はじめて親に自分で切った血が出る傷跡を見せた日

私はこの日は、どうかしていたきっと。

いつもカッティングは自室か、出先であれば個室のトイレで、静かに一人で行って一人で静かに抑え込んで終わる。というか眠りにつくか、バイトに行くか、次の動作に移動する。わざわざ切った直後に、切った跡を誰にも見せないし、誰にも切ったことを言わないし、言いたいとも見せたいとも、自分以外の誰かに傷跡の処理をしてもらいたいとも、痛かったねしんどかったねと言ってもらいたいとも、そんなこと一ミリも思っていない。少々数本切って、血が止まらなかろうが、絆創膏でもして、しれっと何もなかったように、平然と普通に時を進める。いつもそんな感じだ。カッティングほど自己完結的でコストのかからない気持ちの消化手段はない。

自立していてだれにも頼らず一人で何でもこなせて精神的安定していて自信があってどしっと構えている女性像を理想とする私からすれば、ヘラるというのは言語道断。自分の精神の荒ぶりなんて他人に見せるものじゃないし、少々しんどいからって、人に頼るべきじゃない。まぁそんな風に考えているから、精神科に行くまで希死念慮が日常化してから一年もかかったのだが(バカか自分)。

何が言いたいかって、きっと自分の弱い部分を簡単には他人に見せれない私にとっては、ヘラるのはみっともない行為なのだ(ヘラるの定義は難しいので文意を汲み取ってなんとなくみんなが想像しているものでお願いします)。だからヘラるなんてご法度だしありえない。ださい。成熟した人間はそんなことしない。そんな未熟な部分を晒して何になる。めんどくさい。

先週の水曜日、「自分が精神科に通っていて服薬中であること。卒論をかける気がしないので休学を考えていること。しんどい原因に親が絡んでることを。」を親に告げた。最後の項目は言うつもりはなかったが、親のわかっていなさに耐えられなくなって、ぶちまけてしまった。この日の話は、荒ぶりながらメモしたものがあるので、またいつか落ち着いたら投稿したいと思う。

話を戻す。一人で自分一人のものにしていたものを精神科に行って人に伝えてみたこと。今までは会話なしのセックスしかしてなかったのに、アプリの人と飲みに行くようになって、お酒も入って、ティンダーに浮上しているのはエッチが好きだからでも何でもなく、精神状態が良くないせいであることを何度か何人かに打ち明けたこと。仲いい友達が就活が終わったので今ならいいかなと思って、病院に行ったことを言ってみたこと。極めつけは、親にぶちまけて過呼吸起こしながらいろいろ吐き出したこと。

今までは、ここで一方的に打ち込んでいたものを、対面で人に聞いてもらうことが増えて、少しヘラることに慣れてしまった。あんなにもありえないヘラるという行為のハードルが少しずつが下がってきたのだ。まぁ私のヘラるというのは、自分がしんどいと感じているという弱音を吐きながら高ぶる感情を抑えながらも少し見せること、親相手であればその原因に親が絡んでると言うこと、である。よく言えば、自分の本音を少し言えるようになってきたのだ。

でもそのせいか、人前で少しヘラれるようになった私は、今週の月曜日、はじめて、切った直後に、泣きながら血が止まらない傷跡をリビングにいる母親に見せにいったのだ。私もなんで今更そんな奇行に出たのかわからない。母親は「なんでそんなことするの。そんなに何が辛いの。今日の昼いっぱい話して元気になったんじゃないの。ママとパパの理解が足りてないの?」と言いながら、血をティッシュでふき取っていた。

「あ~わかってない。」と感じた。まぁ、そもそも、親には子の気持ちがわかるわけないというか、もう他人にはわかるわけがないことなんだ。別に精神疾患に限らず。個人のことは、当人以外の誰にもわからない。自傷や気分に関しては、当の本人ですら正直わかっていない部分は多いと思う。

親にぶちまけてから、比較的元気になって、親とも会話できるようになって、切る回数が圧倒的に減っていた。「もうめっちゃ元気や自分。もう薬をこれ以上飲みたくない。もう自分は治った。むしろ今までのは気のせいだったんじゃないか。」くらいに思ってた。

しかし、この日はyoutube動画の「鬱が治ったと思ったら「躁」状態のケース」というワンフレーズが引き金となって、急に気分に激しい波がきた。私は単極性のうつで元気になってきた、双極性障害の薬を飲んでいるがそれも医者が誤っているだけと、思っていたというか思いたかった私としては、今の私は躁状態で決して治ったわけじゃないと言われたも同然で、自分でその動画を開けておきながら、自分で気持ちが高ぶって切ってしまったわけだ。ほんとにとことん頭が悪い。うつや双極性障害に関するコンテンツに触れるとどうしても刺激になってしまうのに、自ら手に取ってしまうとは。

最近、正直、自分の気持ちも気分も自分のことなのにわからない。そんな話をしたいですが、また長くなりそうなので、この話はまた今度~。本日もお付き合い頂きありがとうございました。

私なんぞにご支援いただける方がこの地球上におりましたら、もう控えめに言ってあげみざわエクスプローションします。