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【NIGHTMARE復活】悪い夢が覚めないことは決して悪くないと祈りを込めて

伊達漢祭でした。

まず、伊達漢祭とは活動休止中のNIGHTMAREメンバーがソロプロジェクトとして組んでいるバンド5組が一堂に会して対バンをするという夢のようなイベントだ。

去年はアンコールでNIGHTMARE全員が揃ってステージ上で挨拶をするというサプライズがあり、メアギャ(NIGHTMAREファンのバンギャ)はただそれだけで全員が泣き崩れるという状態だった。

そんな今年は主催からこんな告知が出た。

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これはザワつく。

来年はNIGHTMARE結成20周年の節目。かねてからボーカルYOMIを筆頭に「20周年は、みんなで祝いたい」と言っていた所でこの告知。

これはザワつく。

もう、そう、これは活動再開しか。

メアギャ界隈は色めき立ちながらも、なるべく平静を装いながら今日を迎えていた。あれ、なんなんだろうかね。やっぱみんな大人だから、大騒ぎするってより静かに噛み締めてて、でもなんか言葉に出したら幻になるんじゃないか、なんて不安もあったのかな。夢じゃありませんようにって気持ちが漂っていた気がする。

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Zepp Tokyoは小雨混じり。先日の台風にも負けず、全国からメアギャが集結した。年に一度のお祭り、しかも今年はアレがある。胸に秘めた思いと共に入場が始まる。

出番はLSN、BULL FIELD、TAKE NO BREAK、gremlins、JAKIGAN MEISTERの順だった。去年トリだったYOMIのテクノが3番手で、あれ?これはなんかあるなと思いだす。もしや、千葉さん乱入とか?

そんなサプライズも一瞬、頭をよぎりつつ咲人の邪気眼まで滞りなくライブは進んでいく。そして最後の曲『ワールズエンド』の紹介で咲人が「みんなが繋いでくれたから」とボソッと呟いて演奏を始めた。

この手を繋いで
悪い夢の中で

『ワールズエンド』に繰り返し出てくる歌詞だ。

咲人がゆっくり捌けて緞帳が下がる。5分だったか10分か、少し長く感じるアンコール。暗転して緞帳に映し出された映像はNIGHTMARE結成の「2000年1月1日」からのカウントアップとモノクロのライブ映像。だが、それも長い。活動休止の2016年までライブの数だけカウントを回していく演出のようだったから、それだけで時間かかる。

ぼんやりと見つめていたら「長いのも当たり前だよなぁ。16年も活動してたんだもんなぁ。ああ、この辺でメアの事を知ったなぁ。この年からライブ行くようになったなぁ。活休発表された仙台PITの衝撃、凄かったなぁ」なんて心の中で思い出を振り返りだして、そうしたら想定していなかった感情の昂ぶりが湧き出した。

スクリーンは活休した「2016年11月23日」になっていた。一瞬の沈黙。会場はいつの間にかすすり泣く声で溢れていた。そこから一気に時間が動き出す。高速回転して「2019年10月14日」今日だ。

これで緞帳開いてNIGHTMAREがライブでもしたら

願望も混じった思いがよぎると、ドーン!というSE(実際に鳴ったかどうか分からない。とにかくドーン!という衝撃があった)と共に『Quints』が始まる。去年のアンコールでもこの曲をBGMにしてメンバーが並んで登場した。しかし、今日は違った。

まさか、揃いの衣装をまとったNIGHTMAREが演奏している。YOMIが中央で歌っている。悲鳴と嗚咽。怒号にも似た叫びが会場を包む。

伊達漢祭が始まる前は、意外と冷めた感情で「はいはい、活動再開を発表するんでしょ」なんて軽い気持ちで臨んでいた。正直、予定調和だろうと思っていた。

だが、実際にNIGHTMAREが復活した姿を目の当たりにして、そしてついさっきまで黒髪だったYOMIが茶髪に変わっていて、今日もテクノのライブで低音が少しブレちゃうのを心配していたのに、むしろ活休前より高音の伸びが綺麗なYOMIの歌声を聴いて、普通に僕は泣いていた。

揃った!

最後の戦いを前にバラバラになってしまっていたヒーロー達が再集結したような、そんなベタなヒーローアニメのクライマックスを見ているような興奮と感動。まさかこんな感情になるとは思ってもみなかった。活休から3年、自分でも押し殺して見ないふりをしていた気持ちが一瞬で溢れ出していた。

ステージ上のメンバーは笑顔だった。あの頃と何も変わらない笑顔でいた。

それがまた、堪らなく嬉しくて、YOMIが笑顔で「お前らもう一曲行けるかー!首置いていけー!」と叫び『極東乱心天国』が始まる。会場は、もう訳がわからない感情で溢れかえっていた。周りでメアギャが飛び跳ねながら抱き合って泣いていた。

この曲は間奏でドラムのRUKAさん以外全員が中央のお立ち台に集結してリズムを取りながら笑い合って演奏する。その光景が大好きで、活休ライブでも最後にその光景を目に焼き付けて、またいつかこれを観たいと願った。それが目の前で現実になっていた。泣く。みんな泣く。そら泣くよ。

嗚呼、いつの間にか時は過ぎて 僕は独り
嗚呼、動き出したこの世界で もう止まれない

みんなで合唱する歌詞も、なんだかこの日の為に作られたんじゃないかと思うくらいピッタリで、僕はただただ嬉しくて見つめていた。

『極東乱心天国』が終わり、余韻に浸る間もなくRUKAさんが何時も通りにサッサとステージから捌けて行くのを「相変わらずだなぁ」と笑って見送る。最後にYOMIがマイク無しで「ありがとうございました!」そうステージ中央で叫ぶ。これも活休最後の光景と同じだった。

しかし、何も語らずだった。

そこに流れ始める『Awakening.』

NIGHTMARE名義で最後に出した曲。

声が 枯れて 上手く歌えない 壊れそうな身体で

活休前、本当に声が枯れてて上手く歌えないYOMIを見てきて、活休後に少しずつ歌声の幅が戻ってきて無理しないでも歌えるようになって来たYOMIを見続けてきたから、僕はたぶんこの曲が掛かった瞬間が一番やばかった。

そしてスクリーンに映し出される告知。

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「悪夢再び」

会場、割れんばかりの大歓声。そして涙。

悪い夢が覚めないことは 決して悪くないと
祈りをこめて

ありがとう。そして、おかえりなさい。



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