Z級ログ:趣味ハラスメント

今年の3月、つまり会社から自然退職になってすぐの頃、2〜3週間ほど親から延々と

・折角買った一眼レフを趣味にしろ
・読書をやめて実用的な資格を取れ
・料理を趣味にしろ
・新聞を読め

などと「社会に順応した趣味」をするように強要され続けたのを思い出した。
そりゃ朝から晩まで一人で黙々と読書をする姿を見れば、何かしら実用的かつ実利をもたらす趣味をして欲しくもなるものなのだろうが、それにしても辛かった。
趣味は自分のペースで没頭するのが楽しいと感じるタイプなので、ここまで功利的はラインナップを押しつけられるとうんざりする。自分の好きなことが結果的に儲けになったり、誰かの役に立つなら幸いだが。
一眼レフも、そもそもの購入理由が「ディズニーリゾートでのパレードやショーで綺麗にキャラクターを撮影したい(スマホでの撮影に限界を感じた)から」なのだ。それ以上でもそれ以下でもない。というかそれ以外に使用するつもりもない。写真を撮る時だって「こういう画を撮影したい」というものがあって意欲が湧くものだと一丁前に思っている。ありがたいことに風景写真は今のところスマホでも満足している。究極的な自己満足だ。

それと「推し活」のトレンドからも分かるように、最近は社会全体として好きなものに深く長く没頭するのが良いことだとされている。
しかし浅く広く適度にいろんなことをつまみ食いしたい自分には、その長期的に一つのことに心を奪われておけと暗に強要されている状況は結構ストレスを感じるシーンが多い。

だから洋画という「ジャンル」はとても心地いい。長期的なシリーズと言えど新作が公開されるのは最短でも4〜5年程度だ(最短で半年スパンのMCUは異常なペースだ、どうやらVFXチームが過酷な労働状態らしいので心配している)。その間に別の作品を観れる。忘れた頃に続編制作が決まったり、ふとした時に撮影中のオフショットが流れてくるのが楽しい。そもそも単発を前提としているものが多いので長期没頭の「沼」になりにくいのも気楽だ。「映画を作ってくれてありがとう!!!」の気持ちを込めて、公開時期を過ぎれば買えなくなるパンフレットやグッズを買って応援する。基本「待ち」の姿勢で良い。

所謂「推し」となる俳優たちも、そこまで短期で大量に映像作品に出演することもないので、観たい物だけゆっくり味わえる。日本の芸能人と比べてもYouTubeやSNSからの独自供給もそれほど多くない。「海外」という物理的な距離もあり直接交流する機会も少なく、「沼」「推し」というほどハマることもない。だって新規の情報がほぼ出てこないからね!味がなくなるまで噛んだガムを永遠に噛み続けている状態に満足し甘んじているとも言える。

でも最近も「ファスト映画」とかのトレンドを考えると知識でバトルする人たちもいるしな…。結局どんな趣味を選んでも、「自分が1番推し/沼のことを知っている!」とパフォーマンスしないと居場所がなくなってしまうという集団迷妄にかかっているような気もする。


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