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1円の値上げで得られた効果

サイゼリヤが、ミラノ風ドリアの価格299円を300円に、パルマ風スパゲッティを399円に。

会計の際、小銭の受け渡しの機会を減らし、スタッフと客との接触機会も最小限に抑えることを期待した戦略のようです。

サイゼリヤは、現金にこだわり、キャッシュレス化の流れにも逆らっている印象でしたが、コロナの影響を受けて、キャッシュレス化も検討されているようです。

話をもとに戻すと、サイゼリヤは7月1日より、全メニューを値上げすると決めたようです。

141品すべてのメニューの価格を、税込み「00」「50」のいずれかに統一するために。

小売や飲食の値付けのセオリーとして、売りたい価格の「-1円」、もしくは「-2円」にすると、消費者は思考停止状態に陥りやすくなることと、お得感を何となく得られる効果があり、キリの良い数字を提示しないことが定石とされていました。

つまり、1個200円で商品を販売したとして、5個買うと1,000円かぁ~、となります。1個198円の商品を5個買うと990円ですよね。

198円で販売したほうが、200円で販売した時よりも、わずか10円差ですが、10円以上のお得感を提供できますよね。

購入に対して、心理的ハードルを下げることが出来、購入の後押しになります。

しかし、これを逆手に取って、キリの良い数字にしたことによって、サイゼリヤではこんな効果があったそうです↓

・ 払いやすい金額になったことで、会計にかかる総時間が30%減少した
・ レジに来る前にグループでまとめてくれることが多くなった
・ 価格改定で個別会計は25%減少した

さらに、Twitterで「1,000円ガチャ」(サイゼリヤのメニューから1,000円ちょうどになる組み合わせをランダムで表示するWebページ)が話題になりました。
あれを見て、1,000円ちょうどになるように注文する客が増えたのかもしれないですね。
1,000円ガチャとは、ホントに良く考えられたアイデアですよね。

モノ消費からコト消費へと、消費者の意識も変革しているなか、新たな体験を提供するための企業の変革。

こういった奇策が、イノベーションを作り出すんでしょうね。

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