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女性のためのヨガの教科書13

マット横


太陽礼拝に対しての月礼拝がそうです。

マットを右から左、左から右へと移動します。

このシークエンスは主に女性向きとされていて、
現代になってから(相当最近)考案されたものです。

主に体側や股関節など、緩めていく動きが多く、
身体の強張りや左右のアンバランスさなどを調整していきます。

呼吸は吐いて伸びるようなリズムで行うので、
それほど腹部を圧迫しません。
胃にものが入っているとき、
生理中、妊娠中などでも出来ますし、
夜の時間帯にも向いています。

オンラインでヨガを受講されるときもマットは画面に対して横向きです。
方向転換などの時に工夫しないといけないですが、
マット縦より全体的なゆったり感があります。

足を広げて立つとき、
つま先が並行の場合もありますが、
トリコーナアサナ(UttihitaTrikonasana)、パールシュヴァコーナアサナ(Utthita Parsvakonasana)など、ヨガクラスで必ず出てくるようなベーシックなポーズは、一本のラインを踏むようにして立ちます。

後ろの足に角度を持たせた方が安定しますが、
必ず踵より爪先を前に向けて、
母指球と踵の外側でしっかり床を押せるようにしましょう。

立ちポーズは全て後ろの足に如何に力を掛けられるかが安定の決め手になります。
例え後ろの足を空中に上げるようなアサナ(ヴィーラバドラ3Virabhadrasana3やアルダチャンドラアサナArdhachandrasanaなど)でも同じです。
後ろに伸ばした脚に意識が向いていないと、
身体の上部とのバランスが取れません。
バランスは全体で取るものですから、
お尻や肩に力を入れたり、反ったり丸まったり傾いたりして、
ただ倒れないようにすることをやってしまうと、
余計に全体を意識出来なくなります。

自分にとってベストな足幅や角度などを感覚として掴んでいければ、
そして身体に背づけていければ、自然と安定感も増しますね。



人間の感覚は、
自分の前と後ろにスペースがあることは、
どちらかというと不安感の方を強めに感じるそうです。
逆に左右に広がるスペースに対しては、
安心感やゆとりを感じるのだそうです。

立ちポーズの開脚前屈、
マットを縦に使う前後開脚のパールシュヴォッターナアサ(Parshvottanasana)、
マットを横に使う左右開脚のプラサーリタパードッターナアサナ(Purasarita Padottanasana)、
心理的に前者の方が圧迫感や緊張感を感じると思いますよ。
体重は変わらないですが、
マットよく向きで行う後者の方が、
広がりや伸び感と共に、身体が軽くより安定して感じられると思います。

座位での開脚前屈は、
それを目指す方も少なくないですし、
そのようなことを目的とした書籍なども出回っています。
ただ人間は骨盤の作りが人それぞれ違うため、
万人が180度開脚に向いているわけではありません。
それぞれの股関節の可動域が最大限広げられるよう、
足先を広げ、脚全体の筋肉を満遍なく使い、
大腿骨を安定させ、骨盤を前傾させることにフォーカスできれば、
少しずつでも進歩していけるものです。

立ちポーズは骨盤の向きでマットの向きは決まってしまいますが、
座りポーズは、足がマットはみ出しても良いから、
マット横向きで行ってみると、
いつもよりゆったりとした感覚で、
伸び伸びと出来るかもしれません。

それぞれのアサナの説明は、
文章で伝わるものでもないと思っていますし、
アメリカのヨガジャーナルなどは、
一つのポーズに文章だけで3ページ割いて説明しているというような丁寧さですが、読めば読むほどわからなくなるのも事実。
体は動かして、実際の感覚で感じながら覚えて身につけていくものです。
だから、実際のヨガクラス、
特にしっかりとした目的がある場合は、
経験値の高い、本人も日々練習を欠かさないヨギであるインストラクターまたは先生に、一対一のプライベートレッスンで細かく観て教えてもらうのが一番早い上達方法だと思います。

そして何事もそうですが、
教わったことを何度も自分で繰り返しやってみる。

「違いを感じること」
その小さなところに爪でも指先でもいいからしっかりと指を立て、
扉を開けるものにしか見えてこない世界がある。
ドアノブを回せば簡単に開いてしまうドアの中に秘密はないものです。

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PranicYoga 新宮由希子
ヨガインストラクター歴は18年。既に成人した息子をシングルマザーとして育ててきた経験から、ヨガを軸に、女性の生き方、医療でカバーできない健康のこと、などを発信していきます。