見出し画像

本当に誰かを助けたいならサステナブルな仕組みを

「何か自分にもできることがないか?」と人の役に立とうとする気持ちは人を突き動かします。そういうパワーがある人は素敵だと思います。協力してくれる人だっているでしょう。一方で、偽善だと心のない言葉をぶつけている人もいるかもしれません。

やらない善より、やる偽善。
僕もそう思っていました。
もっと人のために何かしたいというビジネスの相談がありました。一通りのプランを聞いた後に、シェフはこう言いました。

続かなければ意味がないし、誰か分からない人に何か与えるくらいなら、まずは一緒に働く仲間にきちんと給料を与えられるようにするべき。
本当に人助けしたいなら、めちゃくちゃお金がいる。だからまずは金を稼ぐ必要がある。

やるだけでは何も解決されないですし、場合によっては、自分の周りさえ幸せにできない可能性があります。あえて強い言葉でいうと、短期スパンで目の前のことだけを解決することは、自己満になってしまっているかもしれません。

仕事とは、まずは誰かのためになることをやることから始まると思いますが、ずっとそれだけでは課題解決にはならない。本当に課題解決したいのであれば、サステナブルな仕組みの構築が必要です。
サステナブルにするためには、無理をしないことが重要です。

例えば、体に良くても美味しくなければ続かない。ヤクルトがめちゃくちゃ苦かったら、誰も定期宅配しないですよね?あれはスッキリした甘酸っぱさがあるから国民的な栄養ドリンクになっているのです。
ビジネスでもそうだと思います。自分たちが無理しているのに、社会の課題解決なんて難しいです。まずはお金を稼ぐ仕組みを構築する必要があります。だから、僕たちはビジネスを必死に考えているのです。

バタコさんがいないアンパンマンは、ただの無謀です。ヒーローになれません。顔を安定供給する仕組みがあってはじめて、誰かにたっぷりあんぱんを食べさせることができるのです。
アンパンマンは、バタコさんがいなければ無理することができない。すると、ちょっぴりしか上げられず、泣いてる子のお腹も心も満たすことは出来ないでしょう。

アンパンマンの顔を生産する仕組みを考えたのは、きっとジャムおじさんです。あまり表に出ませんが、ジャムおじさんこそが経営者でしょう。ヒーローは必要です。しかし、ヒーローも1人では立ち続けることができない。自分の顔を切り崩すようなモデルは、長続きしません。長続きしないことは、どれだけ切り崩してもいつか辞めざる得ない。それはどんなに頑張っても、最後は誰かの期待を裏切ることになります。

プロペラは、風が吹くところ建てなければ安定的に発電しません。だから、どこに建てるか探す必要があります。そして、プロペラを建てるためにはもちろんお金が要ります。まずはお金を持つ必要があるのです。つまり、人の役に立つことは時間のかかることなのです。(元からあれば話は早いですが)

人の役に立ちたいと思うことを忘れてはいけませんが、その気持ちに飛びつくのではなく、一歩ずつ積み上げていく必要があります。

とある相談を受けたシェフからの回答で、そんな気付きのある日でした。言いづらいこともはっきり伝えてあげなければ、失敗してしまうかもしれない。そう分かっているのに言わないわけにはいかない。

本当の優しさとは、間違ったことを正しく指摘できる厳しさではないでしょうか?

根本的な部分の問題解決にならないと、その瞬間だけの働きかけでは良いことをした″つもり″にしかならないのです。
ちゃんと1人で走れるように、自立に向けたサポートが一番ベストです。

最後に行き着く根本的な課題解決に向けた仕組み。それは、教育になるのかもしれません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?