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DYSTOPIA ROMANCE 4.0 text:Chapter3

DYSTOPIA ROMANCE 4.0が完成した日の明け方に初めてアルバムを通して聴いた。アルバムのラストにフォーエバーヤングを収録したのはこの曲への自分なりのリスペクトと感謝なのかなとその時感じた。Night Rainbowや僕らの時代といった最近の強力なシングルの中で改めて聴くと奇妙な曲だが、われわれをここまで運んできてくれたのは間違いなくこの曲だろう。

フォーエバーヤングは2011年制作のCD-R音源Hello,good music! hahaha…にはすでに収録していて、初めてライブで演奏して以降やらなかった日はほぼなかったと思う(bandcampに登録したのは2014年)。Have a Nice Day!としてライブをやる以上、ひとつのアイデンティティとしてこの曲を演奏しない日はないと思っていたが、直近のライブではすでに何回かセットリストから外している。
もともとはYAMAHAのシンセに入っているチープなベースとプリセットのビートにTM NETWORKのGet Wildのコード進行を合わせてそれにテキトーな歌と1分を超える異様に長いイントロをつけた。特にメッセージも持たないふざけたこの曲はオレが作った最もハバナイ的な曲だ(CDと配信で収録してるver.4.0ではイントロは短くしてるが、KillKiliVillaからリリースのアナログでは元々の長いバージョンを収録)。DYSTOPIA ROMANCE 4.0で初めてフォーエバーヤングを聴いた人にこの曲はどんなふうに聴こえるのだろうか。


ハバナイの歌を作るとき、自分の感覚を託す言葉やフレーズを見つけることが“何を伝えたいか”ということより先にある。フォーエバーヤングはその制作手順で初めて作った曲な気がするな。“何を伝えたいか”は歌が作り出す、オレがやることは言葉やメロディを見つけることだ(ちなみにオレが歌を作るときは言葉やメロディを見つけるには運動におけるZONE(ゾーン)みたいな場所に気持ちが入る必要がある。決まった時間・場所に集合して行う共同作業が苦手なのはそのせいもあるね)。
ベースラインやコード進行に対して歌のメロディは無限に存在する。気に入ったら同じコード進行を何回も使う。ハバナイの歌はカノン進行がとにかく多い。音もマイクロコルグのプリセットサウンドだ。オレはオリジナリティーや時代性みたいなことにはそれほど興味があるわけじゃなくて、普遍的でいつの時代にも存在するものに惹かれるのだと思う。キラーズのMr.Brightside、アーケイドファイヤーのwake up、M83のミッドナイトシティー、ケイティーペリーのカルフォルニアガール、カニエのRunaway、MØのNight with you、シャーデーのBy Your Side、ピクシーズのwhere is my mind、テイラースウィフトのstyle、チャイルディッシュガンビーノの3005、アヴィーチーのLonely Together。何か特別な仕掛けがあるわけじゃないけど強力なフレーズとメロディーに思いっきり気持ちが乗せてあって迷いを感じない。オレはそういう曲が好きだし、そういう曲を作ろうとしている。

さて、来週火曜11/26からアルバムのリリースツアーがやっと始まる。バンドでのライブ自体が1ヶ月ぶりだ。ホームグラウンド新宿ロフトに迎えるのはマイメンVampillia。ワールズエンドガールフレンドが主宰するVirginBabylonで出会ってからの長い付き合い。相変わらずの嫌われ者同士仲良くやろうじゃないか。2017年のUNIT以来の2マン楽しみだね。


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