見出し画像

憧れ

私は、田んぼと山しかないド田舎にある工場で、事務員として働きながら
グラフィックデザインとwebデザインについて学べる学校に通っていた。
(2020年11月1日無事卒業できました!)

そこでは3ヶ月課題、中間課題、卒業課題と
3つの大きな課題があり、これらをこなすことが卒業の必須条件となっている。

大きいというのは
「お題があり、それに対して企画を考え、作品を作り、
大勢の人がいる前で発表をする」という意味だ。

11月1日は卒業制作の発表会があった。
課題は自由。アプリを作ってもいいし、WEBサイトを作ってもいい。

私は兵庫県宝塚市にある手塚治虫記念館で行う企画展
「クレヨンしんちゃん展」の企画案を製作した。
また、実際に企画展を行いたいと考えたため、
手塚プロダクションにアポイントをとり、自主プレをすることに決めた。

なぜ、私がこの企画を企てることにしたのか。

これはとある書籍との出会いから始まる。


『心をつかむ超言葉術』だ。

画像2

①自分は本気か
②相手は喜ぶか
③本当にできるか


この言葉と一緒に挙げられていた「甘太郎」の自主プレの事例。
鮮やかだった。想いが届き、繋がる感動。高揚感。


「あ、私もこれがしたい」


専門学校に入学した時から卒業制作の案をずっと探していた。
自由は不自由だ。
何をしてもいいと言われると欲や保身、見栄などから
「すごいことをしてやる」と自分の中から湧き出てくる
素直な気持ちを抹消していく。
そんな時に阿部さんの書籍と、言葉と、出会った。


何度も何度も自分の中に問いかける。
自分が本気でできることって?
相手が喜ぶこと?実現できること・・・。


自分の中の奥深くに探りを入れていく。

画像1



深く深く潜る。苦しい。苦しい・・・。



するととある想いとぶち当たる。



私は大学生時代に宝塚市の観光大使をしており、記念館で行われる企画展を
たくさん内覧させてもらっていた。その時に強く思っていたことがある。
「クレヨンしんちゃん展をここで観たい」と。

私は物心がつく前からクレヨンしんちゃんが大好きだ。
カラオケでしんちゃんを歌ったら「え、本物?」と言われるほどだ。
クレヨンなつきと言われていたこともあるくらい・・・
(スナックでしんちゃんの歌を大熱唱し、その場が騒然とした話はまたいつか。笑)

学校を卒業したらきっとどこかのデザイン会社に勤めることになるだろう。
そしたら自分の好きなことはきっと当分できなくなる。
ましてやクレヨンしんちゃんと関わることも、手塚プロダクションへプレゼンが
できる確率も0に近くなるだろう。
今、企画書を作って、話を聞いてもらえたら・・・
もしかしたら・・・あの時に想い描いた夢が叶えられるかもしれない。


・・・



結果は実現できるまでには至らなかった。
「よくまとまった発表だったよ」


本気でしたいという強い想いはプロダクションの方へ届けることができなかった。


プレゼンテーションは手塚プロダクションの社員さん2名に聞いて頂いた。
そのうちの1人は第2のお父さんと言えるぐらいの仲で、クリエイターとしても
人としても尊敬をしている人だ。
その方から言われた言葉は「お前、何遠慮してんの?」だ。


「お前の想いを伝える部分、えらい少なかったな。
そこもっと伝えろよって俺は思ったな」


悔しかった。
遠慮してると言われたこと。
想いを伝えきれなかったこと。


阿部さんと同じ景色を見てみたかった。
(めっちゃおこがましいことを言ってるな、自分。苦笑)


でもね、大切なことに気づかせてくれたんです。


愛をカタチにする

61中川奈津希


これは阿部さんが主催されている「言葉の企画」
第6回目の課題「あなたはどんな企画をする人になりますか?」で
私が出した答えだ。


大好きなものを広めたいと企画を企てる過程は
ずっとずっと幸せだった。
もちろんしんどかったし、何度も歩みを止めてしまいそうになった。
寝る暇もなかったし、会社を遅刻してしまったこともあった(内緒ね)。


でもね幸せだったんです。やんなきゃ良かったなんて思えなかった。


愛って幸せな気持ちだけじゃなくって、苦しい気持ちも感じるものだと思うから。


だから、あれは愛をカタチにできた瞬間だったんだと思う。


阿部さんに言われた言葉
「あなたが今、ここに通っている、参加しているのも、
思うにすごいことだと思うんだよね」


偶然だったのか、必然だったのか。

でもこれだけは言える。
阿部さんの言葉で私の行動が変わった。
『言葉術』と出会わなければこんなに悔しい気持ちも
幸せな気持ちも感じることはできなかった。
これは現実だ。



さぁ。


明日は言葉の企画最後の講義の日だ。


また明日。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?