのことではあるけど、とにかくみんな元気にやっている。

SNSの中心がミクシーだった時代に
「売上1億円で5人雇ってる会社より売上1億円で10人雇ってる会社の方が凄くない??」
って書いたことがあるんだけど、
今こそそれを強く思っている。
10人より5人で1億円売上を稼ぐ方が効率が良くていい会社とされてきた。
だけどこれからの時代は限りある資源をより多くの人たちと分配できた方がいい会社って言ってもいいんじゃないかと

そして、これは2011年の終わりに書いた文章

あの2011、年の瀬に考えたこと 
3.11 あの日を境に日本は、そしてボクやボク等は変わったのか?なんてことは考えることもできず、
しかし、実家に帰ってきてからの10年をぼんやりと振り返ったりしてなんだか感慨深くなっていたのでした。
年末に微額ながら出せた賞与の中に書いた手紙、ツイッターなんかにも書いたことなんですけど、
今の田中屋は従業員さんたちが「強いお店」じゃなくて「やさしいお店」になってきたという実感にホカホカしていて、とてもありがたい心持ちなのです。
効率が良く贅肉のない筋肉質の会社、強くて大きい会社、いわゆるマッチョで男性的な会社が一般的に言われている会社経営の目標地点だと思われます、きっと。(こういうこと勉強しないからわからない)
で、田中屋はこの10年で効率が悪くふくよかで、やさしくて小さいお店、たおやかで女性的な会社(たくましいを忘れてました)になってきたんです。正直なところ、初期の頃には効率が良くて筋肉質になりたかったですし、今でも少しは憧れますが。。。だって機械生産だったら1時間で1万枚とか平気で焼けるのに、大の大人がひとり1時間100枚弱しか焼けないんですよ。さらに袋詰め、包装もほとんど手作業で人手はそれなりに必要と来てますから、そら儲かりまへんわ~。
しかし、現段階でお互いの苦手なところをみんなでカバーしあったりとか、出来ないことを責めないで気づくまで待ってるとか、そんなやさしいお店という感じはとっても気に入っていて、こういうことがだんだん広がって、今後どんな風になるのかわかりませんがホントの「やさしいお店」になれたら素晴らしいなあと真剣に思います。
老舗に限らず会社やお店というものは継続することが最大の課題であり、目的です。少なくともボクはそれを第一に考えています。この先どんな会社、お店が生き残り継続可能なのかと考えたときに、目指すべきはマッチョじゃなくて、やさしさに包まれたものだと思います。
自分で言ってても自分の言葉かと疑いますが(昔はそんなキャラじゃなかった)これまでホントにたくさんの失敗や悔やみを経験して、2011の年の瀬に心からそう考えました。
そして今、2012の年の瀬にボクが何を考えるのかチョー楽しみにしています。

2021年、あれからさらに10年経った。コロナ禍が来た。
今でもその姿勢は継続してるつもりだ。
倒産してないってだけで自分を褒めたい。

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