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オーストラリアのSaaS事情[後半]~Sazae溝尻さんインタビュー~

前回に引き続き、オーストラリア発のITコンサルティングファームSazaeのCEO溝尻さんへのインタビューです。SaaSへの考え方を通して日本の企業文化を考えさせられます。


システムを業務に合わせるのではなくて、業務をシステムに合わせる

基本的にオーストラリアでは日本みたいに
会社ごとに業務ごとにカスタマイズすることにがんばろう
としちゃうのではなくて

「業務直してSaaSに業務を合わせる」
となります。

システムを業務に合わせるのではなくて、業務をシステムに合わせます。
だから日本ではSIerさんがしっかり舵をとって、
業務を見直してもらう話ができないとダメだと思いますし、
お客さんもそこに対する理解を変えていかなければいけないと思います。

システム「ガチャ」!

ただ、オーストラリアで面白いのが「ガチャ」です。
CxOレベル(経営幹部レベル)の人たちが変わると、
今まで使っているSaaSが別のものに変更
されることが多々あります。

CxOレベルの人と一緒にマネージャークラスの人も一緒に入ってきます。
そこで前の会社で成功したパターンと人を一緒に連れてくるんですよ。
たとえば、CxO レベルの人が前の会社でセールスフォースで成功していたら、今の会社がHubSpotを使ってCRMでうまく稼働していたとしても、
それを無視して、セールスフォースを入れたりします。
有無を言わさず変えちゃうんです(マネージャーも変わっていて、承認もおりやすいですし)。

また、日本と違って承認プロセスもさほど複雑じゃないですし、
システム改変することの根回しのようなものもあまりなく、
突然変更になったりします。

そして
転職できる文化なので失敗に対するリスクが少ない
のも原因かとは思います。
 
でもそこで動きがあるので、それはそれで面白いんです。
「なるほどな、こうやって動いてるんだ」と思います。

僕はまだできていないのですが、オーストラリアではCxOレベルの傘下に入れると、お仕事は安定していただけると思っております。
CxOの方も転職されるので、転職するたびにIT部門は、彼(会社も含めて)に依頼しておくみたいな形で、お仕事が入ってくることが見受けられます。

ITは裏切らない、属人化は阻止する

そういうこともあってか、
業務の属人化
っていうのはオーストラリアではあんまりないですね。

経営層の人たちは
ITっていうものが何なのか、
ITがいかに重要か
がわかってるんです。

そうでなくても、オーストラリアは
人件費は高いですし、転職文化なのでIT投資をしっかりしないといけない。

人は辞めていくので、人を信じられない、業務の属人化はできないんですよ、経営者からすると、だったらITは裏切らないじゃないですか。

アメリカで始まっているローコードインダストリ

オーストラリアでは日本と違って、流行っているSaaSというのはあんまりないんです。右倣えの文化じゃないので、各々好きなものとか、知り合いが使っていたとかでSaaSを選んでいるイメージです。

僕の聞いた話だと、アメリカではローコードの需要が増えてるらしいです。
SaaSって、
スピード感もあって、
ローコストではあるんですけど、
やっぱりカスタマイズしたい場合もあって
、ときどき歯がゆいんですよ。

そのあたりを経営者たちが、ローコードインダストリとして気づき出していて、ローコードの需要が拡大していると聞きました。

日本は宝の山、特別になれるチャンスにあふれている

オーストラリアから見ると
日本はまだまだITの課題がたくさんなので、宝の山に感じます。
人手不足ですし、SIerさん頼みで、まだスクラッチ開発をしていて
SaaSを導入していない会社さんが多いと思います。
海外ではもう終わったDX化の需要が日本ではまだまだあります
 
DX化が遅いことや、日本のIT文化は絶対変わっていくと思いますけどね。
変わっていかないと生き残れないような気もします。
 
日本にいることはチャンスだと思います。
IT&ビジネスの理解を深めて実践していくだけでチャンスはたくさんあると思います。

中小企業の社長さんは動きが早くできると思いますので、
SaaSを積極的に導入して、
スピードのある経営ができる
ので特にチャンスだと思いますね。
 
面白いですよ、日本は。 


溝尻さん、ありがとうございました!