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子供への承認とやさしい世界

承認は、人が生きていく上で必要不可欠な要素の一つであり、幅広い分野において重要な役割を担っています。存在に対する承認は、誰かが存在していることを認め、尊重することです。この承認は、相手に対する基本的な人権や自己決定権を認めることから始まります。

承認欲求=無価値観

承認欲求は、多くの人が経験する欲求の一つです。誰かに自分を認めてもらい、自分の存在価値を確認することで、自己肯定感を高めることができます。しかし、承認欲求が強すぎると、自分自身を見失ってしまい、他人にすがって生きているような状態に陥ることがあります。

承認欲求が起こる軸となるエネルギーは、無価値感に起因しています。つまり、自分に対して自己否定感が強く、自分自身に対する価値観が低いと感じている場合、自分の存在や行動が他者に承認されなければ、自分自身を正当化することができません。自分自身に対して自信が持てず、他者からの評価を必要としているため、他者に対して自分自身をアピールし、自分の存在価値を証明する必要があると考えるようになります。

このような状態は、幼少期や若年期の経験によって形成されます。例えば、親や教師からの評価が低く、否定的な経験をした場合、その子どもは自己否定感が強くなり、自分の存在や行動に対して不安を感じるようになります。また、同じ年齢の他の人と比較された場合、自分自身に対する評価が低くなり、承認欲求が高まる傾向があります。

このような無価値感を持つ人は、自分自身を肯定することができないため、他者からの承認が必要になります。例えば、SNSで「いいね!」をもらうことで、自分自身に対する評価を確認することができます。このように、承認欲求は、自分自身に対する価値観が低いため、他者からの評価が必要になるという状態を表しています。

幼少期や若年期の承認の重要性

子供時代に承認を得られなかった人々は、大人になってからさまざまな行動をとる傾向があります。子供のことに承認されないと、大人になってからも承認欲求が強く影響を及ぼすことがあります。以下にその具体的な行動についていくつか紹介します。

承認欲求に囚われる
自分自身を認めてくれる人がいないため、自分自身の価値を認めることができず、承認欲求に囚われる傾向があります。自己肯定感が低くなり、他人からの承認を求めることが常に優先されるようになります。

自己評価が低くなる
子供の時に否定的な評価を受け続けた場合、自己評価が低下することがあります。自己肯定感が低くなり、自分自身の能力や価値を見くびるようになる傾向があります。

他者に対する攻撃性が高くなる
自分自身を認めてくれる人がいないため、他人に対して攻撃的になることがあります。他人を攻撃することで、自分自身を守ろうとする傾向があります。

対人関係に悩みやすくなる
承認欲求が強い人は、対人関係に悩みやすい傾向があります。他人からの承認を得るために、自分自身を偽ったり、自分自身を守るために距離をとったりすることがあります。

飲酒やドラッグ乱用などの問題行動に走る
承認欲求が強い人は、しばしば問題行動に走る傾向があります。自己肯定感が低くなることで、ドラッグやアルコールなどの問題行動に走ることがあります。

他人に気に入られようとする傾向
承認欲求が強い人は、他人に気に入られようとする傾向があります。そのため、自分の意見や価値観を曲げてでも、他人に合わせた言動をとることがあります。

過剰な自己アピール
承認欲求が強い人は、自分自身をアピールすることで他人からの認められたいという欲求を満たそうとする傾向があります。しかし、過剰な自己アピールは逆効果になることもあるため、注意が必要です。

孤独や孤立
承認欲求が強い人は、他人からの承認が得られない場合に、孤独感や孤立感を感じることがあります。そのため、交友関係を築くことが難しい場合があるかもしれません。

自己否定
承認欲求が強く、他人からの承認が得られない場合、自己否定感が強くなることがあります。自分に自信を持てず、自分自身を否定することが多くなります。

以上のように、子供のことに承認されなかった経験が、大人になっても様々な形で影響を及ぼすことがあります。これらの行動は、承認欲求が強い人が大人になってからどのような問題に直面する可能性があるかを示すものです。子供の時に承認を受けることは、将来的に健康的な対人関係を築く上で重要な要素の一つであることがわかります。

現代社会と承認の難しさ

現代社会において、親が子供を承認できない事象があるということは、親子関係に何らかの問題が存在するということです。この問題には、様々な原因が考えられます。

自己中心的な価値観の拡大
現代社会においては、個人主義や自己中心的な価値観が広がっています。このような状況下では、親も自分の都合や価値観を優先して子供を承認できなくなる傾向があると考えられます。

社会的圧力や期待の増加
現代社会においては、子供に対する社会的圧力や期待が高まっています。その結果、親も自分の子供に対して高い期待を抱くようになり、その期待に応えられない場合には、承認しづらくなるという状況が生じています。

コミュニケーションの欠如
親と子供のコミュニケーションが十分に行われていない場合にも、親が子供を承認することができなくなる可能性があります。例えば、親が子供に対して十分に時間を割けない、話を聞いてあげられない、子供の気持ちや考えを理解しようとしないなどの状況が挙げられます。

過度の教育や指導
親が子供を過度に教育や指導し、自分の理想のイメージに合わせようとする場合にも、承認しづらくなる可能性があります。親が子供に対して過剰な期待を抱いたり、子供を自分の代替品のように扱うような態度をとると、子供は自分自身を否定されるような感覚を持つことになり、承認されづらくなります。

忙しいライフスタイル
現代社会においては、仕事や生活の忙しさから、親が子供を承認する時間を割けなくなっている場合もあります。子供に対する承認は、コミュニケーションや関わり合いを通じて行われることが多いため、時間が不足している場合には承認することができなくなってしまうこともあるでしょう。

社会の価値観や期待
高い学歴や高収入などが求められる社会では、そのような成果を出せない子供を持つことが親のプライドを傷つけ、承認できなくなることがあります。また、性別や人種、性的指向などに対する偏見や差別意識によって、親が子供を承認できないこともあります。

親自身が過去に承認を受けられなかった経験を持っている
子供に対して承認を与えることができないことがあります。過去のトラウマや苦しい体験が親自身に未解決の問題として残っている場合、それが親が子供を承認できない理由になることがあります。

親自身が経験していないことは受け入れられない
自分が経験したことがないことを子供がやろうとすると、親は心配になり子供のチャレンジを承認できない場合があります。例えば、子供が将来起業したい意志がある場合、起業経験がない親の場合を心配という恐れの感情からネガティブな言葉を伝えるケースがあります。

以上のように、親が子供を承認できない原因には、様々な要因が考えられます。親が子供を承認できるよう、コミュニケーションを増やすことや、親自身が過去の問題を解決するための支援を受けることが必要です。そうすることで、親と子供の関係がより健全になり、幸福な家庭環境が築かれることにつながるでしょう。

承認できるようになるには

子供を素直に心から承認することは、親にとっても子供にとっても幸せな関係を築くために非常に重要です。以下は、子供を素直に心から承認するための具体的な方法です。

話を聞く
子供が何かを話したり相談したりするときには、親がちゃんと耳を傾けてあげることが大切です。子供が話す内容は、大人から見れば些細なことでも、子供にとっては非常に大切なことかもしれません。親が話を聞いてあげることで、子供は自分が大切にされていると感じることができます。

認める
子供が何かを成し遂げたり、がんばったりしたときには、親がそのことを認めてあげることが大切です。例えば、子供が学校のテストで良い成績を取った場合、そのことを認めて「よくがんばったね!すごいね!」とほめることができます。

理解する
子供がどんなことで悩んでいるのか、何を求めているのかを理解することが大切です。子供の気持ちを理解することで、親は子供がどんなサポートを必要としているのかを知ることができます。

感情を共有する
子供が悲しい時や怒っている時には、親が一緒に感情を共有してあげることが大切です。例えば、「悲しいね。私も一緒に悲しいよ」と一緒に感情を表現してあげることで、子供は自分の感情が理解されていることを感じることができます。

コミュニケーションを大切にする
親子のコミュニケーションが不十分だと、親が子供を理解できないために承認が難しくなります。親子で話し合いをすることで、お互いの気持ちや考えを共有することができます。また、子供がどのようなことに興味を持っているか、何に関心を持っているかを知ることができます。コミュニケーションを大切にし、子供が自分自身を表現できる環境を整えることで、親も子供もより理解しやすくなり、承認しやすくなるでしょう。

自分自身を肯定する
自分自身を肯定することは、子供を承認することと密接に関係しています。自分自身を肯定することで、自分自身を受け入れ、自信を持ち、他人を受け入れることができます。親が自分自身を肯定することで、自分自身の感情や価値観を理解し、子供の感情や価値観を受け入れることができるようになります。自分自身を肯定することで、子供に自信を与え、自己肯定感を高めることができます。

親が子供を素直に心から承認することは、子供の自己肯定感や自己価値感を高め、健康的な成長につながる重要な要素です。子供の成長にとって、親の承認は大きな支えとなります。親が子供を理解し、受け入れ、肯定することで、子供は自己肯定感を高め、自信を持ち、健康的な人格を育てることができます。

承認=最高のプレゼント

どんなプレゼントより子供がほしいプレゼントは、親からの承認です。子供を承認することは愛です。承認にも様々な段階や種類がありますが、ここでは、5つの承認を紹介します。

結果承認:成績や評価、賞賛などの結果に対する承認のことです。
プロセス承認:子供が努力し、挑戦することに対する承認です。
行動承認:子供の行動や態度に対する承認です。
意識承認:子供の思考や感情に対する承認です。
存在承認:子供の存在そのものを受け止めることによって与えられます。

結果承認(Result recognition)
人が達成した結果に対して、肯定的な評価を与えることです。成果承認とも言われます。達成した結果が目に見える形で表れる場合に、より効果的に働くことがあります。

「あなたの成績がとても良かったね!おめでとう!」
「あなたの書いた絵、とても素晴らしい!すごい才能があるね!」

プロセス承認(Process recognition)
人が取り組んだプロセスや手順に対して、肯定的な評価を与えることです。プロセスや手順を重視することで、その結果が生まれた背景や理由を深く理解することができます。

「あなたがこんなに頑張っている姿を見るのはとても感動的だよ」
「努力は必ず報われるから、続けていこうね!」

行動承認(Behavioral recognition)
人が行った行動や振る舞いに対して、肯定的な評価を与えることです。過程よりも、具体的な行動や振る舞いを重視することで、その人がどのような行動をしたかを明確にし、同様の行動を再現できるようにします。

「あなたが優しい言葉をかけてくれたこと、とても嬉しかったよ」
「ありがとう!あなたの行動はとても勇気づけられるね!」

意識承認(Consciousness recognition)
人が持つ意識や考え方に対して、肯定的な評価を与えることです。意識や考え方は目に見えないものですが、人の行動や生活に大きな影響を与えます。意識承認は、人の内面的な価値を認め、尊重することができます。

「あなたの考え方はとても深いね。興味深い話を聞けて楽しかったよ」
「あなたの気持ちが分かるよ。そんなときは私がそばにいるからね」

存在承認(Existential recognition)
人が持つ存在自体に対して、肯定的な評価を与えることです。存在承認は、人間関係や心理的安定に影響を与えることがあります。存在自体が価値あるものであることを認め、尊重することができます。

「あなたが生まれてきてくれて、とても嬉しいよ。」
「あなたがいることが私の幸せだよ」


これらの承認の種類は、人間関係や教育など、あらゆる人間関係において重要な要素です。人は、他人からの承認を求め、その承認によって自己肯定感や自尊心を高めることができます。しかし、承認に依存しすぎると、自己肯定感が低下し、自分の価値を見失ってしまうことがあります。適切な承認を受けつつ、自分自身の内面的な価値を確認し、自己成長を続けることが大切です。以下はその他の承認に方法です。

能力に対する承認
相手が何らかの能力を持っていることを認め、その能力を尊重すること。

人格に対する承認
相手の人格を認め、尊重すること。これは、相手が持っている独自の価値や信念を認めることを意味します。

絆に対する承認
相手とのつながりを認め、尊重すること。これは、人間関係において重要な要素であり、相手との関係性を大切にすることが求められます。


「存在承認」の重要性

子供に対して存在承認をすることは、彼らが自分自身を肯定し、自信を持つことができるようにするために非常に重要です。学業や部活で成績を求められたり、厳しい環境で戦ってきた子供たちは、自分が本当に必要とされていると感じることが大切です。そのため、家庭に帰ってきた時に、親から「おかえりなさい」と迎えられることで、子供たちは自分が存在していることを認められたと感じ、自己肯定感が高まります。

存在承認は、子供たちが家庭でリフレッシュし、心身ともに安心できる場所を提供するためにも必要です。子供たちは、家庭での安心感や居心地の良さを感じることで、ストレスから解放され、次の日の活動に向けてリフレッシュすることができます。

また、存在承認は親子関係の健全性を維持するためにも必要です。親から存在を認められ、肯定されることで、子供たちは親に対する信頼感や愛情を感じることができます。これにより、子供たちは自己開示や意見表明をしやすくなり、親子のコミュニケーションもスムーズになります。

以上のように、存在承認は子供たちの自己肯定感や心身の健康、親子関係の健全性にとって非常に重要な役割を果たしています。

承認とやさしい世界

親が子供を承認することは、子供にとって最も必要なものの一つであり、その愛が子供たちを育てる力になります。愛はエネルギーであり、そのエネルギーが子供たちを包み込み、成長する力となります。親が子供たちを愛し、承認することで、子供たちは自分自身を愛し、承認することができます。

また、この愛が今後の地球の平和につながることもあります。愛は共感を生み、共感は理解を生み、理解は平和を生みます。つまり、親が子供を愛し、承認することが、子供たちが他者を愛し、承認することに繋がり、それが世界平和に繋がるということです。

人間は社会的な動物であり、他者との関係が不可欠です。そのため、親が子供を承認し、愛することは、子供たちが社会に適応し、他者との関係を良好に保つためにも非常に重要です。そして、そのような子供たちが育っていくことが、地球に平和をもたらす一助となるのです。

子供たちが承認される環境を作ることは、親や教育者の責任でもあります。子供たちが自分自身を肯定し、他者を尊重し、協力することができるようになるためには、彼らが受け入れられ、承認される環境を提供することが必要です。

承認によって、子供たちは自分自身を愛し、他者を愛することができるようになります。そして、それがやがて平和でやさしい社会へと繋がっていくのです。私たちが子供たちに承認を与えることで、世界がより良い場所になることを信じています。


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