見出し画像

チェンソーマン[第58話]黒瀬ユウタロウ 感想行為

 こんにちは、プラナリアと申します。私はチェンソーマンの事があまりにも好きすぎて、逆に感想を言及する機会が少ないという状況に陥っています。これは良くない、思い入れが深すぎるコンテンツへの感情が拗れる癖はどうにかした方がいいだろう。

 そんな気持ちもあり、加えて最近の連載分の盛り上がりっぷりに刺激されたり(チェンソーマンが盛り上がってない時期などないって?その通りだ)もありで、今週からなるべく毎週、最新話の感想記事を執筆する事としました。続くといいな。

 当然ながらネタバレが存在します。閲覧の際には十分気を付けて下さい。


*****


死に損ないの顛末

 前回、パワーのアホによるバカ死でいよいよフロアも温まってきた感のある諸国刺客編。天命に護られていると信じてきた彼らを嘲笑うかのような、信じがたい理不尽が襲い掛かった。そしてヘタレがただ一人生き延びて、一体どうなっちゃうの~~!?というのが今回のメーンディッシュでしたね。

 正直ここで三男はフェードアウトするんじゃないかな~程度に思っていたのでまだ活躍しそうなのは嬉しいですし、何より予想外だったのが黒瀬の掘り下げがここでやって来た事。この黒瀬との旧友とのやりとりも演出含めて良いですよね……変装能力者として斜め上にも程がある決着の直後に変装モノとしてド直球なドラマをぶつけてくるニクさ。

 死に損ないの三男は不幸にも、兄弟と黒瀬と二者の死を一手に受けてしまった。チェンソーマンじゃ人が死ぬ、それも大概の人間はゴミのように死ぬ。黒瀬ら京都組も兄貴達も、何か未来に意義ある事など特に残せずに犬死にしてしまった。だがそんなゴミのような死という結果は、どうしようもない事実として残された人物に影を落とす。

 暗殺の為のいけにえでしかなかった黒瀬が友野との会話を通して、”黒瀬ユウタロウ”という一人の死者として三男に重くのしかかる……殺し屋に向かない性格の彼にとって耐えがたいこの重責から逃れるには、兄弟の重責で上書きするしかなかった。(ここで黒瀬と、黒瀬に化けた三男を兄弟を亡くした者同士として重ねるのも本当好き)

画像1

 《画像1. 作戦の為の「情報」だったものの1例》

 「俺達は不死身だ」今となってはなんて虚しい台詞だろうか。そして、そんな虚勢に縋る事でしか彼は再び立ち上がれない。こんな悲哀が前回の流れからやってくるか?しかし、兄弟の登場から今回までの物語を振り返ると、ちゃんと一本の筋が通っている。パワーが事故ってアホ死が発生した事さえ完全に計算ずくで、必然的な展開だったとさえ思える。俺は不死身とのたまう奴らにありふれたつまらん死がもたらされる事こそ重要だったのだ。なんちゅうストーリテリングだ。

 危うい覚悟をキメた三男の今後はどうなるのだろう。存在がバレて警戒度が数段上がった今では同じ手は厳しかろうし、新しい悪魔と追加契約するのか?他の刺客らを利用するか?うーん、ハッキリ申して彼が生還するビジョンがまるで見えませんね。キャラクターとして”最期の一輝きを見せる為だけに生きている”フェーズに入ってしまった感……でも今回で彼の事が大好きになってしまったので、頑張ってほしいですね。

ハロウィンとクリスマスがいっぺんに来る!

 58話で起こった出来事はそれだけじゃないぞ!遂にデンジを狙う刺客共が全員現着だ!紹介されていた連中をマシな方とヤバい方に分けるとするならば、明らかにヤバい方のがいっぺんに来た形になる。東京は一体どうなっちゃうの~~!?という話でもあった。

 香港のクァンシ様チームは選手入場パートの時点でキャクラター的、少年誌のコンプライアンス的の両面で我々読者のド肝を抜いた訳ですが、今回はというと、なんかほのぼの日常漫画空間を形成していました。

 部下の魔人連中に関してはどう見ても大丈夫な部分が見当たらないので、主人も知らないような知識を披露するドーナツちゃんには驚き。他の魔人も短いページ数で期待通りのムーブをやってれて満足でした。

 ただクァンシ様、ダウナークールで包容力もあり、かつステゴロ最強格というイケメン極まりないこれまでの印象に対して、なんかカワイイな面が押し出されてきたぞ……?白身魚真実で本気でガッカリするし、疲れちゃったので仕事は明日からにする。彼女、突然ギャップ萌えというカードを切り始めてきおった、どういう事。

 というか開幕見開きでカッコよくご登場なさっていますけれども、その直前で普通に事故っていますよね……?実は運転していたのは部下だったとしても、それはそれで問題だろう、魔人に運転させたらろくな事にならないから気をつけろ。もしかしてこの一行、主人含めて大丈夫じゃない感じなのではないか。

 そして問題のサンタクロース……うわあ急にホラームービーの序章をするな!この漫画1話内で2回もジャンルが変わっている。凄い密度だ。

 肩ポンでインスタント手駒が完成してしまう恐ろしさ、とりあえず肉壁ができたので轢殺からは身を守れるね良かった。格の高さもそうだが、何にしてもサンタクロース翁のビジュアルは最高ですね。だってどう見たって強そうじゃないですもん。コイツに来られたら流石にヤバい、と前置きされて出てきたのがこの、どこにでもいそうなちょっと厳つめのじいちゃん。つくづく私の性癖の合致しすぎる漫画だと思う。

 こんな最強な連中を果たしてどう倒すのか!?……となった時「事故死」「特に交戦せず帰る」などが真面目に選択肢へと入ってしまうの、マジでどうなっているんだろうか。パワーちゃんは罪深い、反省してほしい。

 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?