仮面ライダービルドは愛と平和の戦士①

こちらの記事はかつて2018年10月11日、当時学生だった自分が書いたはてなブログを修正して再掲しています。なおネタバレを含みますので、最終話まで完走していない方はご注意ください。

中間発表がほんと詰んでいるので今夜は好きな事して時間を浪費しようとここに誓います。あと1週間でレポートの締め切りだなんて信じられない。この1週間一体自分は何をしていたんだよと思いましたが、必死に生きてたわ!一応論文も読んでたし、レジメも推敲してた!!!なのになんでだ!!!!
 


自分と仮面ライダー

自分は子どもの頃から仮面ライダーが滅茶苦茶好きで、親の影響もあって平成シリーズは一部作品を除いてほぼリアルタイムで視聴していた。主題歌は大体歌えるし、昭和ライダーでイントロドンもできた(夏休みの旅行での車移動では、親の趣味で特撮の主題歌とサザンオールスターズとQueenが永遠にリピートされたから)。
そう、仮面ライダー。
冷静に見ると全身タイツにアーマーをゴテゴテ付けているだけなのだが、どれもデザインがかっこいいし、ストーリーも深くて面白い(もちろん俳優さんもかっこいい)。知人からはよく「どれが1番おすすめ?」と質問されるが、どの作品も好きだし面白いから選べず答えに窮してしまう。「答えないと世界を破滅させる」と脅されたら、多分「…仮面ライダーキバ!!」と絶叫しながら絶命すると思う。
 
アメコミ好きな奴が仮面ライダー好きじゃないわけがない。トランスフォーマーとパシフィックリム好きな奴がニチアサスーパーヒーロータイム(テレビ朝日の日曜朝8,9時のキッズ向け番組枠)で育っていないわけがない。


仮面ライダーシリーズとビルド

今年で20周年(≒20作品目)を迎える平成シリーズにおいて、去年の9月から始まった「仮面ライダービルド」はかなり重要な作品だったと思う。
 
主人公は「物理学者」である桐生戦兎(きりゅう・せんと)。自力でライダーベルトを開発するほどの自他共に認める天才だ。自分が「仮面ライダー」になる前の記憶はほぼないが、世界の愛と平和のために仮面ライダーを続ける真のヒーローである。
 序盤は自身の記憶喪失と、偶然出会って相棒になった筋肉バカ・万丈龍我(ばんじょう・りゅうが)の冤罪事件の謎を追っていく。しかしストーリーが進むにつれて火星から宇宙侵略の足掛かりとして地球に住みついた、話の通じない宇宙人・エボルトから世界を守るために、命を懸けてそれまで敵だったライダーと協力していく。
 
初回はライダーキックの時に数式が流れ出たり、グラフの上を飛ぶ「物理学キック」をかましたり、何かと大きなお友だちを騒がす不安要素があったが、中弛みはほぼ無いし、話数を重ねるごとに登場人物の魅力をしっかり掘り下げも行われて視聴者を飽きさせなかった。素晴らしい。キャラクターそれぞれの個性が立っていて、己の信念に従って戦う姿は近年まれにみるかっこよさだった。
ストーリーも適度に複雑。第1話から物語全体の謎をちらつかせ、作品の根幹に流れるテーマが非常にヘビー。大人(自分は永遠の5歳児のつもりだ)が見ても滅茶苦茶面白い。

ちなみに所謂「月9」よりイケメン俳優が多いし、世界観も作りこまれてる。世のイケメン好きはみんな仮面ライダー見ればいいのに。お前ら売れる前のオダギリジョー、水嶋ヒロ、佐藤健、瀬戸康史、菅田将暉、福士蒼汰、竹内涼真を見たかっただろ?売れる俳優は仮面ライダーとかスーパー戦隊出身者が多いぞ??
騙されたと思って仮面ライダー見てみろって…。

ていうか平成2期でもビルドはライダーのデザインが屈指のかっこよさだった。テーマカラーが赤と青、差し色が黒?キッズ心くすぐるいい色だ。敵キャラクター含めて玩具展開のある全員がかっこいいデザインになっているのはめちゃくちゃすごくない?
どの作品でも、ビジュアルが微妙とか、変身シーンがダサい(個人的にはぶっちぎりで鎧武がダサいと思っている、好きだけど)とか、何かしら欠点があるんだけど、ビルドのライダーはベルト、変身アイテム、変身シーン、ライダーデザイン全部含めてかっこいい。ダサいのは戦兎とキャラクターの私服ぐらいだ。お願いだから変身シーンを見てほしい。
今さらながら全話録画していた1年前の自分を褒めたい、国民栄誉賞受賞。
 


仮面ライダービルドのテーマ

ストーリーは科学や正義、戦争など複雑なテーマが絡み合っていたが、軸は一貫して「科学は人を幸せにするか」だった。ポストモダンの永遠のテーマだ。まさか仮面ライダーで考える日が来ようとは…。
 
主人公の戦兎は、愛と平和のために仮面ライダーに変身していた。
が、それは黒幕であるエボルトが自身の封印されし力を復活させ、宇宙を破壊するために仕組んだものだった。作中でエボルトが繰り返し戦兎に「お前は所詮作られた仮面ライダーなんだよ!お前がやっていたのは仮面ライダーごっこなんだよ!!!」と叫び煽る。科学者として仮面ライダーとして世界の平和のために奮ってきた戦兎の拳。その全てが世界の破滅のために仕組まれたものだと知らされた戦兎の絶望は計り知れない。
 戦兎が発明した強化アイテムが、自分の意図しない方法で使用されて悲劇を生むこともしばしばだった。3号ライダーの猿渡一海(さわたり・かずみ)のグリスブリザードナックルとか。

戦兎は序盤から科学と暴力の関係について、「発明した科学者に責任はなく、使用者の問題」と言っていたものの、自分の発明のせいで仲間を危険に晒し、時には死を招くことになり何度も「俺のせいで…」と病んでいた。物語の序盤から彼は「この戦争で俺は(敵も含めて)誰も死なせずに勝ってみせる」と言っていたにもかかわらずなのだ。最終回を目前にしてライダーが軒並み死んでいくという、戦兎にも視聴者にも大きすぎる衝撃のトラウマ展開となった。こんなトラウマ、ウィザードのコヨミちゃん以来かもしれない。
(コヨミちゃん:仮面ライダーウィザードのメインヒロイン。最終回の2話前くらいで死んだ。)
 ここまでされると「科学が人を幸せにする」ことは不可能なのでは、と疑ってしまう。
 
 
しかし、自分が科学者であることに常に悩み続けていた戦兎は、劇場版(最終回の4話前が公開日。世界線を共有している)にて、父親である葛城忍(かつらぎ・しのぶ)に「なぜ父さんは科学者になったの」と問いかけた。父の答えは、迷わず「ラブアンドピースのためだ」だった。
最終回、戦兎は父と自分の平和のための科学という信念を胸に世紀の大実験を行い、世界、ひいては宇宙に平和をもたらした。
 
いやはや、本作の軸はどこまでもぶれない。ていうか「仮面ライダー」は最初に石ノ森章太郎が考えた通り、どこまでも愛と平和の戦士なのだ。


本当はビルドについて1つの記事に上手くまとめ上げて納めるつもりだったが、30分×50話の超大作を1つの記事にするのは無謀だった。しかも投稿が遅れる。実はこの記事は最終回終了直後の2018年8月28日から下書きしていた。
というわけで、なるべく短いスパンで更新していきたい所存だ。あと3週間足らずで中間発表だけどな!!!!深夜の2時まで何してんだ!レポート書け!!!
 

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?