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コマノセテクノがデキるまで

0.はじめに

「ゲームを何から作るのか」
ボードゲーム製作者への定番の質問です。システム、テーマ、プレイイメージ、コンポーネントなど人によってばらばらで、聞くとその人となりや、頭の中がのぞけた気になります。他の製作者のお話を聞いて、そうやって作るのだと参考にするのですが、大体はあまりにもすごすぎて自分にはできないと途方に暮れたくなるものです。
ですが、ゲームマーケット2021春に私が作った新作「コマノセテクノ」は、誰にでも起こりうることが組み合わさってゲームができました。今まで私がやってきた方法とも少し異なり私にとって新鮮でしたし、一般化できる要素がありそうなのでここにまとめておきます。

コマノセテクノは動画のように丸いボードを回してチップをのせて点数を競うゲームです。


この文章の読者としてターゲットにしているのは
・ まだボードゲームを作ったことがないが、ゲームを作りたい人
・  ゲーム製作者
・ ゲームマーケットが好きな人
です。

また、ここでいうゲームはボードゲームのこととさせてください。

・自己紹介

まずは自己紹介をさせていただきます。私はナトリウムランプゲームスという屋号でPRA(あるいはYosuke Prae)と名乗り今まで、ゲームマーケットに向けて4つのゲームを作ってきました。先ほどの定番質問でいうとどれも「コンポーネント」、つまりはゲームに使いたい「モノ」を決めて、そこを軸にゲームへと導く方法でゲームを作ってきました。
今まで作ったのはスパイスをかぎ分けるポーカー「マサラマジック」、腕輪の円環の中で宝石を並び替えるパズルゲーム「ロンデルラミィ」、マトリョーシカ状態のマカロンで陣取りをする「マカリョーシカ」、持ち歩ける牛革の巻物のゲームマットに煌めくジェムを置くドラフトゲーム「トライブリリア」。どれも「モノ」を中心に作ったゲームです。
それと「コマノセテクノ」がどう違うのかを下の流れでお話しさせていただきます。

1.「モノ」からゲームを作る方法
2.「モノ」でゲームを作るメリット
3.なぜ「モノ」からゲームを作るのか
4.「コマノセテクノ」の作り方

ではしばらくお付き合いいただけると幸いです

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1.「モノ」からゲームを作る方法

・「モノ」をゲームの中心にする2つのアプローチ

私は作るゲームの中に使うコンポーネントの「モノ」を決めて、そこからゲームを作ってきました。
その方法は2つパターンに分けられて、1つ目は「モノ」から作るパターンで、2つ目は「モノ」を探すパターンです。

(1)「モノ」から作る

1つ目の「モノ」から作るというのは大雑把に言うとその「モノ」でできることを洗い出して、できることを組み合わせてゲームにするやり方です。
例えば、「マカリョーシカ」では小中大3種類の大きさのマカロンがあり、小マカロンを中マカロンに入れることができ、中マカロンを大マカロンに入れることができました。この入れ子構造を使ってゲームができないかと考え、小マカロンが中マカロン、大マカロンに成長し、成長するときに元の大きさのマカロンを2個食べるというルールになりました。


これはクイズを作るときに、先に答えを決めてから問題を作るようなものです。「フライパン」という答えを先に決めてから、含まれる単語や特徴を考えて「パンはパンでも食べられないパンは?」という問題を考えるようなやりかたです。そのクイズがいいものになるかはいろいろ試してみるしかありませんが、答えが先に与えられている分、何を考えればいいか明確なので私としてはこのアプローチと相性が良いです。
答えにしたい「モノ」をいろいろ触ってあそんでいるうちにゲームがときどき降りてきてくれるのですが、欠点は面白いと思えるゲームが降りてくるまで出るともわからないガチャを引き続けなければいけない点です。

(2) 「モノ」を探す

2つ目は「モノ」を探すやり方で、大雑把に言うと、解決したい課題を設定して、その課題を解決できる「モノ」を探して、その「モノ」が解決できる課題を組み合わせてゲームにするやり方です。
例えば、「マサラマジック」では課題をスパイスの香りのゲームを作ると設定し、それを細分化した課題であるスパイスの線香を使うことを再設定して、そこからインセンスバーナーの木箱という「モノ」を探しあてました。そこからは「モノ」から作るやり方と同じで、木箱ができることを教えてくれたので、それをつなぎ合わせてゲームを作りました。


これはクイズを作るときに問題文を作ってから答えを探すようなやりかたです。単語も文章構造もいろいろ組み合わせて探して、「パンはパンでも食べられないパンは?」という、答えのありそうな文章が見つかったときにまず「フライパン」という答えを導きだし、そこから再度問題文をブラッシュアップするようなやりかたです。
このやり方では解決したい課題から「モノ」を探すので「モノ」が見つかった時点でほぼゲームができていてとても効率がいいです。欠点は自由度が高く、膨大すぎる課題の組み合わせをどう探したらいいのかわからず途方に暮れることです。

そのようにゲームに具体性を持たせながら作ることができるので「モノ」からゲームを作るのは効率がよく、まずゲームを作りたいと思っている人にはお勧めの方法です。

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2.「モノ」でゲームを作るメリット

・「モノ」中心のゲームのいいところ

「モノ」中心のゲームには、ゲームをあそばれる方にとっても製作者にとっても下記のようないいところがあります。

プレイヤーにとっていいところ
(1)さわる楽しみがある
(2)ごっこあそびができる
(3)あそびやすい
製作者にとっていいところ
(1)適度な不自由さ
(2)小ロットで作れる

・プレイヤーにとっていいところ

(1)さわる楽しみがある

ゲームをあそんでいる間の待ち時間は手持無沙汰なものです。そんな時に触り心地や、持っていて気持ちの良いものだとそれだけで癒されます。麻雀は牌を触っていることそのものが楽しいからこそ昔から徹夜してあそばれたものですし、将棋や囲碁においても駒を置くときの音でプレイしている感が高まります。私のゲームでは特にマカリョーシカのプレイ時にはみんな楽しそうにマカロンをパカパカ開けたり、積んだりしてあそんでいるのをよく見かけます。
コンポーネントはゲーム中にさわっていて楽しいものであるべき、ということを意識したのはとある他の製作者のテストプレイのときでした。木のコインをおはじきのように使うゲームの最中にゲームの方向性について製作者とテストプレイヤーが議論をしていました。その間にとあるテストプレイヤーは楽しそうに木のコインを回したり転がしたりしてあそんでいました。ゲームとも議論とも関係なくずーっとです。その時ゲームのコンポーネントはただ機能的なだけでなく、あそびである以上はゲームをしていないときもそれだけで楽しくないといけないと理解しました。カードやボードやチップもいいですが、別のモノを使うことでより一層味ついてて美味しいゲームになるような気がします。

(2)ごっこあそびができる

プロであったり、実利を伴ったりすることもありますが、ほとんどのゲームはあそびです。ごっこあそびはあそびの大きな要素であり、ゲームにおいてもよく島を開拓したり、宇宙を平定したり、旅をしたりプレイヤーは様々なごっこあそびをしています。ごっこ遊びにはキャラを演じる場合と、役割だけ踏まえる場合に分かれますが、設定のあるゲームであればほとんどが役割のごっこあそびであるといえます。
カードやテキストによるゲームも多いですが、そこにモノが加わると一気にごっこあそびの没入感が変わります。例えば子どもが公園に落ちている木の棒を拾って振り回していたとすると、いつしか木の棒は勇者の剣になるでしょうし、それによって子どもは勇者になるでしょう。モノはただその世界を示すだけでなく、プレイヤーに変化をもたらすものです。
私のゲーム「ロンデルラミィ」はごっこあそびをやりたいからできたゲームです。妻へのプレゼントに大きなビーズを並べ替えられるブレスレットを作りに行った時のことでした。妻はお店にあるビーズをブレスレットのもとになるチェーンに入れたり出したり並べ替えたり試行錯誤しながら自分のブレスレットを作っていきました。それを横で見ているだけでも楽しく、ぜひ私もやってみたいと思いました。私にはブレスレットをつける習慣がないので、なにか代替行為をできないかと考え、宝石で腕輪を作るパズルゲーム「ロンデルラミィ」を作りました。宝石を触る習慣がない私であっても、ゲームをしている間はビーズの並べ替えをする理由ができます。コンポーネントにはブレスレット用の本物のビーズを使っているので、ただ並べ替えるだけでもキラキラと楽しくなってきます。パズルもビーズも楽しいゲームになる予定でしたが、思いのほか頭を使うパズルになってしまい、疲れた頭をなんとかビーズで癒してやわらげるというバランスになったのは誤算でした。

(3)あそびやすい

ゲームを初めて遊んでもらうときの説明は少ないほうが良いです。「モノ」はそれでできることが限られるため、このモノを使ってゲームをすると説明した段階である程度ゲームの概要が見えるので、あそびやすさを高めてくれます。
また、同じゲームをあそびたいという人を集めるのは結構難しいことです。ゲームに関心があり、みんなが同じゲームを知っている場合であれば問題はありません。しかし、そのゲームを知らない人と一緒にあそぶ場合にはまずゲームに関心を持ってもらわないといけません。フレーバーやシステムで関心を引くことも可能ですが、誘う側、誘われる側どちらかにある程度のゲームについての知識が必要です。その点コンポーネントに特徴のあるゲームの場合非常に即物的な誘い方ができます。「音を立てずに磁石で鈴を取る」「カップをカードと同じかたちに並べる」「マカロンを成長させる」など想像しやすい言葉でゲームの概要を伝えることができます。想像しやすいものだと親近感も覚え、一層あそびたいと思っていただきやすいものです。

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・製作者にとっていいところ

(1) 適度な不自由さ

カードやボードは印刷物なので何でもできます。文字や記号で情報を伝え、イラストも印刷できます。しかしながら、それがゆえに、文字や記号を読み解かないと何ができるのかわかりません。しかし、モノを使う場合、モノの形状で使用方法は大体想像がつきます。球であれば転がるし、穴が開いていれば何かを差す、立体物で底面が平らであれば置く。そのようにモノの形状は何かをできるものというだけでなく、それに伴い何かをしたくなるモノとして私たちにアピールしてきます。それはモノの機能が限られるためです。
たとえば紙と鉛筆を渡されて人の顔を描いてくださいと言われても絵心がないと難しいですが、文字だけで描いてくださいと言われれば、へのへのもへじを描くことができます。粘土を渡されて飛行機を作ってくださいと言われても難しいですが、レゴブロックで作ってくださいと言われたら、胴体と翼をくっつけて飛行機を作ることができるでしょう。
モノは印刷物よりも不自由であるがゆえに、プレイヤーは迷わずにあそぶことができます。
ゲーム製作者としては、限られたできる範囲のモノを組み合わせてゲームを作っていけばいいので、できることに集中できます。考えを制限していくのはゲームを作り終えるのに非常に効果的です。

(2) 小ロットで作れる

印刷物は大量に生産した時のコスト減が大きいです。そのため、大手メーカーのゲームと同じ土俵で勝負するのに、個人製作の小ロットで製造していたのでは歯が立ちません。
ところがモノを使用するゲームは大量に生産してもあまりコストが下がりませんし、製造に手間がかかるので、大手がそれほど手を出してきません。
その結果モノを中心としたゲームはアイデアが被ることが少なく、新規性の高いゲームを作りやすい土壌がまだまだ残されています。
オリジナルのモノを発注して製造するとなると印刷よりも圧倒的に費用が掛かるのでお勧めしませんが、ひとまず仕入れ品を組み合わせて作れるゲームであれば、製造、販売する上でのリスクが少なくとっつきやすいやり方と言えます。

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3.なぜ「モノ」からゲームを作るのか

・「モノ」からゲームを作る理由

では私はなぜ「モノ」からゲームを作るのでしょうか。今までお話ししたようなメリットがあるからと言えますが、一言でまとめると私と相性が良かったからです。
でもそれは私がゲームを作れた理由にすぎません。その前にそもそもなぜ私がゲームを作るのかと言えば「ゲームマーケットに出るため」です。

・なぜゲームマーケットに出展するの?

わたしにとって「ゲームを作りたい」よりも「ゲームマーケットに出たい」という感情のほうが上です。コミケに出たくて同人誌を作るのと同じで、いわゆる箱推しの状態なので私はゲームマーケットがなければゲームを作らないでしょう。
私はゲームを作り始める前は一般参加者としてゲームマーケットに参加していましたが、あるときとてもゲームマーケットにゲーム製作者として出展している人たちがうらやましくなり、憧れ、それでゲームを作り始めました。
私はゲームマーケットの「そんな考えがあったか」と驚かされるゲームが多々集まるところが好きです。ゲームは人間の作るアイデアの総決算ですが、私はゲームにおける競争の要素よりも、シンプルに抽出されている仕組みが機能するという部分に感動します。それだけに、むき出しのアイデアがボンと置かれている作品が多く、その作品を作り出した作者と直接交流ができるゲームマーケットが好きです。ゲームマーケットに出展されるゲームの極限がチャック袋ゲームであり500円ゲームだと思っています。そのアイデアとそれが機能する最低限のコンポーネント以外は何もいらないという潔さに感動します。
ゲームマーケットに出展するゲームを作りたい。それに対して私と相性の良い方法が「モノ」からゲームに落とし込む方法でした。

・なぜ「モノ」から作るの?

私はものすごくたくさんのゲームを持っているわけでも、あそんでいるわけでもありません。また、テレビゲームも習慣的にあそんでいるわけではありません。そんな私はゲームを作るための引き出しはほかの人に比べても少ないと思います。それでも既存のゲームとバッティングしない新しいゲームを作りたいです。
そこで私の心の支えとなっているのがその昔、とあるミニコミ誌でインディー系レコード会社の広告に書かれていた「レコードを2枚以下か2,000枚以上持っているミュージシャンご連絡ください」という言葉です。
たくさんゲームをやったことのある人に比べれば引き出しが少ないことはゲームを作るうえで不利かもしれませんが、ほかの人があまりやらない方法でゲームを作れば切り口の異なる面白いものになるかもしれません。
私は初めて作ったゲーム「マサラマジック」が木箱というモノにたどり着いた瞬間にゲームが一気に開け、ゲームができたという体験があるので、それ以降も「モノ」からゲームを作るという方法を続けています。今までゲームに使われていないモノの構造を使ってゲームを作れば、結果として今までにないゲームが生まれやすくなるだろうという目論見です。
幸い私はモノとお買い物が大好きで、100円ショップや通販でモノを探し続けるのは苦になりません。いつも試しにいろいろなモノを買っては、家の中の空きスペースを埋めています。最近では100円ショップに行き過ぎて、出荷するときにお金を取られる外部倉庫と思うことにしています。

・どうやってゲームを作るの

ゲームマーケットで頒布したいゲームを作るには試作品を作り続けるしかありません。思いついたことがあったら、モノを取り寄せ、試作品を作ります。頭の中ではすごくよさそうだったものが、現実世界に形を得るとそれほどでもないことはよくあります。まずは形にしてみると自分の頭で思った姿とどう違うのかがよくわかります。そこから改良点があれば直しますし、箸にも棒にもかからない場合はストック箱の中にしまいます。
アイデアをひねり出し、試作し、テストプレイを行い、たくさんの廃案を作りながら、なんとかしてゲームを絞り出す。そのようにして今までの4作品は作ってきました。

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4.「コマノセテクノ」の作り方

・コマノセテクノの生まれ方

一方、コマノセテクノの生まれ方は事故のようでした。
私はいつもTwitterのDMグループで仲のいいゲーム製作者のみんなと情報交換をしています。情報交換といっても情報を共有したらあとは、ツッコミ不在の大喜利になることがほとんどです。
あるとき未読がたまった一人からこんな書き込みがありました。

A:「おいういた。追いついた」

書き間違えたようです。

B:「『おえあんあ』かな?」
A:「なにそれ?」
B:「『おえあんあ』は母音だけで言葉を当てるゲームですね」
A:「これナンだ!」

こんなこと書かれたら大変です。
「おえあんあ」のことを置いておいて勝手にナンをテーマに架空のゲーム作り大喜利が始まってしまいました。
カレー作りのゲーム、「何」と「ナン」を言いまくるゲーム、ナンとチャパティを見分ける神経衰弱などなど、次々とアイデアが出てきます。
そこで「カードを回してはどうか」という意見が出ました。天才です。
「回すならピザだろう」
「ナンからピザへ」
「レキシの曲にありそう」
「回すピザに具材をのせるゲームはどうか」
「それだ」
というわけでゲームの種がみつかりました。
でもこの時点ではゲームに必要な、ジレンマや競う要素はありません。
また、回す機構をどのようにするかは決まっていません。
会社のお昼休みに考えたところ、スチレンボードでコマを作れば何とかなりそうです。
絵にかいて共有してみましたがあまり伝わりませんでした。

実際にモノを作って見てもらった方がよさそうです。
その足で100円ショップへ行きスチレンボードを買おうとしましたが、それよりもいいものを見つけました。コルクの鍋敷きです。適度な大きさと重さがあり、軸をつければ回りそうです。軸は画鋲にすることにして、とりあえずのせるものとしておはじきも買いました。
鍋敷きの重心に画鋲を差して回したところ、コマのようによく回りました。おはじきをのせるとすごい勢いではじかれていきます。想像以上です。
動画にとってアップしたところDMグループの反応は上々でした。
動画をアップした時間を見ると、先の写真をアップしてから30分もたっていません。
ボードを回してチップを置き点数を競うゲーム。
点数が外側だと高く、内側だと低い。
ボードを回しているとゲームの骨格が決まっていきました。
後は細かく詰めるだけです。
コンセプトは100円ショップで作れるゲームにしてみたところほかのパーツもそろっていきました。
チップはJun1sさんのサイトを参考に、おはじきより軽く摩擦が強いフェルト製にしました。

https://sites.google.com/site/jun1sboardgames/blog/makeyourbg


点数カウンターは久遠堂さんの「バッティンドーナッツ」を参考に、木製クリップを使用することにしました。

あとは安全にあそべるように画鋲の先端を切り、ホットボンドで留めるようにしました。

それでゲームができてしまいました。

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・コマノセテクノのよいところ

できあがってみたコマノセテクノを分析したところ、私の好きな要素がてんこ盛りです。

列記すると
・  適度な重さと摩擦力を持つコルクボードの素材感がゲームの根幹にある
・  外側に置くと点数は高いけれども置けるかわからないジレンマ
・ 想像している以上にチップが飛ぶ驚き
・ 予想外の素材の組み合わせ
・ 説明が簡単なルール
・ 飽きない
・ 安い

自画自賛しているようでみっともないのですが、すべてがうまく組みあわさったので、自分で作ったという実感がありません。ゲーム丸のままが落ちていてそれを拾わせてもらったような感覚です。
あまりにも虫が良い話なので、先に作っている人がいないか調べてみましたが今のところ先行する同じルールのゲームはみつかっていません。
DMのグループのみんなで出すことにしようかともしましたが、結局私が出していいことになりました。

・コマノセテクノを出してみて

そんなこんなでゲームマーケット2021春に「コマノセテクノ」を出させていただいたところ幸いにも完売させていただくことができました。
会場で展示をしているとボードをまわしてはチップをのせるのを繰り返すお子さんが何人もいました。お買い求めいただいた後でうれしそうにぴょんぴょんはねている子もいました。
2日目のお昼過ぎにコマノセテクノで遊びたいという親子連れがいらっしゃいました。親御さんにすでに売り切れていることを伝えたところ、すでに買ったので大丈夫だとおっしゃいます。お話を聞いたところ、午前中にあそんで楽しかったのでお買い求めくださっていました。おひるごはんのときもお子さんは買ったゲームをあそびたいから家に早く帰ろうとおっしゃっていたそうです。午後もゲームマーケットをみんなで満喫したあとで、家に帰る前にもう一度コマノセテクノをあそびにきてくださいました。
お子さんはひとしきりあそんだ後で親御さんと一緒に帰っていきました。歩きながらぴょんぴょんはねています。ああ、あの子だったんだ。

・さいごに

コマノセテクノはそうしてできました。あまりにもすんなりとすべてがつながっていたので、ゲームを作り出したという実感は薄く、拾わせてもらったという感じです。ゲームを作っているとそんなこともあるようです。
ゲームを作っていると大変なことも多いですが、うれしいこともたくさんあります。
ゲームを作る人がもっと増えて、このうれしさを味わえる人が増えてくれればいいなと思いますので、みなさん気軽にゲームを作ってみてはいかがでしょうか。
ゲームマーケットでお待ちしています。

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