採用広報とは?重要性やメリット、手法、事例までを徹底解説
労働人口の減少や売り手市場の影響によって、企業の採用活動は激化しています。従来の受身的な待ちの姿勢では、自社が求める人材の獲得が難しくなってきました。
そこであらためて注目されているのが「採用広報」です。
とはいえ、「採用広報ってなに?」「どうやって採用広報を進めればいいの?」など、疑問に思っている方もいらっしゃるでしょう。
本記事では、採用広報の定義、企業が取り組む重要性、メリット、手法、企業事例までご紹介します。
採用広報とは?
採用広報とは、自社が求める人材を獲得するための採用活動全般のことをいいます。採用につなげることを目的とする情報発信であれば、基本的に採用広報に含まれます。
募集要項のみならず、具体的な仕事内容、一日のスケジュール、社員インタビュー、ビジョンなどを配信し、企業の魅力を伝えます。企業の魅力を発信することで、自社の理解を促し、自社により適した人材を確保するための役割を担っています。
なぜ採用広報が重要なのか?
近年、採用広報の重要性が高まっているのは、採用難な状況が背景にあります。
リクルートワークス研究所の「ワークス大卒求人倍率調査」によると、19年卒が1.88倍、20年卒が1.83倍、21年卒(2月調査)が1.72倍、21年卒(6月調査)が1.53倍という結果になっています。
コロナ禍の影響もあり、求人倍率の減少傾向が見られるものの、バブル崩壊後やリーマンショック時のような低水準にはならなかったことがわかっています。
少子化の影響もあり採用難が続く中で、貴重な人材を獲得するには、採用広報が欠かせません。
ターゲット層に興味を持ってもらうには、待ちの姿勢ではなく、積極的な情報発信が求められます。
採用広報をおこなうことのメリット
採用広報をおこなうことで、具体的にどのようなメリットが得られるのでしょうか。
自社を広く正しく知ってもらえる
まずメリットとして上がるのが、自社の認知度が向上することです。
オウンドメディアやブログ、SNSなどさまざまな媒体を活用することで、認知度を高めることができます。企業広報とは異なり、ターゲットを絞った情報発信のおかげで、自社に興味を持ってもらいやすくなります。
さらに自社の偽りのない等身大の姿を見せることによって、自社のファンの獲得・育成につながります。
結果的に効率的な採用活動ができ、自社に最適な人材や優秀な人材を獲得できるでしょう。
ミスマッチを防ぎ、入社後の定着と活躍が期待できる
採用広報によって企業の姿を正しく理解してもらえれば、採用のミスマッチを防げます。
せっかく採用に時間と労力をかけたにもかかわらず、自社に対する認識の相違から、離職や退職につながってしまうこともあります。
これではせっかくの採用コストも水の泡となってしまいます。
そうならないために、企業側は採用のターゲット像を明確にし、企業の現状に即した情報提供が求められます。
採用広報の手法・メディア
企業が採用広報をおこなう場合、どのような方法があるのでしょうか。
手法はさまざまありますが、ここではすぐに活用できる代表的なメディアをご紹介します。
オウンドメディア・自社ブログ
オウンドメディアや自社ブログは、情報の蓄積場として活用しやすいことが特徴です。タイムラインで流れていくSNSとは異なり、伝えたいことを自由に制限なく残すことができます。コンテンツや切り込み方によって、企業の特色を出しやすいメリットがあります。
ただしオウンドメディアや自社ブログの場合、継続して運営していくことが求められるため、ある程度の知識やノウハウが求められます。
SNS
TwitterやInstagramなどのSNSは、多くの人に届けたいときに有効です。継続的な発信によって、フォロワー数は増えていき、リーチ力も高まっていきます。
そのため転職顕在層のみならず、転職潜在層にも届けることが可能です。
SNSはすぐに始められる反面、オウンドメディアや自社ブログと同様に、継続的な発信が難しい傾向にあります。ネタ切れを防ぐために、継続して発信できるコンテンツ作りが重要です。
ビジネスSNS
SNSの中でもWantedlyやLinkedInなどのビジネスSNSを活用する方法もあります。ビジネスや転職に興味のあるユーザーが多いため、うまく情報発信ができれば、採用応募数の増加が期待できます。
ただその反面、競合が多いのも事実です。競合他社に負けないためには、配信コンテンツの質の高さが求められます。
採用広報の事例
ここからは採用広報をおこなっている企業の事例をご紹介します。
株式会社メルカリ
フリマアプリの「メルカリ」を運営する株式会社メルカリは、毎月数十人を採用しながらチーム力やカルチャーを維持したまま成長を続けています。
そのメルカリにおいて、重要な役割を果たすのがオウンドメディアの「メルカン」です。創刊からわずか2年半で1,000本以上の記事を公開しています。
メルカリは物理的な資産を持たないため、「人」が資産であることから、「人」を基軸にした発信をおこなっています。こうした情報発信のおかげで、最初からメルカリを知っている人が応募してくれるようになったそうです。
参照:https://www.fastgrow.jp/articles/mercari-ishiguro-saimaru
株式会社Gunosy
ニュースアプリを運営する株式会社Gunosyでは、オウンドメディア「Gunosiru」とWantedlyを活用して広報活動に取り組んでいます。
等身大のGunosyを伝える場所として、Gunosiruを立ち上げ、今では年間スケジュールを組んで継続的な情報発信をおこなっています。
自社サイトやWantedlyからもGunosiruへの導線を設けたことで、入社前後のギャップや採用ミスマッチを軽減でき、かつ入社者のほぼ100%がGunosiruを読んでいるそうです。
参照:https://co-nectar.jp/interview-gunosy/
採用広報をおこなうなら、ターゲット像を明確に
採用広報とは、採用を目的とした広報活動のことです。
採用難な状況だからこそ、採用ターゲット像を明確にし、ターゲットに応じた媒体から嘘偽りのない等身大の企業情報を届けることが重要です。
また、他企業の事例を参考にしながら、自社に適した採用広報をおこなうことで、成果につながりやすくなります。
採用広報を通じて、自社にマッチした人材の獲得を目指しましょう。
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